生き生きとした俳優陣がすばらしい
脚本上の構成がしっかりしている
失業中の楽士を持つ少女が失業者のみによるオーケストラを作り、スポンサーと有名指揮者を得るまでの孤軍奮闘を描くという映画ですが、脚本上の構成がとてもしっかりしています。
順を追っていくと、構成1では父は今夜も有名楽団に職を得ようと劇場を訪れ、追い返されるという悲哀を描き、2そこで淑女の財布を拾うが、その金で家賃を払うということをしてしまう、3で娘そのことを知り、その財布を淑女に返しに行き、お金を使ったことを許してもらうとともに歌を披露し、スポンサーになってもらうことを約束してもらうというストーリー上の飛躍、そして4つめの展開では、楽団を集めるが、淑女は欧州旅行、その夫はそんな話しらんといって慌てます。ただし有名指揮者でもいればだがという、ぼそっと条件が提示されるところがミソです。
偶然に頼っている展開もあるが、ターニングポイントが随所にある
5つめで、少女は、有名指揮者に頼みに行き断られるが、忍び込んだ部屋に偶然かかった電話に出て、それは新聞社からだったのだが、そうとは知らず指揮者が失業者楽団の指揮を取るといってしまう。6つめの段階では,それが新聞に載り、スポンサーは飛びついてきます、7段階目で少女は謝りに指揮者宅へ行き、どうしてこうなったのかの答えを聞きたいかと有名指揮者に言い、指揮者がもちろんと言うと、少女は楽団の演奏を聴かせる。そしてそれが演奏会へとつながっていくということ。
偶然に頼っている展開もありますが、ストーリーがまっすぐはまっすぐなのですが、ターニングポイントを何箇所も経てからの流れになっています。
俳優たちの活気がすばらしい
出ている俳優が主演少女をはじめ、みんな活気がありますし、うまさが目につきます。この少女は天才ですね。まさに現実世界にいて、こんな風に動き回っているんじゃないかと、錯覚してしまうほどリアル感があります。また、ちょっとしか出ない淑女とその廻りの世界のリアルさ、父親、指揮者、タクシー運転手、スポンサー、少女の兄的なフルート奏者など、脇役陣がすばらしい生きた演技を披露しています。少女、流れもスピーディー(少女はとにかく映画の間じゅう走り回る)だし、本当に言うこと無しの楽しめる映画でした。
セリフ的にも大笑いするところやほろっと泣けるところもあって、まったく退屈しませんね。強いて言えば、オーケストラというタイトルだけど演奏される音楽にはそれほどの魅力を感じなかったです。
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