なぜか中森明菜の味方をしてしまう自分がいた!
予想外に演技の上手い中森明菜
中森明菜というと歌手というイメージしかなかったのですが、なかなかの演技でした。
というか、この役にはぴったりはまっていましたね。もう怖かったのですが、今でいう菜々緒さん並みの目力がありました。
永作さんのアパートのドアをバンバン後ろ足で蹴とばす姿なんかはもう普段からこんな人なんだなと思わせる迫力で鬼気迫るものがありました。
対して、子供と戯れている姿も特に違和感もなく、とてもよかったと思います。
「素顔のままで」の時はそんなに上手には思えなくてやっぱり歌手だな・・・と思ったのですが、
演技派の永作さんと比べても負けずとも劣らずといった感じでした。
あまりの迫力に、もっとやれ、もっとやれ、とキヨカのほうを応援してしまう自分がいました。
人はなぜ幸せな人を見ると意地悪したくなるのでしょうか?
自分が幸せならば特になんとも思わないはずなんですけれどもね。
夫は失意の中、自殺する。忘れ形見の子供は流産する。それどころか二度と妊娠することもない体に・・・なんて不幸すぎてかわいそうで味方しちゃいますよね。
対する永作さんの幸せそうな顔を見たら、ふつふつと怒りが湧き上がってくるのもわかります。
唇をかみしめて小刻みに震えて泣く中森明菜の演技もとても良かったです。
まあ完全に逆恨みなんですけれども。わかってはいるのですが、私でもこの女の事を恨むだろうなと思いました。
夫がベランダから飛び降りる時に、泣きながら「私が助けたのよ(夫がひき逃げした妊婦のこと)」と言うあのシーンもとても上手でしたし、もう女優になってしまえばよいのにと思いましたが、需要がなかったのですかね。それともあっち系しか演じられなかったのでしょうか?
いずれにしても、中森明菜の演技をまた見たいものです。
的場浩二が珍しく普通の人の役だった。
的場浩司といえば、元ヤンで有名な方でした。ドラマでの役柄もすぐに怒る、怒鳴る、にらむなどの少し強面の役ばかりだったのですが、「冷たい月」では花屋という今までにない静かでお人よしな人の役でした。これがまた新鮮でよかったです。
献身的にキヨカに尽くすのですが、まあパシリというか。
でもいい人なのでちょいちょい永作さん演じる美咲にちくったり入れ知恵したりするのがうざいですね。邪魔するなと思いましたよ。
ラストでは雪の中をキヨカを抱いて歩いていきますが、あの後は的場さんはどうなってしまったのでしょうか?とても気になるラストでした。
万作はどうしようもない。
キヨカ応援の私でしたが、あの美咲の旦那はないですね~
数々の罠にはまっていく万作と美咲ですが、美咲が逮捕されたらなんとキヨカと結婚してしまう。
それはね、男の人が小さな子供を育てるのは大変ですよ。わかります。
犯罪を犯した嫁と離婚するのもわかります。でも、何も隣の女と結婚しなくても。
そして美咲が出所してきたら、なにやらまだまだ美咲に気があるのか何なのか・・・。
そして最終的にはまたよりを戻すという好き勝手ぶり。
よく美咲もモトサヤに戻ったなと思います。あのぼろいアパート暮らしが嫌だったのか、貧乏生活が嫌だったのか?
いくら子供と一緒にいたかったとはいえ、子供だけ引き取ればよかったのに。
その子供だって自分の事をママとは呼ばない、思っていない。
もう全てを諦めて新しい道を探せばよかったのに。
だって、この旦那の事が許せるのてしょうかね?もう不思議でたまりませんでした。
自分の言うことは全く信用してくれなかった上に、いけしゃあしゃあとさっさと結婚してしまう。
お付き合いするくらいならまだしも結婚ですよ、結婚。
5年後くらいには離婚しただろうなと予想します。
復讐もやめどきが肝心だ。
体を張って美咲を刑務所にぶち込み、離婚させ、隣の家族を奪ったところで復讐は終了するべきでしたね。
あの万作が、美咲とまたくっつくかもしれないという心配はあるものの、キヨカはもともとは万作の事はそんなに好きではないはずなので、そんなのは放っておけば良かったんです。
子供はすっかり自分になついてくれていますし、そのまま幸せな家庭の主婦を演じていれば、あんな風に死ぬこともなかったんですよね。さすがにまだやるのか?と思いました。
今度は逆に復讐されて取り返されると考えてしまったのでしょうか?
確かに、今度は美咲の方が何もかも失った人ですからね。キヨカと同じように復讐に燃えてもおかしくはないですね。
隣人にだまされるなんて、自業自得のところもある。
このキヨカの復讐劇にひっかかったのは、動機としては美咲は何も悪くないし、キヨカの完全な逆恨みですけれども、その後はちょっと自分が悪い部分もありましたよね。
元カレの写真なんて新居にもってくるべきではないし、実家にでも置いておけって感じです。
子供を隣の人に預けるなんてとんでもない話ですしね。
外で立ち話ならわかりますが、隣の人、そう簡単には家に入れませんよ。
そしてあんなきれいな女の人を旦那に近づけてはいけませんね。
この隣の人に嫌がらせをするドラマも仲間由紀恵の「美しい人」やユースケ・サンタマリアの「火の粉」とかありますが、もうみんな脇があまいというか、他人を信じすぎるというか。
自業自得というところがあると感じます。
まあこんな悪い人ばかりではないですけれども。
それにすべてが相手の思い通りになるわけでもないですが。
近所付き合いもほどぼとにしなければ、と思いました。
そして、別に隣の人じゃなくても、何が原因で人に恨まれるかわかりませんね。
中森明菜さんのおかげで色々な教訓になりました。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)