読めば絶対に学生時代に戻りたくなる作品
登場人物に恋をする。
私は日高万里さんの作品の大ファンであり、このひつじの涙の連載が始まることを心待ちにしていた読者の一人です。作者が好きで作品を読み進めるとストーリーが期待よりも面白くなく、途中で読むことを止めてしまうこともよくありますが、私は第1話を見てこのひつじの涙という漫画を大好きになりました。私をこの漫画の魅力に落ちたのは登場人物のユニークさと登場人物の謎の多さです。主人公の蓮見圭は兄の友人である諏訪の指輪を探しています。そしてその諏訪の以前住んでいたアパートに現在住んでいるのが蓮見圭の同級生である神崎です。彼は蓮見がアパートに来ることを拒みます。この蓮見圭という女の子が非常にひたむきでかわいいのです。私が男ならばこんな女性に惹かれてしまうと思うほどです。そんな彼女に連載が始まり恋をした私がいます。そしてこの恋をしてしまった蓮見圭という女の子には何があるのか、どうして指輪を探しているのか謎が多すぎて早く次も読みたいと思ってしまいました。そしてこの同級生の神崎がいいキャラをしています。この漫画は比較的ボケが多いのです。それをつっこむのが彼の仕事です。いいバランスがとれていて、飽きがこない漫画です。
胸に残る一言
この漫画の登場人物の中に諏訪という男が登場します。主人公である蓮見圭の初恋の相手である、この漫画の登場人物全員にとって意味深い人です。この諏訪という男はふわふわとまるで雲のようにつかみ所のない人間です。いつもヘラヘラ悲しいこととは無縁の人ではないかと思ってしまいます。けれど彼は辛い過去を乗り越え今を生きています。そんな彼の一言に胸を打ちます。楽しいことからはじめよう。諏訪が蓮見に投げかける言葉のひとつ一つが心に残り、気楽に毎日を生きていけばいいのかと読者の私も感じてしまいます。辛いことがあっても楽しいことから始めてみようかな、明日はきっと楽しい1日かもしれないと思ってしまいます。
見逃せない2人の恋模様
もちろん少女漫画お馴染みの恋の展開も見逃せません。神崎は蓮見に恋をします。けれど最初は彼自身も蓮見に恋をしてしまったことを受け入れません。なんで自分があいつにと自問自答してしまうのです。けれど神崎はいつも一緒にいた蓮見に、元気をくれた蓮見に恋をするのは当たり前だと読み進めていた私は親心のようなものを感じてしまいました。そして2人はいいコンビなのでそんな2人が恋をするのはステキだな、私も恋がしたいなと思ってしまいました。学生時代に感じた胸きゅんを味わいたいと思った時はこの漫画を読み返してしまいます。
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