続・夏目友人帳を1話ずつ思い出してみよう - 続 夏目友人帳の感想

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続 夏目友人帳

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感想数
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観た人
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続・夏目友人帳を1話ずつ思い出してみよう

4.54.5
映像
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
4.5
音楽
5.0

目次

夏目友人帳とは


夏目は人名なのでいいとして「友人帳」。おかしなタイトルだとは思いませんか。私はここに、この物語の空気が詰まっていると考えています。

幼少のみぎりより、妖怪が見えてしまうという特質を持つ夏目貴志。人間と妖怪との区別が付かない貴志は、そのため周りから気味悪がられ疎まれ嫌われていました。祖母のレイコも同じでした。「腹いせに片っ端から妖怪に喧嘩を売り、負けたら名前を書かせて自分の子分にした」と当時のことを知るにゃんこ先生は説明します。

それなら? 夏目子分帳とか、下僕(げぼく)帳とか、しもべ帳、手下帳、ごまのはい帳、妖怪帳だってよかったはずです。だけどそうはしなかった。レイコにとって彼らはあくまで友だちだったからです。だから「友人帳」なのです。

その想いは貴志にもちゃんと伝わりました。それが1期の1話。ヒシガキに名前を返したときに現れています。貴志はこう言いました。

「きっと祖母はひとりではなかったよ。ありがとう、心優しき、祖母の友人」と。この物語の中に流れる空気には必ずそれがあって、私などを引きつけて止まない魅力になっています。そしてデイジーカッターでふっとんだ砂漠の岩砂のように、私の涙腺を崩壊させるのです。

さて、その続編 続・夏目友人帳です。


第1話     奪われた友人帳

とうとう誕生しました。にゃんこ先生のライバル・黒にゃんこ。ふたりが並ぶとものすごい幸せがやってきそうです。誰かこういう招福猫の置物を作ってください。
黒にゃんこの正体は、妖怪たちを束ねる主・リオウでした。なんやかんやで、リオウの封印を解いて名前を返すと、リオウはこう言います。
「私は人が好きだからね……だからもう、人里には降りない」

好きならそばにいたい、というのが本音でしょう。だけどリオウは自分の気持ちをぐっと抑えて、全く反対の道を選びました。妖怪たちの長としての責任感でしょうか。その格好いいこと美しいこと。このリオウの本来の姿、それはそれは優美な姿でしたよ? にゃんこ先生。


第2話     春に溶ける

玄と翠。狛犬に宿る2体のあやかしが登場します。人に裏切られて悪霊と化してしまった翠を、どこまでも追い続ける玄。見限ってしまえばいいのに、妖怪のこういうとこが素敵過ぎて哀しいです。最後は自分の身を焼きながら、翠を助けようと抱きしめる玄。あ、もうだめ。目の端のほうから流れた出た水で脱水症になりそう。ぽかり飲まなきゃ。
でもこの回の一番の見所は、玄による貴志とにゃんこ先生への羞恥責めです。玄、おぬしやるな。


第3話     妖退治 湯けむり行

名取が? 貴志を? 温泉旅行に誘っただと!!? 怪しいです。いや、BL的な意味ではなく、最初からむっさ怪しいです。と思っていたら、やっぱりかよ! でした。名取は最初から貴志に妖怪払いを手伝わせるつもりで、温泉をエサにしたのでした。
でも、ちょっぴり反省している名取はだんだん貴志の「側」に近づいているようです。いいことです。
柊の入浴シーンはよ、って思っているうちに終わってしまいました。その代わりに、にゃんこ先生の入浴シーンはたっぷりと。


第4話     雛、孵る

辰未(たつみ)と呼ばれるあやかしの卵を育てることになりました。鳥と龍に近く、カッコウのように託卵するのだと、物知りにゃんこ先生が解説します。孵って最初に見た夏目を育ての親と認識したのでしょう。人に似た姿をしています。それがなんで、タマ? 妖力では誰もが一目置くほどの夏目ですが、ネーミングの才能は斜め上です。
そのタマがもう可愛いくて。萌え死にしたかもしれない私です。貴志とずっと一緒にいたいがために、食事を我慢して大人にならないようにって。なんでそこまでして、なんでお前はそんなにいじらしいのか。あ、やばい。涙腺がやばい。
と、思っているうちに大人になってしまい、別れの時がきました。うん、すっげぇ怖いなお前。
またおいでよ、とは言いがたい凶悪フェイスなタマに、元気でね(棒)。まあ、こういうこともあります。


第5話     約束の樹

妖怪は自由でいいなと思っている私に、そうでもないよと教えてくれた回でした。死ななくても病気もなんにもなくても、その場所に縛られたあやかしはそこから動けない。噂に聞く海というものを一度見てみたいと言ったキリノハの気持ちを汲んで、イタズラ込みで気の長いイタズラを仕かけたレイコさん、それを律儀に守ったキリノハ。そして約束の50年後。レイコに代わって貴志が約束を果たします。愚直なキリノハとレイコのふれあいが、満たされた一瞬でした。
この回より、ただの乱暴者というレイコのイメージが、実は思慮深い乱暴者という形に変わりました(乱暴者はそのままかい)。
あやかしの不自由さも、ちゃんと描こうとする作者の心づくしが好きです。


第6話     少女の陣

多軌透というおかしな少女が登場です。いえ、美人ですよ? そのうえ陰陽師の血を引く家系で、妖怪を見ることのできる陣が描けたりします。田沼とは少し違いますがあやかし寄りのキャラです。でもおかしいのです、この娘。
一目見るなりにゃんこ先生を抱きしめてしまったのです。普段、デブ猫、顔のでかい狸、ブサイクなどと言われ続けているあのにゃんこ先生にです。おかしいでしょ? そんなわけで、夏目様犬の会に対抗して、にゃんこ先生抱きしめの会員ができたのでした。


第7話     呼んではならぬ

6話からの続きです。もう一人。忘れられないキャラが登場します。顔が胴体より大きい、ちょびです。どこかの飼い犬のようなお名前。これがなかなか強力な妖怪なようで(自称)、にゃんこ先生のいい口げんか相手となった、のであります。あ、悪い妖怪は鏡で封印しました(2話に渡った物語の主役が14文字で片付くという)。


第8話     不死の想い

宿題合宿の巻です。人魚の巻です。民宿のおばあさんが妖怪っぽかったのは内緒です。普通なら、不老不死伝説、人類の永遠の願望となるとこでしょうが、それを逆手にとっての人魚と若かりし頃のおばあさん(謎)のお話です。あっち側(彼岸)とこっち側(此岸)の住人たちの時間軸のズレが生んだ哀しい誤解。それを貴志が(にゃんこ先生も手伝って)解いてあげた。そんなお話でした。
それをきっかけに、にゃんこ先生がレイコを失ったときの悲しみに思いをはせる貴志。ええ子やな、と涙ぐむ私なのでした。あと、宿題やっていたのはわずか10秒で、しかも「それ謎」って言っていただけでしたよ、塔子さーん。


第9話     桜並木の彼

夏目友人帳には、人を好きになると、自分を偽ろうとする妖怪が多いのです。そして、その後の行動がどうにも斜め上。今回のミヤもそうでした。どうして死んだ八坂が絵の中にいると思い込んだのか、それが間違いだと気づくまでに、どれだけの時間を費やしたのか。でも、そこで費やした時間の分だけ、ミヤは幸せだったと言います。そのミヤに自分を重ねて、貴志は言いました。
「さようならミヤ。花の季節に出会えた友人」
ミヤはこれで、ふたり目の友人を持ったのですね。


第10話 仮家

レイコさんと若かりし頃の藤原滋さんのお話。ふたりにこんな接点があったとは。藤原夫妻はどこまで知っているのでしょう。その謎がますます深まる回でした。藤原家に代々たたる妖怪・カリメ。滋と知り合いになったレイコはカリメを追い払いますが、代償に部屋がぐっちゃぐちゃに。てへっ、では済まないレベルでした。
そして50年ほどの歳月を経て、カリメはまたやってきました。貴志のいる藤原家に。そして貴志に払われます。その代償として貴志の部屋がテヘペロ……じゃなくボロボロになります。物音に驚いて駆け上がってきた滋さんは、弁償しますという貴志に、
「貴志、弁償はしなくていい。ここは、君の家だと言っただろう?」
理由も聞かずに、ただ貴志を受け止める。それがすごいと思います。そんなすごいことが言える滋さんはすばらしい。

それに答えるように貴志は独りごちるのでした。

俺は返せるだろうか。
この喜びをどうやって返していけるだろうか。
大切な、この人たちに。

貴志、お前はそこにいるだけで、すでに藤原夫妻に幸せを分けてあげているんだよ、と教えてあげたい私なのでした。


第11話 呪術師の会

じゅじゅちゅしゅの会、という早口言葉があるそうです(ないない)。春風亭昇太さんが得意そうです。名取りに誘われて、てっきり自分と同じ悩みを持つ人たちの集まり、かと思ったら、ただの妖怪狩りの専門家集団だったというオチ。その中でも最大手・的場一門。これは名取が思ったほど反夏目(妖怪)にならなかったので、新たに作られたキャラではないかと想像しております。そのぐらい的場ってヤな奴です。友人帳のことを絶対に知られてはならない相手と、貴志は認識しました。

ちょびの独り言
ここでちょっと私は考えるのであります。友人帳のこと、であります。友人帳を手にすると、そこに名のある妖怪を統べることができると、チンケな寸胴猫は言いました。それは本当なのでありましょうか? 名前を返すにはレイコの血を受け継ぐものの「唾液」と「息」が必要です。それなら妖怪を使役するには、息ぐらい必要なのでは? と私は思うので、あります。


第12話 廃屋の少年

少年・カイ。今までで最も強力な妖怪かもしれません。山に棲む水神。これ、神様の領域ですね。そしてこの回にして初めて貴志の必殺技に名前が付きます。エノキパンチ。うん、すっごい味噌汁感があって素敵です。


第13話 人と妖

続きです。カイは名取のターゲットでした。井戸に封印されている悪しき鬼たちを、カイが解放するのを阻止するためでした。その名取と貴志が話しているのを見たカイは、完全に誤解します。貴志も僕を殺すために近づいたのだと。
井戸の封印を解いたカイでしたが、鬼たちが自分に襲いかかってきて、騙されたことに気づきます。手をかざしただけで鬼は消滅しました。見事な結果オーライ。そのすぐそばで横たわる貴志。カイはそこで落ちている友人帳を見つけます。そうだ、これを隠して困らせてやろう。だけど、次のカイはこう言って泣き出しました。

「やっぱり、夏目が困るのは、嫌だな」

カイも貴志を好きだったのですね。そして、泣きながら山に帰って行きました。



最後に

OPはアコスティック系、EDはスローバラード、と決まっているのでしょうか? そのどの曲も夏目友人帳に使われる曲に外れはない、とネットでの評判です。

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懐かしい気持ちにさせてくれる名作。

夏目、期待の続編。夏目友人帳、衝撃の第一シリーズから間もなく公開された続編。愛くるしくも、真の姿は最強の妖怪・斑に加えて友人も増えた夏目が送るハートフルなストーリが展開される中、節々に耳に響く心地いいBGMも相まって「夏目友人帳らしさ」満開である。ゆるやかな曲調と、柔らかなタッチの絵が最高のタッグを組んでいるのもまたこのアニメの特徴。これも騒々しい都会でなく、人里離れた田舎で繰り広げられる話だからこそ。エピソードごとに新たな冒険と試練が夏目を襲っていくのだが、それらを葛藤や苦悩を克服しながら乗り越えていくその姿もまた味がある。高校生という思春期真っ只中だからこそ直面する、「自分」という存在の認識、そして承認の過程も垣間見ることができるのが、夏目友人帳である。周囲の友人にはない「特別」な能力を生まれながらにして持っている夏目は、ある意味で恵まれているとされるべきだが、なかなか周囲に受け入れら...この感想を読む

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