歴史ものだし、有名じゃないけどかなり面白いです - 臏〜孫子異伝〜の感想

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臏〜孫子異伝〜

4.504.50
画力
4.00
ストーリー
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キャラクター
5.00
設定
5.00
演出
4.50
感想数
1
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歴史ものだし、有名じゃないけどかなり面白いです

4.54.5
画力
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
4.5

目次

歴史もの。苦手意識ある人いるかもしれませんが。

かなりおもしろい。なによりも有名だけど、有名じゃないというか、孫子といえば呉の孫武をほとんどの人が想像することと思いますが、あえて孫ビンなのです。歴史ずきなら孫ビンといえば増兵減釜の計を思い浮かべる人もいらっしゃるかもしれませんし、兵法の実践者として思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。でも、イマイチ想像がつかないというのが私なりの感想です。なぜそうなのか。それは時代が古すぎて資料が少ないからというのがもっともあるかもしれません。実際読み始めてそういうところどうするんだろうと思いながら読みましたが、そこはそれで創作ですよね。ようは少ない史実につながるようにつながってない空白をすっと入ってくるような感じでつなげていくこと。それがうまくできてるのかなと思います。キャラは女性多いですね。それはまぁ仕方ないかなと。コミックですし、カワイイ子がいないと人気もでないでしょうね。それとも意外と作者は英雄色を好むということを実践したのかな?と思わなくもないですが。実際おなじみの三国志でもみんな女好きですしね。それくらいはまぁいいかなって思ってしまいます。

ストーリーが練られているので展開が読めずワクワク

そして、画力はちょっと足りないかなと思いますが、ストーリー展開がすごくよく練られているので、次の展開が読めません。どうするんだろうどうするんだろう?自分が孫ビンだったらここで諦めてしまいそうとか、この状況が打破できるストーリーだから成立するんだろうけど、納得いかない展開や奇策で打破するようならつまらない漫画になってしまうな。と思ってしまいますが、そういうすべての予想を裏切り超えてきます。一つ一つをかろうじてつなぎながら気づいたら流れが変わっているような感じです。例えていうなら、将棋や囲碁が上手な人と対戦して気づかないうちに追い詰められてしまうような感じです。序盤攻め込んでもうまいこと逃げられて、切り返されて気づいた時にはピンチになってるような感覚ですね。少しずつ仲間が集まってきて、少しづつ線がつながっていき、それでも勝てそうにない単于の軍勢を相手に、使えるものやすこしでも有利になるような条件など目に見えないすべてを使い抗う。単于も軍勢があるからと油断することなく最強たる所以をもってあたるところが見所ですね。いろいろなことが現実的ではなさそうで結構史実に沿ってる部分も多いので何とも言えない部分はあります。特に投石器などは、三国志ファンだったら、荀攸の発案の霹靂車じゃないのか~って思ってしまって受け入れられないかもしれませんが、三国志は三国志演義という物語がもとになってる部分が多いのでアレがフィクションの可能性がある話だとおもえばこの時代にだってあってもおかしくはないなと思えてしまいますよね。ほかにも、剣や武具などいろいろ出てきますが、結構史実にそってますね。まぁ、色とかデザインとかまでいってしまうと面白味がなくなってしまうから、そこは目をつぶってもらえれば面白く読めます。だって主人公やでてくるキャラたちが兵馬俑の兵隊みたいな恰好じゃあまり格好いいとはおもえないじゃないですか。それにそれだと横山光輝の漫画みたいになってしまいますので個性だと思っていいのではないかなと。時代背景が戦国時代でこのあと秦の統一へと続いていく時代なので、キングダムを見られたことのある方などにも見やすい漫画だと思います。

田忌将軍って実は遠い親戚じゃないのかな?

実は孫氏は田氏の縁戚にあたるという。田氏は斉国では有力な氏族で孫武とも浅からぬ縁があったとか。そういうことを考えると田忌将軍と孫ビンが一緒に戦う姿は孫氏がまた斉にもどってきて今度は親戚同士手を取って戦うのかなってちょっと何かしらの縁を感じますね。田忌はもちろん実在した人物です。そういう点でも読んでて面白いと思います。

シンフェンさんが強くてかわいい。

いろいろ抱えてて、事情があって最初は孫ビンに弓を向けたシンフェンさんが一緒に戦って孫ビンをおもう気持ちに心が打たれます。最初はとげとげしかったのがしなやかに強くなっていく感じがいいですね。結局なんだかんだと一番頼りになるところも。他にもいっぱい魅力的なキャラクターは出てくるんですが一番かなと。そして今後の展開が楽しみです。

単于が化け物すぎる。

単于が一人でも強すぎて軍勢も、単于自身にも絶望的な強さを感じます。いろいろな意味でどうやって勝てるんだろうと。作者もいくら何でも設定がムリすぎるだろう。勝てない相手に勝つようなストーリーつくったら崩壊するだろうと心配になってしまいます。確かに仲間もすごい強いんだけど、単于から下子供以下にしかみえない。それくらい単于が強い。そして、てっきり単于と一騎打ちするのは田忌だろうと開戦まえから最後のほうまで疑わずに信じてたんですが、まさかの孫ビンとの一騎打ち。これは相当期待をいい意味で裏切られました。もちろん仲間たちの支えがあってできたこととはいえ、まさかの展開でした。

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