愛とは
思わず不倫したくなってしまう!
この作品は、上戸彩さん演じる平凡な主婦が、吉瀬美智子さん演じるセレブ主婦と偶然出会い、そこからドロドロの不倫にはまっていってしまうというお話。上戸さんが醸し出す雰囲気からなのか、斎藤工さん演じる教師の実直さからなのか、私の個人的な感情なのか(笑)、不倫なのに純粋な恋愛に思えて仕方がなかった。2人とも既婚者であり、これ以上はふみこんではいけないと思いつつも、お互いどんどん相手にひかれていく。それもまたとても自然な流れに感じられた。よく、「不倫は出会う順番が違っただけ」という言葉を聞くが、その通りなのかもしれないと思った。私も1人の主婦だが、こんな不倫ならしてみたいと思ってしまった。
それぞれのカップルの愛の行方は?
作品中に出てくる不倫カップルたち。皆がそれぞれ相手を思い遣って、愛し合っているにも関わらず最後は相手の幸せを一番に考えた選択をする。見ていてとても胸が締め付けられた。本当の結婚生活よりもずっと相手を大切にし、相手を尊重し、相手を愛しているようにも見えたが、それは不倫という夢の世界に迷い込んでいたからなのかもしれないとも思った。夢の世界に別れを告げ、それぞれ現実世界へと帰っていく登場人物たち。その顔は、現実への諦めと、夢を見た後の高揚感と、どこかすっきりとしているようにも見えた。登場人物たちの今後も気になってしまう終わり方だった。
愛か家族か?
登場人物たちはそれぞれ家族をもっている。その中で不倫にはまっていくのだが、欲望に満ちた不倫の愛におぼれ、抜け出せなくなっていき、不倫の背徳的な愛で満たされていた登場人物たちが、最後は結局家族への愛を選んで物語が終わっているということに気付いた。それは子供たちへの愛であったり、夫への愛であったり、妻への愛であったり。不倫という夢の世界におぼれていた登場人物たちは、今までの夢の世界を清算するようにすっと現実世界にもどっていく。そこで1人おいて行かれてしまっているように感じた上戸彩さん演じる主人公。彼女の現実世界はこれからがスタートなのだなと感じた。
主婦の中での超話題作!
ドラマが放送されていた時期に主婦仲間と会うときは、毎回このドラマの話で盛り上がっていた。皆、大切な家族はいるし不倫をする勇気なんて全くない。しかし、どこかでドラマチックで情熱的な背徳的な不倫の愛に憧れを抱いているのだと思う。このドラマはそんな主婦たちのあこがれや夢をかなえてくれた作品を言っても良いだろう。すっかり生活感にあふれてしまった自分の中の女の部分を知ることができた(笑)。
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