大人も熱くなれる成長物語
王道を行く
救助隊ものの元祖といえばやはりなんといってもサンダーバードだろう。
そしてロボットアニメといえば勇者シリーズが思い出されるのが私の世代なのだが、
このマシンロボレスキューは勇者ロボ+サンダーバードといったところ。
メカの発進シーンなんかは特撮好きのツボをしっかり抑えているし、
当時としてはCGもかなり力が入っていた。
・変形ロボが合体して敵を倒す
・明確な正義の組織
・少年とパートナーロボの絆
この三点だけで正直私はわくわくしてしまう。
絆のバリエーション
ロボと少年の絆であれば、これまでロボットアニメを見てきた我々にとってはいつものことである。
しかし、マシンロボレスキューではその絆が六つ描かれる上に、チームとしての絆、チームの枠を超えた絆、少年と少年の絆、と、絆の構築が複数あるのだ。
全体で15人の少年が登場するため、どうしても目立たないキャラクターはいる。
しかしサポートに徹するメンバーにも見せ場が用意されており、「あ、この子がいなくちゃ駄目なんだ」としっかり思わせてくれる。
キャラクター量に負けない脚本、設定は目を見張るものがある。
正義というテーマ
登場ロボの中でも一際存在感の放つのはやはりステルスロボだ。
救助用ロボの中において唯一の軍事用ロボ。敵として立ち塞がるが、その正体はすべてのマシンロボのプロトタイプという胸アツ設定。そしてやはり王道の「正義に目覚めて味方になる」展開。
その際塗装が変更されてダークなパープルから純白になるのもイイ(笑)
設定の緻密さ
主役であるジェットロボが大気圏外に対応するためオプションパーツを付ける。これによって宇宙での災害に対応できるようになるのだが、他のチームが宇宙に対応していないので必然的にスペースチーム単独で任務に当たらなければならない。これにより番組前半で構築してきたチームを超えた絆、仲間との連携が使えなくなってしまう(作品内のキャラクターも番組制作脚本家も)。
このことがマンネリしやすい拠点防衛系ストーリーにスリリングさを失わせず、新しい展開を用意するギミックとして作用している。換装に時間がかかるというパーツ交換の設定だけでもグッと来るものを、単純なパワーアップではなく大きなデメリットを背負うというのも、力を得ることが強さにはならないという世界の厳しさも教えてくれる。
個性の強さ
前述したサポート要員のキャラにしてもそうだが、敵キャラクターも個性が強く見ていて全く飽きない。
敵組織がマシンロボのコピーロボを開発して全く同じ能力で立ち塞がるというこれまた王道の展開がある。全部で三チームのダークロボが登場するのだが、どの悪役も攻め方が全く違い、毎度ハラハラさせられる。
特にファイヤーロボの手足となるアンビュランスロボが洗脳されてブラックファイヤーロボと合体する展開はかなりの絶望感がある。
あるいはハイパーブラックドリルロボとの戦闘ではステルスロボが活躍。
自爆による自己犠牲を行い、修理を経て正式に味方となる。
この立場のトランスがキャラクターの立ち位置を浮き上がらせて視聴者に正義のありかを明確に示すためのステップになっているのだと思う。
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