権力と革命 - チョコレート・アンダーグラウンドの感想

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チョコレート・アンダーグラウンド

4.404.40
映像
5.00
ストーリー
5.00
キャラクター
4.00
声優
4.00
音楽
4.00
感想数
1
観た人
1

権力と革命

4.44.4
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.0
声優
4.0
音楽
4.0

目次

どの層に向けられたアニメ作品なのか!?

「チョコレート・アンダーグラウンド」というアニメ作品は、主人公が子供です。

そのことから、子供向けのアニメ作品だと受け止めることができます。また、作品タイトルにもある通り、チョコレートは、物語の中で大きな位置付けとなっています。全体像だけで捉えれば、子供向けであるように感じられてしまいます。しかし、アニメ本編の内容を考えてしまうと、子供には理解できないような場面も見受けられます。

大人たちが選挙に行かないから、こんな世の中になってしまった、という表現がアニメ本編でされていました。きっと、そんな表現をしても、子供たちは理解できないように思うのです。また、チョコレートを禁止されている世の中という設定が理解できないように思います。嗜好品と食料品の区別が明確にできない子供たちに、アニメ本編の内容は、全て理解できないと思うのです。

ただ、子供と一括りにしても、中学生辺りの年齢であれば、理解できない内容でもないように思います。しかし、中学生以上に向けられたアニメ作品の割に、アニメ本編の画風は、子供を意識したもののように感じられます。

私は個人的には、大人が観ることで、自分自身の行動を振り返る機会をもつアニメ作品なのだと思っています。ただ、作風は子供向けのものなので、見た目から受け付けないであろう大人は多いように思います。

ターゲットと内容が噛み合っていない作品で、勿体ない気がしてしまいます。

子供たちが起こす革命

子供たちが起こす革命が、アニメ本編における重要な部分だと思います。

何故、革命を起こすのは子供たちだったのでしょうか。本来は、大人たちのするべきことではないでしょうか。これを子供たちがやっていることで、大人の立場はありません。大人は、周囲の状況に流されるだけの存在であり、大人たちの情けなさが目につきます。

主人公の父親はパン屋さんで、美味しいパンを作りたいと語られていましたが、物語の最後で、美味しいパンが作れることを喜んでいました。私が、その立場なら、子供たちに合わせる顔がありません。

自分のすべきことを完全に履き違えているように思います。

こんなことを子供にやらせてしまったのなら、まず大人として、それを恥じるべきではないでしょうか。やるべきことをやらないと、子供たちに大きな顔で教育もできないし、注意・指摘することもできないように思うのです。

間違いなく、大人たちは喜んでいる場合じゃありません。

そして、意図的にそうした構図にすることで、アニメ本編の印象を強くしているように思えます。ただ、大人たちが革命を起こし成功させたのなら、アニメ作品として物語は魅力のないものになったのかもしれません。力や知識において、大人に劣る子供たちが革命を起こして成功させたから、物語として面白いものになっていると思うのです。

分かりやすい極論

日本の現実社会に当てはめると、お酒やタバコを禁止することでしょうか。

しかし、広い世界で、禁止している国は多くはありません。宗教の関係で、飲酒を禁止している国があるくらいではないでしょうか。規制緩和という観点でいえば、アメリカの一部の州では、マリファナが解禁されました。しかし、当然のことながら、日本では、マリファナを販売しても、製造しても、吸引しても犯罪行為になります。

国や地域で、ルールや風習が全然違います。

しかし、明らかにいえることは、チョコレートや甘い食べ物・砂糖を禁止している国や地域は皆無だと思います。世界共通で、「チョコレート・アンダーグラウンド」における世界観には違和感を覚えることができるのではないでしょうか。そして、改めて自分自身の国や地域で食べることができるものについて考える機会になると思います。

「食べる」という行為に限られたことではないのかもしれません。

健康的な生活を最優先するのであれば、テレビやPC、ゲーム、娯楽においても、禁止と成り得るのではないでしょうか。

「食べる」行為に限らなければ、もっと色んなことに置き換えて考えることができます。

背景となっていた地域

アニメ本編における世界観や風景から、ヨーロッパ地域がモチーフになっていたのではないでしょうか。

私は「革命」という言葉で思い浮かべるのは、「フランス革命」です。他にも、「ロシア革命」や「産業革命」「辛亥革命」など挙げれば、キリがありません。しかし、真っ先に思い浮かべるのは、「フランス革命」であり、革命という言葉から思い浮かべる地域は、ヨーロッパです。

世界観や内容の印象が合致しているように感じられます。

また、「チョコレート・アンダーグラウンド」というアニメ作品を観て、革命といえばヨーロッパという印象は、さらに強くなったのかもしれません。

特に、「チョコレート・アンダーグラウンド」で取り挙げられているテーマは、人権問題だと思います。人権問題といえば「フランス革命」であり、「フランス革命」をモチーフにしたアニメ作品といえるのかもしれません。

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