別の漫才師パターンが見てみたい! - 人形芸人 ドント&ノットの感想

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人形芸人 ドント&ノット

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別の漫才師パターンが見てみたい!

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目次

声優はプロ芸人

アニメ本編を観て、声が、プロ声優でなく、プロ芸人だと直ぐ気付きました。

独特のやりとり、会話の呼吸は、プロといっても声優に再現できるものではなく、完成度の高いアニメ作品に仕上がっていると思います。こうした企画自体の発想は、一般的なアニメ作品には見られないもので、当作品が斬新なアイデアの元、制作されたものであるのは間違いないです。

ただ、映像に声を吹き込むアニメという媒体に、コンビお笑い芸人の駆け引きが再現できるのか、と考えると微妙だったように感じました。

本来は、お笑い芸人は、映像の口パクに合わせた台詞回しを意識しないでしょう。それぞれコンビの培ってきたタイミングでネタを成立させます。しかし、アニメ映像にしてしまうと、そういうワケにはいきません。やはり、本編のキャラクターの口の動きと、音声が一致していないと、映像として不自然なものになるのではないでしょうか。

ドントとノットの声を担当された「海原やすよ・ともこ」さんにおいても、自分たちのタイミングで会話することはできなかったとように感じられます。

やはり、本来の漫才形式に比べて、会話の間には、微妙なズレがあったように感じられます。企画そのもののアイデアは素晴らしいと思う反面、作り込みに関しては、まだまだ練り込む余地を感じられました。

本来の芸人の駆け引きがあって、映像を、後で重ねた方が本来のコンビによる間を活用することができたのではないでしょうか。その部分は、非常に重要であり、今後の改善要素だと感じられました。そうでなければ、「海原やすよ・ともこ」さんのお笑い芸人としての、プロの力量も、観る方から低い評価をされ兼ねないように思います。本職のプロお芸人として、本来の力量より低い評価を受けてしまうことは、本人たちにも歓迎するべきことではないでしょう。

やはり、お笑い芸人のポテンシャルを最大限に活かしきれるアニメーション作りが、今後の課題なのだと思います。

キャラクターデザイン

実は、当アニメ作品を観るまで、「海原やすよ・ともこ」というお笑いコンビを知りませんでした。

そして、アニメ本編を観た後に、改めて「海原やすよ・ともこ」を調べてきました。まずは、外見においては、現実社会における「海原やすよ・ともこ」を、モチーフにしてドント・ノットの外見が作られていることに気付きました。

ドントは「海原やすよ」さんであり、ノットは「海原ともこ」さんです。

それぞれ、アニメ本編のキャラクターは、二人の似顔絵のように感じられます。外見部分から、本人たちにここまで似せているとは思いませんでした。また、デフォルメされた外見は、二人の個性が強調されていました。丸顔で丸い体型の「海原やすよ」さん、細長い顔で身長の高い「海原ともこ」さんと、調べて本人たちの画像を見付けたときに少し笑えてしまいました。

この事実からいえることは、企画の段階で、お笑いコンビ「海原やすよ・ともこ」を扱うことが決まっていたことです。

企画当初の段階から決まっていたからこそ、アニメ映像におけるドント・ノットというキャラクターも、それぞれの似顔絵のような外見だと思うのです。意図的に本人たちに似せていることは明確なので、「海原やすよ・ともこ」をメインに据えたアニメ作品を作ることが決まっていたのは間違いないです。

コンビにこだわってない

漫才ネタが多いですが、漫才に固執している様子はありません。

むしろ、お笑いとしては、コント仕立てだったような印象が強いです。また、作品タイトルからは、コンビにこだわっているように受け取れます。しかし、アニメ本編においては、ドントとノットの片方が登場しない話もありました。

漫才であれば、コンビじゃないと成立しないと思います。

ボケとツッコミという役割分担の元に、漫才という笑いは構成されています。しかし、片方が登場しないという展開は、漫才という笑いスタイルに固執していないことの表れのように感じられます。

すなわち、目指していた笑いスタイルはコントだったのだと思います。

アニメ本編に登場する人物は、ドントとノットのみではありません。1話限りしか登場しない人物が多いですが、そういった構成の中で、笑わせようとしている意図が感じられます。

「海原やすよ・ともこ」さんといえば、漫才スタイルがメインのようです。しかし、アニメ作品を通して、コントスタイルの笑いをしたかったように思えます。本当のところは、「海原やすよ・ともこ」さん本人たちにしか、分からないことなのかもしれません。制作スタッフの方にしか、分からないことなのかもしれません。

しかし、アニメ本編からは、そんな意思表示がひしひしと感じられます。

漫才ではできないお笑いが、アニメ本編には在りました。しかし、コント番組で「海原やすよ・ともこ」さんを見たことはありません。きっと、アニメという媒体で、コントを再現したかったのだと思います。

今回は「海原やすよ・ともこ」さんに焦点が当てられていましたが、他の漫才コンビやお笑い芸人に焦点を当てたら、どうなるのでしょうか。そんな可能性を感じさせてくれるアニメ作品だったように思います。

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