冷たい月 子どもをめぐる中森明菜と永作博美の切ない闘い! - 冷たい月の感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

冷たい月

4.504.50
映像
4.25
脚本
5.00
キャスト
4.50
音楽
4.00
演出
4.50
感想数
2
観た人
3

冷たい月 子どもをめぐる中森明菜と永作博美の切ない闘い!

4.04.0
映像
4.0
脚本
5.0
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
4.0

目次

ひき逃げを目撃!自殺!流産!すべては悲劇から始まった。(第1話)

すべては美咲(永作博美)が、有名キャスター椎名公平(辰巳琢朗)のひき逃げを目撃したことから悲劇が始まった。美咲がひき逃げの目撃を警察に話したことで公平は追い込まれ自殺、そしてパートナーである希代加(中森明菜)はショックで流産までしてしまう。屋上から飛び降り、落下した先で花屋の丸山(魔的場浩二)により病院に運ばれ一命を取り留める、病院で美咲たちの会話から「自分が警察に話をしたせいで 『椎名公平』 が自殺しただなんて、そんなふうに思う必要ないよ」と聞き取り、ことの真相を知り、赤ん坊を抱えている美咲に復讐を考える。

アイドルの中森明菜が復讐鬼として暗躍するドラマであり、それから家族を守ろうとする永作博美。この二人の駆け引きがこのドラマの魅力といっても過言ではありません。また、脇を固める伊原剛志や的場浩二のそれぞれへの援助も見逃せないです。伊原剛志は永作博美をかばい、的場浩二は中森明菜に恋をよせイロイロと助けよう、更生させようと頑張ります。男の一所懸命さも見ることもができるドラマです。

壮絶な子どもの奪い合い&家族の絆!(第2話~6話)

復讐に燃える希代加はまず美咲の家の隣に引っ越してきて、イロイロと画策し美咲を美咲の息子・勇から離れるようにする。職場復帰になった美咲は昼間、勇を希代加に預けることになる。希代加h自分が母親かのように勇を手名つけていく、ゆっくりだが、希代加の復讐が始まっていた。その間にも希代加を何とかしようとする花屋の丸山だが、頼まれごとに協力し、復讐に加担しているだけでもどかしい。そうとも知らずに平穏に過ごす美咲!しかし、着々と進み、パートナーの万作(伊原剛志)や友人などにも誤解を生じさせ徐々にだが、美咲は追い込まれていく、そしてついに罠にはまり希代加をナイフで刺したようにはめられ警察に捕まり、家族は崩壊してしまう。

中森明菜の復讐に気づかず、母親として平穏に過ごす永作博美。徐々に復讐の罠にはまり焦り出す永作博美の演技は素晴らしいですね。女性としての苦悩がにじみ出ています。中森明菜を指して呆然とするシーンは見逃せません。また、騙され続ける伊原剛志の演技も男の弱い部分を見せていて魅力的ですよ。そして、なんとかしたいと奮闘する的場浩二も見逃せません。思い寄せる女性のために男ってコントロールが聞かなくなるのかと思ってしまうそんな場面が多くみられるドラマです。

復讐は終わらない。(第7話)

警察に捕まり、裁判で懲役4年の刑を受けた美咲!その間に万作は美咲と離婚し、希代加と再婚していた。家族を奪われた美咲は遊園地の職員となって一人で生活をするが、どうしても勇が見たくてかつての家に行き、近くの公園で希代加と遊ぶ勇を見て落胆するものの、再び勇を見たくなり自分が働く遊園地に連れ行き一緒に遊んで楽しいひと時を過ごすが同じく遊園地の職員になっていた丸山に見つかり、諭され勇を万作に返す。その後、希代加が現れ、勇は自分の子どもでまだ復讐が終ってないことを告げる。

家族を奪われ落胆する永作博美の演技は凄く切なくしみじみと情に訴えられます。現在でも進行されている中森明菜の復讐を見るたびに痛々しくはなりますが、冒頭の悲劇を考えると何とも言えないです。だからといって子どもを奪うのは良くはないです。どうしてもわが子に接したいという願う気持ちは永作博美の演技からも読み取れます。また、再婚しても苦悩に悩まされる伊原剛志や想いを捨て切れずに模索する的場浩二など男性陣の演技も見逃せないですよ。

前向きに生きる美咲へ、止まらない復讐!(第8話)

万作が勇を預けに美咲の元へ来る「今日1日だけは勇と過ごして良い」と告げられ、喜ぶ美咲。しかし、再び万作と希代加が一緒に現れ、美咲が勇を勝手に連れ出したと疑惑を植えつけられる。これも希代加の策略だった。悲しみに打ちひしがれる美咲は土砂降りのなか希代加を殺そうとナイフを持って出るが、丸山に制御されその場に倒れこみ、病院に運ばれる。肺炎を患っていたようで入院中に丸山に励まされ徐々にだが、回復していくが、その光景を知った希代加は再び復讐に乗り出す。万作は部屋で切り裂かられて本を発見し、希代加の動向を心配する希代加は女医に変装し、美咲を麻酔薬で眠らせ、手術室に運び、子宮を摘出しようとするも、間一髪のところで丸山に制止され、その場から逃げる。

悲しみに打ちひしがれる永作博美の演技は反則です。同情せざるを得なくなります。しかし、ここにきて的場浩二がキーマン的な役割を果たしてきたのも大きいですね。どうすることもできないでいる伊原剛志は前半の的場浩二とだぶる感じがしますね。しかし、中森明菜の復讐がここまで来るとは…、予断ですが、勝手に手術室には入れないのでは…まあ、そこは目をつむりますか。

衝撃の事実(第9話)

警察の捜査が希代加に及ぶ、勇のために自首してくれと希代加に頼む万作。しかし、希代加は万作を眠らせて勇を連れていってしまう。その情報を知った美咲は希代加と連絡をとりさびれた廃工場に呼び出される。工場では自殺した公平の遺影があり、土下座して謝ったら許すと言われ何度も土下座して謝る美咲だが、廃工場に監禁されてしまう。廃工場を出た希代加は勇を連れてどこかへ行こうとした時に万作たちと警察が駆けつけ、その場で逮捕される。「ママ」と泣き叫ぶ勇!鋭い目で美咲を睨む希代加。これで終わればいいのだが…

犯罪を犯して警察に追われている身になっても平然とする演技がする中森明菜は完全になりきってますね。ドS感が満載です。必死に抵抗する永作博美の演技はもう文句のつけようがないです。下手な演技をする方がいないのでこのドラマはサスペンスなのに安心して見ることが出来ます。果たして最後にはどんな結末が待っているのか…

最後の復讐!家族は元に戻るのか(第10話)

美咲は万作、勇と三人で暮らしていたが、勇は未だに希代加を母親だと思っていて、美咲は自分が本当の母親だと言いだせないでいる。そんな中、美咲たち家族は美咲の友人夫婦と一緒に雪深い八ヶ岳の山荘へ家族旅行に出かける。一方、拘置所にいる希代加は医師を襲い、拘置所から逃亡する。そして、後から向かうことになっていた万作の車に忍び込み、途中、万作を襲い、車を奪って山荘へ向かう。山荘には美咲と勇しかおらず、勇を外で遊ばせているうちに希代加は美咲を襲撃する。椅子に縛り付け身動きが取れなくなった美咲の周りに油をまく、どんな追いつめられても前向きに生きる美咲には殺すことでしか復讐ができないと思い、山荘ごと焼き殺そう火をつけ、「勇も殺す」と一言残し勇と一緒に逃亡する。必死に抵抗する美咲のもとに万作がきて消化し、一命を取り留める。しかし、勇が危ないことを知り、必死に二人を探し始める。手を振りほどいた勇に連いていく希代加は廃坑に行く。そこで勇から水晶をプレゼントされ、悲しみを露わにする。そこへ美咲が駆けつけ、希代加は勇を人質にして抵抗するも突如、廃坑が崩れ、勇と希代加が下敷きに!間一髪、希代加が勇をかばったことで勇は助かるも希代加は重傷を負う。そして、いつまた崩れるかわからない廃坑で美咲は必死に希代加を助けようとするも、希代加から勇を連れて逃げろと言う。そこへ丸山が駆けつける。希代加は自分にまかせて二人に逃げろと告げる。そして、廃坑から美咲と勇が逃げたあとに廃坑は崩れた。その後、廃坑から希代加と丸山の遺体は見つからなかった。その後、美咲、万作、勇は元の家族に戻ろうと奮闘するのだった。最後に丸山は重傷を負った希代加を抱えながら雪原を歩いていた。そして、雪原に希代加を横たえる。希代加の手には勇から頂いた水晶が握りしめられたままだった。

最後の復讐は鬼気がありましたね。最後の最後までのこの二人の駆け引きは見逃せない部分でもあり、見ているこっちはハラハラしながらも楽しむことが出来ました。永作博美の演技力は凄いですね。このころはまだ若かったのにここまでできるなんて、後に活躍した理由がわかるドラマでした。伊原剛志は最後の最後になんとか活躍しましたね。まあ、そんなシーンがないといる意味がありませんので、結局、最後の最後までキーマンだったのが的場浩二でしたね。全部良い所を持っていってしまった感じもします。女性の復讐が怖いのではなく、人間の復讐が怖いと思い知らされたドラマで、また、いつ自分がどちらの側になってしまう可能性を改めて認識しました。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

なぜか中森明菜の味方をしてしまう自分がいた!

予想外に演技の上手い中森明菜中森明菜というと歌手というイメージしかなかったのですが、なかなかの演技でした。というか、この役にはぴったりはまっていましたね。もう怖かったのですが、今でいう菜々緒さん並みの目力がありました。永作さんのアパートのドアをバンバン後ろ足で蹴とばす姿なんかはもう普段からこんな人なんだなと思わせる迫力で鬼気迫るものがありました。対して、子供と戯れている姿も特に違和感もなく、とてもよかったと思います。「素顔のままで」の時はそんなに上手には思えなくてやっぱり歌手だな・・・と思ったのですが、演技派の永作さんと比べても負けずとも劣らずといった感じでした。あまりの迫力に、もっとやれ、もっとやれ、とキヨカのほうを応援してしまう自分がいました。人はなぜ幸せな人を見ると意地悪したくなるのでしょうか?自分が幸せならば特になんとも思わないはずなんですけれどもね。夫は失意の中、自殺する。忘...この感想を読む

5.05.0
  • 陽子★陽子★
  • 3382view
  • 2271文字
PICKUP

関連するタグ

冷たい月が好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ