アスペルガー症候群シモンの素敵な恋に癒される
きっとシモンが大好きになる!
シモンは、アスペルガー症候群(今の診断名はASD)です。日本では、アスペルガーであることを隠したり、恥ずかしがったりすることが多いと思うのですが、この映画の中では全く隠しません。もちろん、そのおかげで失敗したり、上手くいかないこともあって、落ち込んだりもしますが・・・。不器用で、思いつくことがヘンテコで、でも誰より純粋で、周りの人を愛し・・・。映画を観終わった時、そんなシモンのことが大好きになっているはず!さらに、シモンの友達3人組にも目が離せません。おそらく、シモンと同様に、何らかの障害を持っているのかな?という3人組なのですが、またこの3人組が個性的。いろいろ上手くできなくて、足を引っ張って、それでもシモンのために何か自分に役に立つことなら何でも頑張っちゃう。そして最終的には大活躍してくれちゃうのです。そんな3人のことも応援したくなってしまうところがこの映画の魅力です。
音楽がキュート!
スウェーデンの映画なので、映像もポップでおしゃれなのですが、映画の中で、シモンと(最終的に彼女になる)イェニファーが、二人でイヤホーンをして音楽を聴くシーンがステキ!MissLiという歌手の「BaBaBa」という曲なのですが、心が浮き立つ!さらに、その曲を聴きながら二人が見る、何でもない日常の景色が美しくて、心癒されます。
ありのままを愛することで、シモンから優しさをもらう。
父や母よりシモンのことを理解しようとし、シモンのありのままを受け入れ、愛そうとする兄サム。でも、恋人と同等にシモンを大切にしてしまえばどこかでひずみが生まれてしまいます。それは、「ありのままを愛そう」とどこかで無理をしていたからかもしれません。イェニファーは、シモンから「僕は触られるのが苦手なんだ」と言われて突き飛ばされても、「あら、ごめんなさい、忘れてたわ。」と平気な顔。さらに、あまりにひどく突き飛ばされれば「痛いわね!」と反撃もする。そして、シモンから人生の質問をされた時、ごくごく自然に、シモンに理解できるように優しく説明をします。でも、それは決して「シモンのありのままを愛そう」などと考えている訳ではありません。そのふたりの距離は、障害を待たない恋人同士が少しずつ相手に引かれ合っていくように、自然に自然にいつの間にか縮まっていくのです。そして、いつしかイェニファーにとって、シモンとと過ごす日々は、「シモンを友達として助けてあげる日々」ではなく、「シモンから優しさをもらう日々」になり、「相手を慈しみ合う日々」になっていく・・・。そんなふたりの日々を見つめている私たちも、いつしかシモンから優しさをもらい、「幸せな気持ちになる時間」を共有しているのです。
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