銀魂の面白さ凝縮! - 銀魂 〜何事も最初が肝心なので多少背伸びするくらいが丁度良い〜の感想

理解が深まるアニメレビューサイト

アニメレビュー数 2,474件

銀魂 〜何事も最初が肝心なので多少背伸びするくらいが丁度良い〜

4.504.50
映像
4.00
ストーリー
4.38
キャラクター
4.38
声優
4.63
音楽
3.50
感想数
4
観た人
6

銀魂の面白さ凝縮!

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ジャンプフェスタのオリジナルアニメ

アニメの途中から入って原作を読みはじめたころ、あまりのナンセンスぶりが気になってネットで検索したときにこのアニメを見つけた。あとで調べたら、このアニメは2005年12月に開催されたジャンプフェスタで上映されたものらしい。1999年に始まったイベントというから、もうずいぶん長い。映画「バクマン」は劇場で観たが、少年ジャンプおそるべしだ。編集者がすごいのか。

この作品は、銀魂アニメの上映に先駆けて銀魂の見どころを簡潔に紹介する意図がよく表れていて、短時間で銀魂の世界観が楽しめる良い作品だと思う。抱腹絶倒、あっという間の30分。中でも、叩いて被ってで繰り広げられる神楽と沖田の死闘や、おたえさんの腕っぷしが見ものだ。場所取りでもめるシーンでの、銀さんの腑抜けた表情も地味に笑える。

銀魂の世界観を凝縮した一本

銀魂の作者である空知英秋氏は、高級シャンパンのドンペリを大衆向けペットボトル入りの焼酎「大五郎」で割って「ぺり五郎」と命名してしまうセンスの持ち主だ。コミックは氏の人柄が垣間見える小さなコメントであふれている。北海道ご出身だけあって、懐の深さを感じる。

銀魂の登場人物の名前は史実の志士をパクッたものだが、ストーリー的にはほとんどパロディにもなっていない。日本史上最も混沌とした時代を舞台に、さらにハチャメチャなストーリーが展開する銀魂の世界。本当にやりたい放題、北海道の石狩平野みたいに広くて、自由気ままだ。物ごとには必ず答えがあると信じ、いつも正解を求めている人にはゼッタイに理解できない部類の作品だと思う。

時々、グッとくる。それでクセになる

そうかと思えば、このアニメの新八のエピソードのように、ときどき散髪廃刀令の屈辱感がチラチラ見え隠れしたりしてグッとくる。銀さんと桂は攘夷派の最後の残党で、かつての同志という設定だ。いつまでも過去を引きずるズラといつも対比される、銀さんの乾ききった言動。生きるためだけに生きている、現代人の姿を揶揄しているようにも見える。しかしその心の深いところにある火種が、いつかまた燃え始める日が来る。そんな日を待っているのは、桂だけではない。そんなメッセージを感じる。

そして、最後の快刀シーン。機動戦士~とか言ってるからそんな気はしたけど、やっぱり・・・な展開のあとに、スカッとさせてくれる。

“最後まで、美しく生きようじゃねえか”という珠玉のメッセージを残してこのナンセンスなストーリーは終わる。切腹というやり方で自らの一生を閉じた当時の武士たちや、特攻兵に志願して死んでいった若者たちへのオマージュだと私は受け取った。いつも銀さんの台詞からは、決して過去を否定するのではなく、対等に、真正面から主張している姿勢が感じられて、好感が持てる。

キャサリンは原作以上のインパクト

改めてアニメを視聴してみると、ネコ耳のキャサリンも登場している。サダハルや神楽とならんで、江戸の町に馴染んだアマントの代表といったところか。アマント=悪ではないことを示唆するキャサリンは銀魂の中でも一番のお気に入りキャラでだが、「コンニチハ」の発音は原作以上の面白さだ。

銀さん自身は心配していたみたいだが、アニメの吹き替えに関して言えば、ほとんどのキャラはイメージ通りだった。新八に至っては声優さんまで本人にソックリ。劇場版でも声優さんが演じてくれればいいのにと思う。ついでに言わせてもらえば、近藤勲 (こんどういさお)役はぜったい鈴木亮平が良かった。2017年公開の劇場版も今から楽しみだ。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

一線を画す。最高にくだらなくて最高に暖かいアニメ

ジャンプらしからぬ。ジャンプで現在も連載を続けている漫画「銀魂」を原作としたアニメ。しかし多くの人が思うだろうと私が考えるのは、まず「ジャンプらしくない」ということである。ジャンプは「友情・努力・勝利」のスローガンを掲げ、まっすぐで素直で将来性にあふれた少年が主人公として進行する物語が多いように感じる。しかし、この作品は違う。主人公はやる気のない仕事もろくにしない、普段は死んだ魚の目をしている、既に成人した男、坂田銀時。そして彼の元で侍道を学ぶべく働く準主人公、志村新八。彼は不器用な性格であり、強い正義感をもっている為、銀時と比較したらまだ主人公らしいではあるが、そのビジュアルはやはりジャンプらしからぬ地味の一言に尽きる。そして紅一点、ヒロインの神楽はチャイナ服で橙色の髪には雪洞飾り、真っ白な肌、たびたび語尾にカタカナが用いられる個性的な訛りなどビジュアルにも喋り方にも華やかな特徴はあ...この感想を読む

5.05.0
  • midorimidori
  • 136view
  • 2099文字
PICKUP

銀魂の面白さは泣き笑い

ギャグからの泣き笑い銀魂のストーリー展開は各回ほとんど、ギャグや下ネタで、毎回最初のストーリーから大きくずれていって内容が崩壊寸前みたいにめちゃくくちゃになるのですが、ラストでは、まさかあんなふざけたギャグや下ネタがこんな形でつながるのか、といった具合にすべてが布石になっていて、しかも泣ける展開でしっかりまとまる。ただ泣けるのではなく、銀魂の良さは泣き笑いで終わるところで、観終わった後に清々しい気持ちになれます。いいストレス発散になってます。原作者の空知先生のストーリー構成というか頭の中はどうなってるのと毎回驚かされます。シリアスな戦闘シーンからのギャグもたくさんあって、そのギャップも面白く、戦う相手がカッコよく登場したかと思えば、銀さんたちが、その登場人物の出方や装ういを急にディスりだしたし、憐れみだしたり、またその登場人物も恥ずかしがり出したり、すねだしたり、敵なのに、なんか憎めな...この感想を読む

5.05.0
  • ジャスタウェイジャスタウェイ
  • 159view
  • 2029文字

アニメ本放送前のパイロット版

いろんなところがまだ未完成声優さんの演技にしても、キャラをつかみきれていないところもあって、手探りな感じは若干あります。銀さんの昼寝シーンから始まります。今でこそ銀さん=杉田智和の声で定着していますが、当時はこれがアニメ初お披露目。原作ファンは人それぞれキャラの声のイメージを持っています。その声のイメージのずれが大きければ大きいほど、違和感と『これじゃない感』が付きまとい、受け入れられなくなってしまいます。銀さんも『こんなんでも俺の声』とか言い訳っぽく言っていますよね。(寝起きの声だから変なのは当たり前ってごまかし?)視聴者にまず『声』を受け入れてもらいたいという切なる願いがこめられているのかもしれません。作画にしてもクォリティが高いとは言いがたく、時折作画崩壊してるっぽいし、まだキャラクターに描き慣れてない感じ。何気なく流れるBGMにしても、要所要所に挟むアイキャッチにしても、本放送とは...この感想を読む

3.03.0
  • らっちかほしらっちかほし
  • 358view
  • 1189文字

感想をもっと見る(4件)

関連するタグ

銀魂 〜何事も最初が肝心なので多少背伸びするくらいが丁度良い〜を観た人はこんなアニメも観ています

銀魂 〜何事も最初が肝心なので多少背伸びするくらいが丁度良い〜が好きな人におすすめのアニメ

ページの先頭へ