純愛初恋は初エッチをいつするかが壁 - 「彼」first loveの感想

悩みすぎ

いちおう純愛がテーマになっているみたいで、桐矢も花梨もお互いの事を本当に大切に思っていて、かわいらしい感じです。壊れ物を触るみたいに大切にしているというか。だから、もっと近づきたいと思っているのに、勇気が出せなくて足踏みして…そのたび桐矢は傷つくけど花梨を大事にしたいからって我慢してる。ざっと見てみて、恋人として関係性が進展するまでを丁寧に描いている作品かなーって思います。何がそんなに流行ったのか、今となっては謎な気がする。そんな物語です。

とにかくですね、悩みすぎなんですよね、花梨ちゃんは。だってなんか怖いんだもん、だってどうしたらいいのかわからないんだもん、友達とうまくやるのだって本心を言って傷つきたくないんだもん…ぜーんぶ自分を守って小さくまとまっている女の子。家庭内でも自分は大切にされているようでされていないと感じている。そういうのって結局は、プライドが高すぎて自分を守りに入ってるから、他人からも受け入れにくいし、心を開いてもらえなかったりするんだと思います。親とだって、話せば分かり合えるかもしれないのに、怒られることや、家族から拒絶されることで居場所を失ってしまう気がして動けなくなる。決して毎日ケンカばかりしている…っていう生活ではないんです。姉だっているし、いざという時は頼ることもできる。だけど、素直にはがんばれない。自分を束縛するものから解き放ってくれたのも、結局は桐矢でしたし、桐矢が持つ心の傷を癒して父親と正面から向き合わせてくれたのは花梨でした。いいカップルよね～…

桐矢の体格が良すぎやしないだろうか

ちょっと嫌だなーと思うのは、妙に男の子たちの体格がいいことですかね～…桐矢のベッドシーンに至るときの上半身なんて、全然ぐっと来ないんですよ。たぶん、筋肉質な感じがなくてのっぺりとしていることのせいだろうと思います。脂肪がのってるね～って言っちゃいそうになりましたもん。妙に肩幅が広いし、歩いているときの姿勢がちょっと猫背気味であること、そしてその髪の毛の長さ！男はもっと短い髪型にしてくれないと、気持ち悪いねん！あ、これは完全に好みの話ですよ、もちろん。（笑）筋肉がなくてただ大きい体だから、脂肪が乗っかって実はそんなに洗練されたボディではないのかも…？って思ってしまいました。

確かに、花梨と正面から向き合ってるところ、表情、横顔とかはカッコいいですよね。ただ、体とのバランスを考えたときにどうにも受け付けないんですよね…女の子たちの方は基本的にばっちり合ってると思うんですが、なぜなのでしょう？身長差だったり距離感・奥行きとかを考えたら難しいものなんでしょうか。上手に絵を描いてくれているか？っていうのもけっこう読むとき大事になってくるポイントのように思うので、ズレがあるとムードが壊された感じがして残念な気持ちになってしまうんですよ。漫画って絵のうまさだけじゃ語れないものが多いですけど、それでも綺麗に撮れた写真は、見る人に何かを残してくれる。そんな力が込められていますね。

初めてだから怖いの…は古いと思う

もうね、付き合っちゃったのなら、体の関係になるのは時間の問題じゃないですか。それをよくもまぁあれだけ引っ張ったなと、逆に感心します。他の漫画だったら、俺のことそんなに信じられないなら別れよう、とか言われそうなレベル。そりゃー体の関係だけが恋人関係におけるすべてであるとは思っていませんよ？それでも、相手のことをもっと知りたいと思えば、触れたいと思うことはごく自然なことで、そこで寸止めくらわす女の子は、男の子の生態をよくご存じでないのでは…？って思ってしまいます。

だって今まで男の人のことなんて知らなかったんだし、そんないきなりいっぱい言われてもわかんないよ…！一から十まで教えてもらわないと動けないのか？私もよく言われる言葉の一つですけど、手に入れたいと思うなら、自分から向かっていく勇気が必要ですよね。知ろうともせずに、ただ逃げているうちは、本当に信頼しあえる関係性とは言い難いでしょう。男の人と付き合うのなんて初めてで、どう行動したらいいのかが全然わからないのは当然の事。みーんな通る道なんですよね。本当にその人でいいのかどうか、ちょっと止まって考えてみる時間も大切だろうし、勢いよく信用しきってしまうことも時には大切だろうし。答えなんてないけど、怖いもの、というわけではないのだから、さっさと始めろ！とイライラもしました。花梨に勢いが全然ないから、桐矢だってどうしたらいいのかわからなくなるんだし。女性がカギを握っているものなんですよ、こういうことは。

南里みたいな友を持て

友だちを持つなら、南里みたいな人を友だちに持ちたいですね。クールで知的、大人っぽくて、物事をいろんな角度から考えてくれる。そして、自分の信条に反することをするような輩には、それなりの言動で対処する。すじが一本通っていて、友だちのことはすごく大切にしてくれる。だから、正しいと思えば応援するし、間違っていると思う時は正直に想いを伝えてくれる。権力に負けずに行動できる人ってすごく貴重だし、そういう人こそ絶対に成功すると思うんですよね～…いや、成功するだろうから友だちやってますってことじゃないですよ？それくらい、自分の向きたい方向がしっかりしている人でないと、なんか信用できないじゃないですか。特に女子の領域においては、南里は出る杭状態になっているので、南里と仲良くすれば一部の面白くない女子たちからのやっかみがまた始まるかもしれない。それでも私は南里を大切にするよ？私を救ってくれて、ダメダメだった私の人生を変えてくれた、唯一の心許せる友達なのだから…この関係性がいいですよね。大人になるにつれ、どうしても友だちは希薄になりやすい。だからこそ、濃い関係性の友だちって貴重だし、お互いに大切にするべきだなーって思うんですよね。純愛はラブだけじゃないのよ！なーんてカッコいいことを言ってみた。

カメラマンのフィルターに映るもの

花梨は、もともととてもかわいいのにメガネとおさげ頭、そこから醸し出すがり勉雰囲気によって台無しにしていました。そんな花梨が桐矢や南里のおかげでどんどん“女の子”である時間を取り戻していき、自分のことばっかりじゃなく、相手の気持ちになって行動することや、正直に気持ちを伝えることを覚えて、大人になっていきます。恋のおかげでいろんな気持ちを知り、人を知り、成長していった花梨。あんなに他人に興味がなかったのに、すっかり桐矢にベタ惚れで、好きな気持ちがダダ漏れている。そんな初々しい姿がカメラマンの高樹さんの目にとまり、被写体として撮ってもらうことに…おーついにデビューなのか…！って思っていたら高樹さんに口説かれたりして…なんだか試されている？「高樹」っていう名前の人、あらゆるジャンルの作品で悪役で登場することが多いと思うんですけど気のせいですかね…？世の中の高樹さんごめん。なんだかいろいろ作品を読んでいるとそんなことを考えちゃってね。

写真って一瞬の輝きを逃さないために、思い出をなくさないために撮るものかなーと思いますが、桐矢と花梨の出会いは、桐矢葵の兄さんであるユウジさんの写真なしにはありえなかった。写真を撮った人の感動が、写真を通して他の人にも伝わっていく。これって感動的な出来事だなって思います。一瞬一瞬が輝いているものだっていうことを忘れずに、青春を謳歌せよ若者！