大好きな作品!
始まりが衝撃
16歳の誕生日であんだけの事件?起きるなんて想像できるわけないですよ。というかそもそも一族とかそういうのが出てきちゃうほどの一大イベントになっちゃってるっていうのがまずないですよね。
まず誕生日プレゼントがミイラって・・・しかもそれ見た途端、妖は姿変わっちうし、明は全身けがだらけになるしってどんな誕生日だよ!って突っ込みたくなりました(笑)
でもまだ高校生なのにちょっとかわいそうな気もしましたね。それまで普通に何不自由なく平凡に暮らしてたのにそれが一瞬にして消えてなくなっちゃったみたいでなんか切なさも感じましたね。なにより突然周りからお前は死ぬんだ的なこと言われたらいくらなんでも普通のことじゃないんだってのが分かりますよね。
妖がいいキャラしてる
ヒロインなんだけどなんていうか今までのタイプとはちょっと違うんですよね。ギャルっぽいっていうかちょっと派手めな感じでザ・ヒロインって感じが薄い子なんですよね。しかもそれをかかずさんがうまいこと演じてらっしゃる。妖にぴったりな声だったと思いますよ。でも物語がどんどん進んでいくにつれて何となく女の子らしくなっていった気がします。まぁ、16歳の高校生にはちょっと辛いことばかりを経験したからなんでしょうけど、年齢よりも大人びた印象になっていくのを感じました。だから最後の方なんかはもうあのギャル風な妖ではなくて、一皮むけた大人の女性っていう印象がありましたね。というかセレスになった時と妖の時とのギャップも一つの魅力だと思います。あとはセレスと対話していたっていうのも妖の変化に大きく関係しているのかもしれませんね。セレスの考え方は妖にとって考えさせられるようなことだったり、それは違うっていうところだったりでいい刺激になったんじゃないでしょうか。
恋愛模様がすごい
少女漫画の特権だとは思いますけど、なんせ恋愛要素が多い。三角関係なんか当たり前のように存在してましたからね。特に雄飛は妖に片想いして失恋したけど千鳥のこともちょっと気になるみたいなちょっと恋する男子って感じでしたね。にしても千鳥のところは切なかった・・・。雄飛が妖のことを好きなのを知っているからって2人をくっつけようとしたりしていじらしいことこの上ない。でも雄飛のことが好きっていう気持ちを抑えてまでそうするって健気ですよね。しかも最後はそんな大好きな雄飛をかばって死んでしまうなんて。悲しいけど千鳥からしたら幸せだったのかもしれません。最後の最後で雄飛のためになれたから。雄飛もその前にすでに千鳥のことを友達以上に想っていたのかもしれません。元々優しい性格ではあったけど、好きでもない限りあんなに深く傷ついたりはしないと思います。少なからず友達以上の感情は持っていたと思います。
あとは明ですね。お兄ちゃんでありながら妖に恋心的な物を抱いている感じを受けました。まさかの禁断の恋かと思ったらちょっと興奮しちゃいました。中に入っているミカギの存在も影響しているとは思いますが、それだけじゃなくて双子と言いつつも妖のことを兄弟以上の気持ちで見ていたんだと思います。もしかしたらずっと二人で育ってきたっていうところから執着しているのかなとも思いますけどね。
十夜も記憶喪失とかなったけど、7年も妖のことを想い続けてたのはすごいと思います。そんなにずっと一人の人を想えるなんて素敵だなと思いました。最初は敵対してた妖と十夜だけどお互いの気持ちに気付いていくところが見ていてキュンキュンしましたね。切なくなるところもあったけど、それ以上に二人が結ばれたことが何よりうれしいですね。紆余曲折あるのはどの作品でも通るべくして通る道ですからね。
珠呂と敬の2人もなかなか好きでしたね。いとこ同士とはいえ、男として育ってきた珠呂のことをずっと大切に想ってきたのが敬なんですよね。珠呂もずっと敬のことが好きだったし、現世では最後の方でやっと気持ちが通じ合ったってところで終わってしまったけど、きっとあの2人は別なところで幸せになってくれると信じてます。
ギャグ要素が随所にある
渡瀬さん作品には必ずと言っていいくらいギャグ要素があるんですよね。今回に関してはまず雄飛がつけてる納涼さんが作った「天女に服従しまっせベルト」に小田玖さんですね。ベルトのネーミングセンスがなんといってもツボでしたね(笑)なんていうかひねりも何もなくシンプルな感じが嫌いじゃない。
しかもそれをなんだかんだとつけている雄飛の優しさも相まってなかなかの面白さを出していると思います。あとはもう玖さんが最高ですね!絶対某アニメキャラをモチーフにしたであろうフォルムと名前が妙に作品に合っててより面白さを生み出してましたね。むしろあの人は顔で存在感を出しているようなものですからね(笑)明らかに絵の感じはシリアスな作品には合わないはずなのに玖さんがいることでちょっとマイルドになるというか何というか、息抜きするところがあるっていう方がいいんでしょうかね。車の運転とかに関しても突っ込みたいところは多々ありますけどね。家政婦の仕事の域を完全には乱しているスタイルもなかなか良かったですね。もはや家政婦と呼ぶのもふさわしいのか怪しいところですけど・・・(笑)
セレスとミカギの切ないすれ違い
結局セレスもミカギもお互いを深く愛していたことには変わりないと思います。
ただそのお互いの気持ちがどうもうまくかみ合わなかったというか。ミカギはただただセレスを守りたかっただけなのにその気持ちが暴走してセレスでさえも傷つけてしまう結果になっちゃったし、セレスもセレスでミカギに対しての自分の気持ちを隠すために憎しみで気持ちを覆ってしまったのかなって思うんです。そんなことがなければ2人はずっと幸せに暮らしていられたのに・・・そうすれば妖や明達のように苦しむ人たちが減ったのにって思いますね。
でも最期には二人とも和解して、お互いの気持ちを確かめ合えたのでよかったと思います。
この2人がすれ違ったことがそもそものことの発端ですからね。妖と明にとったら迷惑な話だと言っても過言ではないと思います。簡単に言っちゃえば、夫婦の痴話ケンカが長引いて生まれ変わってもずっと続いてるってことですもんね。生まれ変わってまで続けなくてもいいじゃないですかね。まぁ、2人にとってはそれくらいの思いがあったからなんでしょうけど、そう考えるとちゃんと解決しておこうよって言いたくなりますね(笑)
夫婦の在り方みたいなものを問われているような気さえしちゃいましたよ。
妖と十夜の想いの深さに感動
もともと人間ですらなかった十夜だけど妖と出会って関わっていくうちに人間としての感情とか芽生えて人間らしくなっていった気がします。だから最後もマナを捨てて不死身ではなくて人間として生きていくことを決めたんだと思います。マナによって作られた器のような存在だとしても妖はそれでも十夜と一緒にいたいと思ってたし、十夜も自分がどれくらい生きられるか分からなくても妖とずっと一緒にいることを選んだのは感動しましたね。お互いただただ愛し合っているだけなんだってことが分かってすごく純愛だなと思いました。でもその後のこと考えるとさらに切なくなりますよね。なんせ十夜の命は残りわずかっていう悲しい現実が待ってますからね。妖はそれでもきっとずっと十夜を想い続けると思います。
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