どうして百合なんだろう!? - 百合星人ナオコサンの感想

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百合星人ナオコサン

5.005.00
映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
5.00
音楽
5.00
感想数
1
観た人
1

どうして百合なんだろう!?

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
声優
5.0
音楽
5.0

目次

百合星人について考える

「百合(ゆり)」とは、このOVA作品においては、花である百合を指すものではないと考えられます。百合には、もうひとつの意味が潜んでおり、女性同士の同性愛を意味します。しかし、当の本人であるナオコサンに、そのような傾向はないように感じられるのです。ナオコサンの好みや興味は、性全般を幅広くフォローするものであり、ひとつのジャンルに特化しているものはないように思えます。ナオコサンの百合要素があまりにも感じられないので、花の百合を指したものなのか、と思えてしまいます。しかし、作品タイトルが表す百合は、女性同士の同性愛と考えてよいのだと思います。その理由は、OVA本編に百合の花が描かれている場面が一切ないことです。そして、ナオコサン自身が女性キャラクターであることから、百合の意味するところは、女性同士の同性愛を匂わせるものだと思われます。仮に、ナオコサンが男性キャラクターだったとしたなら、女性同士の同性愛を意味する百合と整合性はありません。ナオコサンが女性キャラクターであることから、作品タイトルにおける「百合」は、女性同士の同性愛と受け止めて良いのではないでしょうか。また、性分野全般に強い興味を示しているナオコサンなので、やはりそちらの方向の意味を当てはめるべきなのだと思います。

思い切ったギャグアニメ

潔いと感じたのは、ギャグアニメでありながら、笑いを性分野に絞っていることです。俗にいう「下ネタ」の笑いです。他のアニメ作品においても、性分野を扱ったタイトルはあります。しかし、それは色々な笑いを扱う中で、性分野も扱っているという位置付けなのではないでしょうか。しかし、「百合星人ナオコサン」においては、意図的に、笑いが性分野に絞り込まれていると感じられます。一点突破のスタイルが、「百合星人ナオコサン」という作品の潔さを感じさせるのです。数あるギャグアニメの中でも、存在意義は大きいように思います。また、ギャグアニメを色んな要素でマッピングした時、他のギャグアニメとは明らかに違う場所に位置するのだろうと考えられます。そして、下品さを感じないのが、「百合星人ナオコサン」の凄いところだと思います。性分野を扱うナオコサンに、一切の恥じらいや、後ろめたさを感じません。むしろ当然のことのように、そこに突っ込んでいく姿勢が下品さを感じさせないのだと思います。改めて考えてみると、ナオコサンの姿が自然な姿なのかもしれません。「性嫌悪」という言葉があります。そして、嫌悪とまでいかなくても、積極的に出せる話題ではないように思います。これは、日本人特有の風潮や文化による部分も強いのではないでしょうか。外国における性分野の扱われ方は、もっと開放的なものだと伺っています。日本人は、そういったことを表立って話題にすることを嫌う風潮が強いのだと思います。現実社会においても、扱い方や話し方を間違えてしまえば、セクシャルハラスメントという問題に発展してしまいます。臆すことなく、性分野に興味を示し、隠すことのないナオコサンの姿勢にも、潔さを感じることができます。

現実社会の不自然さ

「人間の三大欲求」というものを聞いたことはないでしょうか。
「食欲」「睡眠欲」「性欲」の3つと考えられています。その中で、「性欲」は正しいものなのか、改めて考えてみる必要はあるのかもしれません。しかし、この考え方を否定するものは少なく、肯定するもの、膨らませて四大欲求とするような考え方の方が一般的なのではないでしょうか。そして、「食欲」「睡眠欲」に関して、それを扱うことをタブー視されません。放送されているテレビを観れば、「食」を扱った料理番組や食べ歩き番組は多いのではないでしょうか。また、「睡眠」においても、メカニズムや睡眠の重要性を説いた番組も散見されます。一般的なコミュニケーションにおいても、触れてはいけない話題ではないでしょう。しかし、「性欲」だけは扱いが違うのです。タブー視されるのは「性欲」であり、それを扱った話題もタブーとされる風潮は強いように感じられます。世の中の常識など、どこかに置いて考えてみると、こちらの方が不自然なことだといえないでしょうか。人間の三大欲求なのであれば、興味をもって当然のことだと思います。興味を示すことの方が自然であり、タブーとするのが、不自然なことではないでしょうか。話をOVA作品「百合星人ナオコサン」に戻します。ナオコサンは、地球人ではなく、宇宙人という設定です。当然のことながら、地球人の常識や考え方を理解しているかもしれませんが、それに捕らわれていない存在だと考えられます。だから、性分野を扱うことをタブーとしていないのだと思います。そうやって考えると、ナオコサンの存在は、整合性を感じられるものではないでしょうか。ナオコサンの有り様が、不思議なものに映るのかもしれません。しかし、常識や風潮をどこかに置いて考えると、ナオコサンの存在は自然です。むしろ、在るべき姿といえるのかもしれません。本当に不思議なのは、性分野を扱うことをタブー視する現実社会なのかもしれません。

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