最終回の花畑は語りませんよ、だって他に話したいことがあるから - キャプテンウルトラの感想

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キャプテンウルトラ

4.504.50
映像
2.00
脚本
2.50
キャスト
3.50
音楽
4.50
演出
1.50
感想数
1
観た人
3

最終回の花畑は語りませんよ、だって他に話したいことがあるから

4.54.5
映像
2.0
脚本
2.5
キャスト
3.5
音楽
4.5
演出
1.5

目次

最終回の花畑は語りませんよ、だって他に話したいことが山ほどあるから

基本的にこのサイトは見た人が読む、という前提である。本作品「キャプテンウルトラ」を見て、その上でこういうサイトを見る人っていくつかのパターンがあると思う。

まず、初見かそうでないかだ。

初見なら「超面白かった」か「訳わからんので誰か説明してくれ」のどっちかだろう。次に初見でない場合、これはもう動機としては「幼少のころ見たアレをもう一回見たい」以外にはない。この場合年齢的にかなりのおっさんである。結果として「やっぱり面白かった」か「こんなつまらんモノだったのか」あるいは「面白いけど近隣にいる人に話すには顔から火が出るほど、身もだえするほど恥ずかしい。しかしこの思いを誰でもいいから共有したい」あたりか。

本作は最終回のお花畑の映像について「訳わからんので誰か説明してくれ」という記事がネット上にあふれている。なので私はその話はしない。私にとっては最後に挙げた「この思いを共有したい」作品なのだ。 

共有ポイント1:キケロのジョー

そもそも本作はほぼ50年も前のシロモノである。世の中まだまだモノクロテレビが横行している時代、書いている私自身もギリギリ生まれていない。つまり私が幼少のころ見たのは再放送なのだが、それにしたって40年も前である。私のイメージのジョーはかっこよかった。スタイリッシュで粋(これも完璧に時代劇用語か・・・)で体そのものが貝殻で出来ており、危険に遭遇すると丸くなって逃れるというコンセプトも斬新だった。しかしwikiなどによればこのキャラクターは人気が無く、1クールで降板してしまったらしい。私の周辺では一番人気だったような気がするのだが、と思いつつ何十年かぶりに画像を見ると・・・なんか思ってたのと随分違う。正直全然かっこよくない(汗&涙)。どっちかと言うとかっこ悪い・・・(号泣)。しかも役者が小林稔侍、知らなかった・・・しかし見なければよかったとは言わない。俺の記憶の中にいるジョーは間違いなくかっこいい。

共有ポイント2:意外とかっこいい特撮シーン

根本的な話だが、このように古い特撮を見る時は、画像を見ているといえども想像力を働かせることが大事である。シュピーゲル号が飛び立つ時はシュゴーーーーッという轟音とともに迫力ある発進しているのであって、心ある特撮ファンにはおもちゃのように見えたりはしない。キャプテンがロケットで怪獣の周囲を飛ぶシーンは決して何かに吊られて円形に回っているのではなく、「進撃の巨人」の立体機動装置のように縦横無尽に飛んでいる。爆発やレーザー攻撃はもちろんフィルムに書き込んだように見えるはずはない。これらの基本的礼儀を備えずに見ると昭和特撮は楽しめない。現状のCG主体、想像力不要のSFモノは少年の想像力を育てる仕掛けのない堕落の産物でしかない。誰だって子供のころはちょっときらりとする石ころが宝石に見えたはずだし、風呂やトイレのタイルの配列に顔を見出すことができたはずだ。今これを見ているあなた、すぐに全力で想像力を取り戻してほしい。それが備わっていればキャプテンの足が短いとか、金属のはずのハック胴体が歪んで見えるとかそういう愛がない感想は出ないはずだ。

上記の脳内補完をフル活用しつつ、メタリノームやアメゴンを見ると、モノ凄くかっこよく見える、はずである。

(とはいえ私にも限界はある。バンデラーだけはどうしても出来損ないのダメ犬怪獣にしか見えない。まだまだ私の特撮愛も足りないのかもしれない。)

共有ポイント3:アカネ隊員がセクシー

何故か(?)不人気だったジョーに変わってシュピーゲル号のクルーになるアカネ隊員、この人がまた超セクシーである。ウルトラQの江戸川由利子記者、ウルトラマンの科特隊所属フジ・アキコ隊員(この二人は同じ女優)、ウルトラセブンのウルトラ警備隊所属友里アンヌ隊員、この3人と並んで初期ウルトラシリーズのヒロインはどの女性もセクシーで凛々しい。特にこのアカネ隊員はなぜだか変装が得意という設定があり、白いベレーにピンクのワンピース、しかもミニスカという姿を披露している。これがなかなかにキュートで、子供向け番組なのにロープで縛られて拷問を受けるという、信じられないようなサービスショットが連発される。20歳にしてパイオニアスクールの教官を務めているし、宇宙物理学者でもある。対アメゴン戦では戦闘方法をキャプテンに提案する積極性もあり、非常に頼れる女性として描かれている。演じている城野ゆきはモデル兼女優だったそうだ。出演作品を見ると「おんな番外地 鎖の牝犬」などという興味深いタイトルの作品にも出ているがこれは関係ないので置いておこう。

共有ポイント4:この苦言だけは呈しておきたい

この記事を書くにあたり、似たような記事が無いようにネット上で本作品のレビューなどを見ていると、ハックがスターウォーズのR2D2に似ている、という記述があった。許せん記事である。本作は1966年、スターウォーズは1977年、10年も前に作られているのだから、似ているとすればR2D2が本作をパクっているのである!(違うか?)

※もちろん本作はハミルトンが1940年代から書いていた「キャプテンフューチャー」のオマージュ作品である。パクリではないことを強調しておきたい。

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