まさに青春
高校球児に戻りたい...
読み進んでいくうち、そんな気持ちにさせられました。自分の高校野球時代と重ねて懐かしかったり、過酷な日々に全力でぶつかっていく様子がとても引き込まれます。
なぜ、脱走者が出るほど厳しい寮生活に飛び込んでまで、野球をしたいの?と、私は当時思っていました。しかしこの作品のなかの狩野笑太郎は、迷うことなく憧れのDL学園へ飛び込んで行く…彼女も残して…
こんなに野球と自分の学校が大好きでもっと楽しくなる環境を仲間と築いていく笑太郎…本当に爽快で魅力あふれています。野球もうまいし。うらやましいなあ。でも同じ歳だったらこんな気持ちで読めなかったかもしれません。
笑太郎のキャラクター
仲間思いで野球バカな笑太郎のキャラクターがとにかく好きになりました。まわりの人物もみんなキャラの濃いメンバーですが、過酷な寮生活、強烈な上級生との掛け合いも笑いに変えていってるのは、笑太郎たちの野球への気持ちというか、パワーなんだろうなと思って見てました。
個人的には、丸井が脱走したとき、追いかけて真剣に引き止めた笑太郎が印象的な場面です。「入ってきた経緯は違うけど、ここにきたみんなは仲間。お前が泣いてたらハンカチ貸すし、足ちぎれたら肩貸すやんけ」「いっしょにかえろっ」なんていいやつ笑 自分には絶対言えないだろうなあ、こんなにまわりのやつ見れているやつは相当スゴイやつだな、と思うわけです。
高校野球
試合中でも関係のないしょうもないこと考えてたり、そうそうあるあるって気持ちになるリアリティーがあります。檜のプリクラの件なんか野球強豪校と関係なく誰もが共感して笑えるエピソードですし、あまり技術的な話はなくて、掛け合いで楽しませてくれるストーリー展開が心地よくDL学園の世界に引き込まれていきました。登場人物がみんな野球を心から好きで、厳しくても自分たちの高みを目指して、全力でぶつかっていく様子が野球をしていない人でも、すんなり入っていける作品になっていると思います。
毎日練習が厳しかったり上下関係でなやんだり、うまくいかないことって誰にでもたくさんあると思います。そんななかで、笑太郎たちのような前向きに楽しく青春しているってかっこよくてうらやましくなってしまいます!野球好きや経験者にはちょいちょい「あー、あるある」っていう小ネタが挟まっているのも楽しみです。そんなとこが他と違った魅力なのかもしれません。
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