信じるものは救われろ! - 鑑定士と顔のない依頼人の感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

信じるものは救われろ!

4.04.0
映像
3.0
脚本
4.0
キャスト
3.5
音楽
3.0
演出
3.5

目次

どこまでが本当?

いや〜なかなか見ごたえある映画でした。
私は好きですね。
前半にじっくりじっくり時間をかけて登場人物を見せていき、後半でどばーっと話が進んでいって、観ていてとても気持ち良かったですね。
この構成をこの映画をよくしたと思います。

と、前置きはさておいて。
ヴァージルさん、そんなに?そんなにこんな目に遭わなきゃいけないですか?!と。笑
まぁ裏でこっそり鑑定品を落札してコレクションしているのですから、犯罪っちゃー犯罪なんですが。
そんなに貶められるほどかなぁ。
しかし、人の恨みというのは怖いですね(そう、あの真犯人...)

真犯人のビリーさん、画家の才能がないと言われ悔しかったなら画家になればいいのに!!!笑
しかしビリーがロバートもクレアも味方につけてそれはそれは壮大なドッキリを。
味方につけたのかそもそも雇ったのか?!

彼(ビリー)は信頼できる男だと前半で思っていた自分、甘ーーーーい!
よくよく考えるとビリーのあのヴァージルを見る目はいつも冷たく感じられる。

偽クレアの行動


偽クレアも雇われた仕掛け人なので、もちろん広場恐怖症も嘘。
にしては最初のこっそりヴァージルが忍び込んで偽クレアを見ていたシーン、一人きりになってもしっかり警戒していて演技徹底されすぎだろ!と思いましたけど。違う意味で警戒していたんですね。。

気になる点は他にも。
ヴァージルが何者かに襲われ(これもしやロバートか?!とか思ったが、そうすると偽クレアののちの行動は不自然になってしまうので、本当の強盗かと。)、偽クレアが屋敷を出るシーン。
本来なら「あぁ、私は外に出るのが怖いけど愛するヴァージルの為なら...!!」ダッシュ!
...と受け取れますが
真実は「あぁ...ここで外に出たらヴァージルに<え!広場恐怖症ちゃうやん!外出れるやん!>って思われてしまう!!どうしよう...」ダッシュ!
なんですよね。。

でもそもそも大仕掛けのトラップだったなら彼を助ける必要もないのでは?と思いますよね。
そこは本当に好意を寄せ始めていたのか、ここで死なれては困ると思ったからか...笑
後者であれば相当恐ろしい女ですね。笑

そこにいたのか、クレア!

さぁ最後の最後、本物のクレアが現れますね。
いや随分前から現れていましたが。

彼女が本当のクレアだと気付いた時は思わずおおぉ〜〜と声が出ました。笑
数字に強い女性という設定故に、この女性なんか匂うな...とは思っておりましたが、、、
ヴァージル本人が本物のクレアと認識した時はどんな気持ちだったでしょうね、もう誰も何も信じられないでしょう。。

気になるのはエンディングですね。
この映画こそ、お好きにどうぞ ですよね。
(エンディングうやむやにして自分で解釈させるやつ)
スッキリしないな〜〜
自分の中でどっちで終わらせようかな〜〜

その1。偽クレアは本当にヴァージルに心を惹かれ始めたので、カフェにやってくる。
私は本当にあなたに恋をしているわ、信じて!ハグ!!ハッピーエンド!!

その2。偽クレアはもちろんカフェにはやってこない。
誰も信じられず何もかもを失ったヴァージルはカフェの開店から閉店まで毎日毎日居続ける。孤独な余生。

うん。その2でしょうね。
その1であった場合この映画の良さは半減する気がします。
ここまでどん底に落とされたのならとことん落ちて終わって頂きたい。(ひどい)

いやしかし観終わってから、あれ?これは?ん?そっか!と脳みそ使う作品でしっかり余韻を楽しめましたね。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

主人公が全てを失ったラストにハッピーエンド説が成立する理由

この映画はバッドエンドか、ハッピーエンドか?この映画のストーリーを衝撃的な一言で表現すると「2次元のオタクが騙されて人生転落する話」です。視聴後のあの絶望感といったら半端ではありません。こんなに理不尽な話ってあるのだろうかと呆然とすると同時に悔しさがこみ上げてきます。しかしこの映画のラストについては、バッドエンド説とハッピーエンド説があるのです。大切にしていたコレクションを全て奪われ、仕事もなくなり、知人たちに裏切られ…こんな散々な目に遭っているのになぜハッピーエンドなのか?それはひとえに、ラストシーンで主人公ヴァージルが現実の彼女に対して想いを馳せているからです。あれだけ長い間愛し続けてきた絵画の中の美女達ではなく、自分を騙して消え去ってしまったたった一人の女性を、ヴァージルは愛し続けているのです。このラストを「哀れ」と感じるか「幸せ」と感じるかは人によってだいぶ変わってくると思います...この感想を読む

3.03.0
  • もとどんもとどん
  • 187view
  • 2288文字
PICKUP

まさかのどんでん返し

見てるこちらも騙されたこの映画は2度見たくなると言われていたが、実際に私もそうだった。ヴァージルと同じく愕然とし「騙された!」と思った。そしてその伏線は映画の様々な部分に散りばめられており、見返すと「あのシーンはそういう意味だったんだ!」と楽しめた。2度見て2度楽しいと思える映画だ。持つべきものは友?鑑定師のヴァージルはある日不思議な依頼を受ける。なんと顔が見えないのだ。仕事を進め、彼女に関わるうちに惹かれてゆく。ある日壁の隙間から覗き見たクレアの姿はとても美しかった。その日からヴァージルは彼女の虜になっていた。ヴァージルは友人であるロバートに相談したり彼女に服を贈ったりして、なんと結婚までこぎつけるのだ。しかし最終的には彼女を含め友人たちにも騙させてしまうのだ。ヴァージルに認められなかったビリー、友人の機械技士のロバート、そしてその周辺までにも。コレクションにしていた絵画は根こそぎ盗られ...この感想を読む

4.04.0
  • くじらくんくじらくん
  • 108view
  • 1082文字

関連するタグ

鑑定士と顔のない依頼人が好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ