趣味が事件捜査って!?
時効事件を捜査する、ありえない設定
趣味がない霧山修一朗が趣味を探すということから始まった、この時効警察。霧山くんの趣味が、時効になった事件を捜査する、現役警察官なのに趣味で・・・という設定。
時効になった事件を趣味で捜査する、という設定はありえないけど、今までに見たことのないので、とても興味を引かれた。
しかも、殺人事件で犯人がのうのうと暮らしているにも関わらず、犯人が分かったとしてもあくまで趣味のため、「口外はしない」
現役警察官の話なのに、「逮捕しないのかい!」と、ツッコミたくなるとても面白い設定のドラマでした。
決めセリフのようなカード
この時効警察には、他のサスペンスにあるような決めセリフはない。
例えば、金田一少年の事件簿だったら、「じっちゃんの名にかけて!」みたいな決めセリフ。
それが、この時効警察の場合、誰にも言わない証として、「誰にも言いませんよカード」にあたるみたいで、いいアイデアだと思った。
たしかに、私が犯人だったら趣味とは言え犯人と見破られたら「今後、怖いだろうなぁ」と感じたので、そのカードの安心感は犯人からすれば「良いだろうなぁ」と思った。
そして、そのカードに押すのが「認印」というのも、ナイトドラマっぽくて好きでした。
例えば拇印とか血判とか、仮にも殺人犯なのだから、そのくらい言わないという意思の表れかと思えば、「認印」なんか深夜ドラマならではの“ゆるい”感じを受けました。
三日月さんとのコンビ
初めて事件を解決した時、「誰にも言いませんよカード」も初めて登場しましたが、最初は三日月さんも当然ですが驚いていました。
でも、回が進むにつれて、三日月さんがカードを出して渡したり、霧山くんとのコンビが似合うなぁと感じました。
事件解決のシーンは、パターン化してても楽しいシーンでした。
犯人を前にして、まず眼鏡を外して推理を披露し自白を受け、眼鏡を掛け直してカードを渡す、この一連のシーンでは三日月さんが欠かせなくて、カードを出すタイミングやメガネの受け渡しが熟年夫婦のような安心感があってホッコリとしました。
個性的な顔ぶれ
時効管理課の顔ぶれは楽しい人ばかりで良い。
課長・又来さん・サネイエさんの3人が、それぞれ個性的でツッコミどころが満載です。
課長は、いきなり霧山くんの家に来て、トイレを借してくれと言ってきたシーンがありました。
「なぜ?」と思うようなビックリするような行動をとったりすることもあるが、実は霧山くんをとても応援していて、重要なヒントをくれたりする良い人。
又来さんは、十文字さんとのやりとりがコミカルで良い。ちょっと抜けてる十文字さんが何かする度に、つっかかっていったりして、2人のやりとりは見ていて楽しい。ドツかれた回数を黒板に記載してるところとか、小さな遊び心も良い。
サネイエさんは、いるだけで不思議な感じを醸し出している。なんとなく居るのではなく、存在感もある。
好きな時効管理課での3人のシーンは、「第5話 キッスで殺せ!死の接吻は甘かったかも?」での霧山くんが風邪をひいたところ。
「風邪を引くとどうするか?」という地元の習慣を3人がそれぞれ語るシーンで、課長はお母さんが缶詰を開けてくれる、又来さんはホウキをトイレの前に立てかける、サネイエさんは裸にされて海岸に出される、「どれもありえない!」ものだけど、真剣に語る3人のシーンがとても好きでした。
「裸で海岸って!!!」サネイエさんはオチを持って行くなぁと感心しました。
そして「どれも絶対ない!」と思ったのに、トイレにホウキを立てた霧山くんには笑った。
顔ぶれでは、アホな十文字さんが良いです。
十文字さんの霧山くんをバカにしたような態度を、気にしないで返答する霧山くんの塩対応も毎回楽しみのひとつ。
十文字さんの好きなシーンは「第4話 犯人の575は崖の上」の時に、霧山くんが教わってきた業界用語を連発するところが好きでした。誰も相手にしなくて情けないとことか、演じている豊原功補さんの、シャキっとしたイメージが崩れて笑ったシーンです。
霧山くんの的確な捜査とあっさりした犯人
ボーっとしていて、頭もボサボサな霧山くん、ですが・・・実はとっても賢くて見ていて感心する。
趣味で捜査するだけあって、どこに?誰に?どのように?が的確でムダがない。うだうだと回り道をするような捜査をしないで、スッキリしていて見やすい。
余計な情報や人物もでてこないので、ヘタに話を長引かせたりせず、キッチリ1時間で解決するので見ていて不愉快さがなくて楽しめた。
そして、ラストの犯人と対峙するシーンでは、さすがに趣味での捜査という設定だけあって、よく2時間サスペンスなどで見られる「証拠を見せろ!」みたいなこともなく、犯人だと言われた人物が、素直にあっさりと自供するところも好きなところです。
金曜日の夜のドラマということもあり、細かいトリックがあったりするような推理物というよりは、気を抜いて気軽に楽しむことができる面白い設定のドラマでした。
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