まぶしすぎる恋愛のリアリティ
とんでもなくリアリティを追及するロメール監督
この監督さんとの最初の出会いは「クレールの膝」でした。なんか結婚を控えたいいおっさんが若い女の子につかの間のときめきをおぼえ、、、みたいなお話。
18歳の女の子にはちょっと理解できない世界でしたね(笑)今もう一度見たら感慨深いのかも。
しかし、その後にみたこの映画は!
あまりのリアリティに身もだえし、いわゆる「ムズキュン」が止まらない!という状態に陥り、ロメール狂が誕生してしまったのでした。
なんでしょうね。あの恋愛が始まるあの瞬間。まさにあの瞬間をドキュメンタリーで撮ってるんですか?といいたくなるようなあのシーンの数々。
ブランシュとファビアンが公園を散歩しながら語り合うときのじれったい距離感。
レアとアレクサンドルがお互いを探り合い、駆け引きをしながらとる食事。
もうね、観てて「キュンキュンしすぎて恥ずかしいっ!!」てなるレベルのリアリズム。こういうの、本当にうまいなあ。一体何回恋愛したんですか?ロメールさん。
恋愛あるある
友達の恋人に恋をしてしまう、という日本で映画作ったらまあまあドロドロしそうな設定ですが、世界中どこに行っても恋模様ってこんなものよね、という恋愛あるあるが、ある意味ドライに淡々と描かれているんですよね。
レアとファビアンのカップルをいいな、と思いつつ、自分にはアレクサンドルという見た目だけで気に入った人に恋した気になっちゃってるブランシュ。
気になっているアレクサンドルには逆になかなか自分をアピールできず、
レアの彼氏、てことでなんとなく親近感を抱けちゃってるファビアンには自然体で自分を出せる。
で、仲よくしてるうちに気がつくとあれあれ、ファビアンと微妙なムードになってきちゃって、みたいな。
レアはレアで自由奔放に恋愛を楽しんでて、ちょっと真面目なファビアンが物足りないし、友達に薦めていたはずのアレクサンドルに口説かれて、なんだか悪い気はしない。
そんなあるあるシーンが、絶妙の間合いで描かれていますよね。
女子の友情
ブランシュもレアも、基本的にはすごくいい子なのです。
でも、女子の友情のもろさは隠しきれない。
お互いが恋愛で抜け駆けをするのですが、二人とも心の中で、罪悪感と言い訳が戦っている状態。でも、それでもお互いのことが大好きなんですね。
ここで、友達を裏切れない!と悲壮感漂うブランシュか、開き直って、他にイイ男探してあげよう、となるレアのどちらが好きかは好みが分かれそう。
いずれにせよハッピーな結末になって、観た後の爽やかさはレモネードっぽい(筆者の主観です)
恋っていいよね、てなります。
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