最高の技術の結晶とキャスト
映像の繊細さ
最新の映像技術の集合体とも言ってもいいだろう。最初の侵略シーンから、すでにCGが活躍していることが見て取れる。もう最初のこのシーンから私は惹き込まれた。映画館で見ていたというこもあり、直接映像技術の集合体を肌で感じることができた。私はシリーズの全てを見ているのだが、この作品は「技術とアクションの壮大さ」がずば抜けている。おそらく大半のひとは知らないだろうが、この作品の主人公が攻撃されているシーンで背景が事細かに表現されていて、これは日本人の技術者がしたものだのだ。
この作品では一つ一つの背景のシーンから、戦って壊れた戦闘機の部品が壊れて飛んでいくところまで繊細に表現され、現実感を出している。ここに技術と芸術が見事に重なったことが、最高の作品と評価された一つの重要な要素だと私は考えている。
音楽とシーン設定
この作品の音楽はさまざまところ、特にコンサートなどで取り上げられているが、今回の作品も納得できる音楽構成だったと思う。最初のところからメインテーマを持っていき、ストーリを説明するところから、壮大に始まっていき、「これから映画はじまります」ということを強調している思う。またこの作品では最初に細かく説明を入れてかつ壮大な音楽を重ねているため、観客は受け取る側としてはとても理解しやすくなっている。この作品で今後どのようにストーリーが展開されていくのか、今までの空白の時間では何があったのか、これらの内容が細かく最初に説明されているため、この作品のシリーズを知らない人でも理解が容易にしやすくなっている。
ただ敵役が登場するシーンでは従来使われている音楽とは異なっていた。そこにはおそらく今までの出てきた敵とは種類的に違うものだということを表現したいのだろう。悪という概念的な敵としては変わらないのだが、敵の格好、描写、似ている点もあるが、異なっている点のほうが多く感じられる。まず、ここで従来この作品のシリーズの敵というのは絶対的なボスといった感じで、精神的にも肉体的にも不のオーラを前面に出したキャラクター設定になっている。味方であっても味方とは思わず、役立たたずなやつは殺していくといった感じで、精神的な弱さの部分を一つもとらえることができない。しかしながら、今回の敵は悪に落ちたばかりといった感じで精神的に弱く、力もさほど強くない印象を受ける。登場シーンでの音楽もそこまで激しい音楽ということはなく、とにかく暗さだけを出した音楽だと私は思っている。そこにはおそらくまだ、敵としての強さ、まだ精神的に正義の部分も含んでいることを表しているのだと私は考えている。
女性を立たせた設定
ここには今の時代背景を見て設定されているのではないかと思う。現代社会では女性の活躍は目立っており、たくさんの女性リーダーが生まれている。今までの作品ではあくまで女性のキャラクターは主人公のサブといった感じで、主人公を精神的に支えていくシーンが多い。特に女性が敵と戦うシーンは無いことが分かり、この作品で一気にそのような従来の構成を変えていったことが分かる。女性を主体にして物語を構成し、これから立ち向かっていく敵に対しての姿勢を強く強調している。この作品での女性の主人公は精神的にも、肉体的にも強く、たくましい女性として設定され、演技されている。女性として正義を前面に出し、リーダーシップを発揮しているところは今の時代背景にマッチしている。
主人公は二人なのか
この作品では主人公といってもいいキャラクターが二人出てくるが、あくまで女性のほうを中心に物語を作っていると私は考えている。男性の主役は従来の作品の主人公とは全く逆の演技と描かれ方をしている。今までの作品の主役は悪に対して一直線に突っ込み、立ち向かっていく姿として演技がされているが、今回の作品ではそのような部分がまるでない。敵が強すぎるため、とにかく逃げて生き延びることが大事だといったような感じでキャラクターが設定されている。
しかしながら、男性をそのように設定することでたくましい女性がより強調され、作品の中でのキャラクターの位置が理解しやすくなっている。また、見ていて二人が協力して様子はどこか心地よく、この作品とマッチしていると思う。悪に立ち向かい倒すのは男性だけという考え方を捨て、女性も社会の中で悪に立ち向かえるのだとも取れるような主人公の設定はもう一人の主人公を勇気づけている。そうすることで二人が協力して物語を進めていくことで、その設定がこの作品をより際立たせている要素になっている。
映像技術、芸術と音楽がキャラクターのフレーズのマッチにしている
この作品ではさまざまな音楽が流されていて、CGもとても細かいところまで使用されている。それらは主人公やキャラクターが発言するときの情景をうまく表現し、発言の重みを出している。最後のシーンでは特にそれは感じられるだろう。
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