珠玉のコメディ映画、すばらしいジャックレモン
観客を引き込むワクワクした導入部
生真面目な新任警官ネスター(ジャックレモン)ががんばって売春を摘発するのですが、そのお客が警察の偉いさんだったために、クビにされ、失意の中、ひょんなことからその売春通りである売春婦のヒモと喧嘩して相手を打ち負かし、自分がその売春婦イルマ(シャーリーマクレーン)のヒモになっていくというストーリーですが、ジャックレモンが見るからに笑えます。まじめな間抜けをやらしたら右に出るものはいません。そしてめちゃくちゃチャーミングなシャーリーマクレーンが相手ときたら、いったい、これから何が始まるんだろうとワクワクしてきます。
脚本はスピーディにもつれるドタバタ喜劇的展開で飽きさせない
とにかく脚本が素晴らしいです。まじめ一筋の警官ネスター→なのに売春婦のヒモになる→イルマを好きになる、だからこそ、英国紳士に変装してイルマの客となって他のお客を取らないでいいようにする→そのお金は借りなければならない。お金はイルマを通して、分け前分だけ、ネスターに入るが足りない分の借金がかさんでいく→お金がなくなって日がな早朝アルバイト→他に女ができたのではないかと疑うイルマ→イルマは英国紳士(ネスター)と駆け落ちを目論む→ネスターはこの英国紳士に嫉妬しこの英国紳士を亡き者にしようとし、ネスターの一人二役の小競り合いが展開、などなど、ストーリーは文字にすればもつれにもつれますが、決して複雑ではなく、ドタバタした笑いのシーンとしてつながれ観客を飽きさせることがありません。
魅力的な笑えるシーンの連続とジャックレモンの演技に一見の価値あり
展開はめまぐるしく、スピード感があります。そして各シーンに笑いどころ満載です。ネスターが英国紳士にメイキャップするシーン、イルマがヒモを養っていけないなんて売春婦の恥だと言うシーン、イルマが英国紳士の不能を治そうとするシーン、ネスターが英国紳士を一人芝居で川で葬るシーン、ネスターがアルバイトに精を出すシーンなどなど。簡単に刑務所を脱獄できたり、警察があまりにも間抜けすぎるなど、リアリティのなさには目をつぶらなければなりませんが、いかにも舞台などでできそうな全体を通してみればまとまったコメディ作品だとは思います。とにかくこの作品のジャックレモンは一見の価値があります。彼の演技がこの作品の60%以上支えているといっても過言ではないです。映像も全編ヴィヴィッドで、登場人物がみんなシャキっと立っていて、とても明るい映画に仕上がっています。
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