家族で見れるミステリーです。
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原作が西尾維新です。なんかそれだけでちょっとワクワクしませんか?
そう、傷シリーズで有名な西尾維新原作です。らしいといえばらしいネーミングセンスと急転直下のストーリー展開、なんとなくこうなるのかなと思わせといてからの意外な結末など、最後まで飽きさせずない内容でありながら、難しすぎることもないので、ミステリーが苦手とか、謎解きが苦手なひとでもスッと内容が理解できてしまうあたりがさすがだなと思わせてくれるところです。ただ、ちょっと説明的な部分が多すぎますが、それも作品の特徴かなと思います。設定もライトノベルを数多く手掛けるだけあって無茶な設定が多いですが、だからこそ非日常であり、そこを上手に日常的にしてくれる周囲のキャラクター達がいることで、さらに結末に対するワクワクが増していきます。そして、最後にちょっとほっこりしつつも、なかなか恋愛がうまくいかないことへのちょっとしたもどかしさが残るところが次回への期待になってしまいまた見たくなってしまいます。
美人に振り回されながらも、何とかしたいという優しい気持ちが共感されるのではないでしょうか?
いつも掟上さんに振り回される隠舘君が振り回されながらも一生懸命に役に立とうとするところや、トラブルに見舞われ、ついつい依頼してしまうところ、好きになってしまう気持ち、記憶に残れる人間になろうとするひたむきさは女性よりは男性に共感して応援してしまう人が多くいるかもしれません。男性なら好きな女性ができたらなんとか気を引きたい、お金を使っても、相手が振り向いてくれそうになくても、記憶に残りたい。そして彼女に優しくなれる気持ちは多くの方が持ってるものだと思います。不器用ながらもまっすぐにその気持ちを表現できる(本人は隠してるつもりなのでしょうけど)隠舘君に意外と感情移入してしまってもどかしい気持ちや、今回こそ伝わるんじゃないかという期待をしてしまって一層物語にのめりこむかもしれません。ミステリーという枠に恋愛が上手に絡んでいくことで見てる側の気持ちをより一層引き込んでいく感じがします。そして、なによりも小説や作家を語る掟上さんの純粋さが魅力を引き立てますね。あくまでも男の理想(妄想)なのかもしれませんが、一度はこういう彼女と付き合いたいなとおもわせる要素があるところも魅力的です。
父親のような絆井さん
掟上さんの事務所の管理人である絆井さんがすごくミステリアス。最初から「なんかこの人いろいろ知ってそうだな~」と思わせる言動がちらほら。喧嘩がつよいまくるちゃんが一緒にいるところもなにかちょっとワケありな感じがしますよね。でも、絆井さんが何か隠してそうでも浮きて上さんをすごく思ってる父親のような感じはすごく伝わってきます。だからこそ最後までなんかこの人は油断できないなと思ってしまって登場回数事態は少ないのですがついつい毎回絆井さんが何をしてるのか、どのタイミングでかかわってくるのか、登場のタイミングがどうだったのかがついつい気になってしまいます。そして、信じたい気持ちを持ちながら最後まで疑ってみてしまうのですが、結局最後はいい人で終わってしまいます。そこでなんだかほっとしてしまいます。絆井さんを演じるのは及川光博なのですが、直近では相棒で神戸役でのイメージが強いと思いますし、歌手やミッチー王子としてのイメージを持ってる方も多いと思います。軽くキャッチーな感じは今まで通りなのですが、役者としての演技や、存在感がすごく広がって今後が楽しみな役者さんになったと感じさせてくれますね。
30代~40代の男性なんかはこういう父親になりたいなと思ってしまうかもしれません。若い女性にはこういうお父さんがいたらいいのにと思ってしまうかもしれませんね。今どきの父親としての理想がでてる役柄かもしれません。
ボディーガードまくるちゃん、助手の也川君
けっしてそうじゃないんですが・・・物語を見ているうちについついそういう目線で見てしまいます。ピンチになったときに心強いまくるちゃん。どうみてもボディーガードに見えてしまいます。いつもいろいろな情報の欠片を集めてきてくれたり、隠舘くんの相談にのったりしてる也川君をみてるとついつい助手さんや情報屋に見えてしまいますね。こういベタな構成は逆に受け入れられやすい要素なのかもしれません。決して一人ではなく、頼りになる仲間のような存在がいることが危なっかしいストーリー展開に多少の安心感を与えてくれることでハラハラがワクワクになるようになる気がします。もうこの重要な脇役がいないと不安で見ていられません。
配役というか、構成は西尾ワールドなのですが、設定を変え、より現実的な部分を増やすことで傷シリーズとは違ってもっと多くの層に受け入れられるような物語になっていると思います。さらに警察モノや、探偵もの、医療ものの既存のミステリーとは一線を画すような内容になっているので、ミステリー好きには新しいミステリーの形として一度見てほしい作品に仕上がっていると思います。
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