うまいくいかない恋の行方はいつも複雑 - 隣のあたしの感想

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隣のあたし

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うまいくいかない恋の行方はいつも複雑

4.04.0
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演出
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目次

京介が悪い…?

京介は高校1年生。仁菜は中学校3年生。お隣さん同士でベランダも近く、すぐに行き来できる幼馴染。仁菜は京介が大好きで、いつか結ばれるんだと信じて疑わなかった。だけど京介には結衣子という哀れな女がちらつきはじめる…京介は、いつまでたっても結衣子と仁菜の間をゆらゆらと揺れていましたね。仁菜が好きだと言うから、キスをしようしたら逃げられた京介。仁菜をそういうふうにみれないと突き放したのは、どういう心境だったのでしょう?キスをしてみて本当に好きなのか試そうとしたのか、はたまた俺も好きだと告げようとしていたのか…京介を拒絶する仁菜が許せなかったのか?結衣子には俺が必要だ、俺が助けてやらなきゃって思っているのがもろ分かりなんですけど、それは恋愛を呼べたのか…?誰だってね、誰かの一番になりたい。みんなそう思っているんですよ。

確かにね、結衣子も悪い女だと思うんですよ。久米川という男がありながら、そいつの寂しさを埋めるために京介に手を出してさ。そんで、仁菜が京介を好きだってことをわかっておきながら、敢えてその中の良さを見せつけてみたり、京介自身にも揺さぶりをかけてみたり…自分が一番に想われている、仁菜ちゃんよりも上なんだって思うことで、優越感・満足感が欲しかったんだろうなと思いますね。久米川の一番になれないことのくやしさ、認めさせたい・欲しいと思わせたいという欲…ずるいじゃない。仁菜には確かに京介と過ごしてきた今までの時間があって、好き以外に何もなかったのにさ。寂しい涙を流しまくる結衣子に京介はもうそばを離れることができませんでした。女の涙はいつでも反則です。

結局、京介も結衣子も、宙ぶらりんでした。一番悪いのは久米川。こうする以外に彼らの心を救ってやることができないように思います。

いきなり登場三宅くん

3巻の最後になるまでまったく音沙汰のない三宅くんの存在。当て馬にしてはずいぶんと遅い登場だなーという印象です。そして、京介、結衣子の目の前で告るという驚き。何ともクールな表情でさらっと持っていく…しかも高校と中学のフェンス越しという空間の途切れた感も相まって、これは決裂が始まるのか?と予感させました。仁菜にとって、誰かに告白されるというのは初めての事。初めて好きだと言われる喜びや、京ちゃん以外の誰かとの時間を共有するドキドキ感。何ともかわいらしかったです。京介のことを好きなまま、三宅くんという存在も手放せなくなっていく。京ちゃんに対して感じるドキドキと、三宅くんに対して感じるドキドキの気持ち、どっちが本当なんだろう?三宅と一緒の時間を過ごし、少しずつ近づいていく二人の距離が、悲しいような、うれしいような…

番外編で登場する三宅くんの仁菜ラブのエピソードを見てしまうと、萌すぎてもはや京介がかすんでしまいました…仁菜のかわいいところ、片想いして苦しい姿、うれしそうな姿、見てくれてる人がこんなに近くにいたんだよ…あれだけクールに告白を決めたと思っていた三宅くんが、ピュアな気持ちで仁菜を見つめている表情が、何ともせつなく、応援したくてたまらない。仁菜の京介に対する気持ちも応援したいのに、三宅くんが消えるのも嫌だ…そんなせつなさのダブルパンチをくらって、なんでこんなにうまくいかないんだろうって思ってしまった人は少なくないでしょう。

仁菜、京ちゃん離れするの巻

仁菜がどんどん京介から離れていく。京介の焦り様といったらすごかった。今まで自分が仁菜を守ってきたのに、これからもその気持ちは変わらないのに…だけど仁菜が離れていく。ようやくここでぶんどるのか…?!と期待しましたよ。三宅くんフラグを残しながら…でも、仁菜がどんどん遠ざかるんです。今までだったら願ってもない助けのことば・行動も、三宅くんを大事にしたいからこそ、突き放してしまいます。だって結衣子さんいるまんまじゃん…ふざけんな京介…傘を差しだしたときの仁菜の言葉、三宅派のみなさんにとって、最高の言葉でした。

でもごめん 三宅くん待ってるから

ちゃんと俺を優先してくれてる。これだけで、三宅くんはどんなにうれしかったことでしょうか。そりゃ抱きしめます!クリスマスも呼びます!三宅くんが正直で、まっすぐで、仁菜を大事にしようとする気持ちに嘘がないことが、とても心に響いたし、このままどうなっていくの?とハラハラする構成に見事に動揺しまくりでした。見事にいい人で終わってしまう当て馬なのかなと思いながらも、ちゃんと三宅くんは仁菜の心にいるし、大丈夫かもしれない。南波先生のテクニックに翻弄される私でした。個人的には、結局最初に求めたところに戻るのはせつなさがやばすぎるのでやめてほしいなと思っていましたよ。いったい何がしたいのかわからない行動が多い京介にも、少しは同情しますけどね。結衣子は結局京介の一番になることで自分を認めようとしているにすぎない気がしてなりませんでしたから。手に入ったら捨てられそうだったし。

クリスマスの衝撃からの大逆転

そしてクリスマスの熱発事件ですよね。男が熱を出す反則技。普段絶対に崩れない奴が崩れるときのこの無防備感と素直さ。威力がハンパないですよ。ここで、仁菜はちゃんと三宅くんの家にいき、正直に看病したいことを告げていました。このときは、本当にえらいなと思いました。唯一仁菜だけが心が黒くない登場人物であると言えるでしょうね。そのうえで、三宅くんが仁菜の幸せを想って送り出してくれた。この二人は、お互いがお互いの事を本当に大事にしているんだなーっていうことが伝わりました。久米川・結衣子・京介、京介・結衣子・仁菜、仁菜・京介・三宅という組み合わせの中で、悪意のない組み合わせは唯一三宅くんがいるところだけでしたよ。

俺が つらい

ってつらさ押し殺している姿に、なんて言ったらいいのか、背景の黒と同じように、読んでいる自分も見事に気持ちが堕ちていきましたね…

そこから、まさか大逆転が起きるなんて…ここまできて、ようやく歓喜の気持ちに浸りました。優しさもぬくもりも全部、もらうだけじゃなくてあげたいと思えたのは三宅くんだけだったね。仁菜がもう一度片想いから始めようと思うと言った時、これをきいた結衣子、おまえ改心できなかったらクズだ!と思いましたね。それに、ようやく仁菜の背中を押すことができた京介も、感動的な踏ん切りのつけ方だったなと感心しました。

当たり前のものを失うことは怖い

結局ね、みんな誰かの一番になりたいんですよ。そして、当たり前にそこにあったものを失うことは怖いんです。変わらずにいることが、すごく居心地がいいから。仁菜もそうでした。そして後半の仁菜を失いたくないと思う京介も。ほんと人間欲深いですよね。手に入ったものを当たり前にあると思うと、それ以上を求めてまた苦しい思いをしてみたり、手に入らないものにばかり目が向いて、そこに確かにあるものへの感謝がなくなってしまう…

最終話で、京介の隣にいながら、仁菜が三宅くんのメールを見て笑っている。これからまた新しい関係性が始まっていくんだなーと思ったら、とても嬉しかったです。番外編では、とにかく幸せだけがつまった二人がいて、嬉しさ倍増でした。これまでがつらかっただけに、思う存分堪能してもらいたい・そして自分も堪能したい!三宅くん、本当におめでとう!

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大好きでもタイミングを間違うとダメ

すべてはタイミングのズレもちろん、京介が悪いと思う。幼なじみで仁菜が自分のことを大好きだってことも知ってて、それでも彼は結衣子のほうへ傾いていく。それは、仁菜とは違う関係を築ける新しい存在であり、守ってやりたいと思える弱さがあった結衣子が、京介にとっては魅力的だったからに他ならない。しかし、一番悪いのは、結衣子が自分を久米川の代わりにしていることに気づいていながら、そばにいたこと。そしてそれを伝えることもせず、仁菜にもお世話を焼き続けたこと。つまり、両方を取ろうとしたのだ。結衣子が京介を利用し、女の涙を使って捕まえたのは間違いないかもしれない。仁菜に京介と仲良しだと見せつけて、けん制したのも紛れもない事実。それでも、仁菜の気持ちを横に避けて、向き合わないけど手放さないなんて京介は虫が良すぎる。ただ1つ、彼を擁護するとすれば、仁菜が京介に好きだと伝えたあの時、キスを断らなかったら…怖がら...この感想を読む

4.04.0
  • kiokutokiokuto
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