梅雨時々紫陽花の葉 - さんかれあの感想

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さんかれあ

4.504.50
映像
4.25
ストーリー
4.00
キャラクター
4.00
声優
4.25
音楽
4.50
感想数
2
観た人
2

梅雨時々紫陽花の葉

4.04.0
映像
4.0
ストーリー
3.0
キャラクター
3.5
声優
4.0
音楽
5.0

目次

まず始めに

あなたはキチガイと変人、変態と精神異常者、そういう人によるものの定義を作ることはできますか。調べてみれば、Wikipediaなどにこういうもののことを言うなど、色々書かれているかと思います。ですが、やはりどれもはっきりしておらず、とても分かりずらいです。一言で表せないというのでしょうが、私のようなバカは、もっと分かりやすい意味を求めているのです。求めてしまうのです。人の生死、幸せとはなんなのか、何が良くて何がいけないのか、私はあるアニメを通して、探っていきたいと思います。そのアニメとは…

さんかれあ

さんかれあを語るにあたって、手始めにキチガイと精神異常者の違いについて、自分なりに考えてみたのですが、勉強不足がたたってか、とても説明することができませんでした(このあとの「普通じゃない私、普通になりたい私」で、このことについて書いております)。一生かけても違いを見つけることは不可能なのではないかと、気を落としている次第であります。ということなので、今目を通されている方々には、私の言葉が少々違和感のあるものであっても、ご愛嬌と割りきっていただくことになりそうです。さんかれあ事態、随所に違和感を感じる作品ですし…言い訳もこれくらいにして、早速、現時点での私の価値観で語らせていただきます。

私もゾンビっ娘好きになってしまいました。さんかれあで。しかし、さんかれあは二次元、絵柄的にも(比較的)読みやすいものとなっていますので、もし本当にゾンビが目の前に現れでもしたら、千絋のようにはいかないでしょう。ゾンビっ娘好きになったとしても、バイオハザードはあいかわらず怖くて見れないままですし、千絋と同じでお化け屋敷が苦手です。というか二度と入らないと決めています。そんな私ですので、千絋には親近感やら仲間意識やらで好感は持てます。余談ですが、千絋好きの方に、キューティクル探偵因幡を紹介させていただきます。きっとお気に召すかと。こちら、主人公が毛フェチなのですが、千絋は言うなれば死体フェチ。「ビジュアル的に好き」と千絋本人が言っております(さんかれあ1巻P17より)。とすると、千絋は死体の画像なんてのも見ているのではないかと考えられます。私はグロ系は二次元ならよいのですが、三次元となると駄目ですね。いえ全くというわけでもないのですが、画像検索で変死体なんてものを見ようものなら、しばらくガクブル状態になってしまいます。二次元なら大丈夫なんですけどね、二次元なら。なのでゾンビマニアの彼には(変な)感心すら覚えます。さて、普通は血やら腐った人肉など、気持ち悪い以外の何物でもないはずなのに、好き好むなんてことがあるのでしょう。潜在意識的に考えるならば、私達は動物の血肉を食べますから、そういう「オイシイ」ものに対する好印象が、人肉にも表れているのやもしれません。世の中には食人族なんて種もいるようですから。さんかれあでも、礼弥は好意を寄せている千絋を、食べようとすることがたびたびあります。アニメには出ていないダリンという女の子がいるのですが、その子が「食欲と愛欲(性欲)は紙一重という言葉」と話しています(さんかれあ3巻P138)。まさしくそれで、好きなモノを食べたい、「オイシイ」と感じるそれは、世にはびこる不可思議な言語「愛」ゆえに、とすることもあるのです。

普通じゃない私、普通になりたい私

私はキチガイです。普通の人と同じように友達もいますし(これから縁遠くなるやもしれませんが)、生物をむやみに殺してはいけないとも思います(夏の蚊などは全力で殺しにかかりますが)。それでもキチガイなのです。なぜそう言いきるのかと言いますと、普通の人と同じことを思ったりするのに加えて、精神異常者と同じことも思ったりするからです。

キチガイ、精神異常者、俗に言う普通の方々にしてみれば、どちらにも違いはないかと思われます。しかし違いをつけないというのも突っかかるものがありますので、私なりに軽く説明しておきますと、キチガイは漢字で気違いと書き、気が狂っている人のこと。精神異常者は精神障害からうつ病まで、精神に異常をきたしている人のこと。

もっと追及するならば、キチガイの人は言動、行動に問題があるのではと思います。精神が病んでいるわけではなく、気が違ってしまう癖があるのでしょう。そして精神異常者は障害者、病人に当てはまると考えます。生まれたときから、脳の作りが一般の方と違うのか、言動、行動が癖ではなく、本心からのものになります。キチガイも精神異常者もそんな意味じゃない!という方もいらっしゃいますでしょうが、それに関して、私はそれを肯定する意思を持って、その上で、私のテキトーな解釈もありうると述べさせていただきたいのです。

例えばうつ病も、意味など未知数なものです。抑うつ、うつ状態、新型うつ、おまけに自律神経失調症。今思いついたものを書き出しましたが、これ以上、うつについて書き出せば、話が脱線する上に、考察がかさばってしまいます。要はそんな定義すらも定まっていないようなものに、この場で意味を決めるには、少々無理があります。なので、先程の解釈はこの場凌ぎのためだけの、私が勝手に考えた意味ということでこの場を収めていただきたい。

さっきキチガイだから精神異常者だと言ったじゃないか、確かに意味合いは似ているでしょう。ですが私は友達に冗談混じりに「キチガイ」と言われることが多々あっても、「精神異常者」とは言われたことは一度もありません。それはなぜなのでしょう。たまたまなのでしょうか?
私がキチガイで精神異常者だと言ったのは、キチガイは他人に言われ自分でもそう思ったからで、精神異常者は自分で自分はそうなのではないかと思ったからです。そう、私は気が違ってしまう癖と本心からのもの、どちらもあるようなのです。

降谷千絋は変態でしょう。そして、彼の性癖を嫌うどころか、その性癖に共感できる私も変態と言える。ということは、彼も私と同じ、キチガイ、精神異常者と呼べるのではないか、そう思ったのです。しかしなんでしょう、この降谷千絋という少年、その性癖を除いては、特にそういうイメージがないように思います。むしろ誠実であるようで、主人公らしい責任感の強さも持っている。男子高校生らしいといえば男子高校生らしい。なのにあんな性癖を持っている。まあその原因は千絋の母にあったわけなのだが、彼もああ見えて、母親というものを恋しく思っていたということなのでしょうか。妹思いでもある優しい兄が、生きた女よりも、腐って悪臭を放つゾンビ女が好きと聞けば、誰でも多少は驚くことでしょう。千絋の妹萌路や、その周りの方々は、長いことその性癖を見てきたことで、反応が薄くなっておりますが、それは千絋の人望も、少なからず影響しているのではないかと思ったり。そこで、もし千絋が路上で小動物を殺していたりしたらどうでしょう。そんな光景を一度でも目にしたら、彼女らの千絋を見る目は少なからず変わると思います。それこそキチガイ、精神異常者の扱いを受けるでしょう(すでに変人扱いは受けているようですが)。一線を越えるか越えないか、そこを千絋は越えない人物であるのだと、私は判断しております。偏見、危険の可能性、さんかれあのような作品は、どうしてもリスクのようなものがついてまわります。アニメの紫陽花なんかとても綺麗に描かれているのに、そういうことであまり知られていない現実にため息が出ます。やはり腐乱死体というものには、手を出すには少々難があるようです。サムネ詐欺ならぬゾンビ詐欺なんですけどね、この作品は。

プリンセス礼弥

礼弥はゾンビなのに美少女という、体も痛々しい傷痕を除けば、色白でとても美しい、父親が毒親になるのもいたしかたないと思ってしまうくらいです。ですが私自身、親を毒親と思っている人間ですので、礼弥の父親を肯定する気持ちは持ちたくありません。礼弥は、毒親とも言える父親、そして母親はネグレクトでしょうか、そんな両親に追い詰められなければ、死体になることはなかったのですから、もっと普通に生きることができたのですから。最後に毒親という視点から語らせていただきましたが、この場で毒親についての関心を持ってくださる方がいらっしゃればと、ひそかに思っている私でございます。

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