今までにない漫画 - 湯神くんには友達がいないの感想

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湯神くんには友達がいない

4.004.00
画力
3.00
ストーリー
4.00
キャラクター
4.50
設定
4.50
演出
3.00
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2

今までにない漫画

4.04.0
画力
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.5
演出
3.0

目次

前代未聞の主人公

まず私がこの漫画を知ったきっかけというのがテレビのCMだったのだが、そのCMが衝撃的だったのを覚えている。ヒロインである綿貫ちひろが雨宿りをしているところに主人公である湯神裕二が傘を手にもって歩いてくる場面。この漫画が恋愛漫画であったら、傘を持って彼女を迎えに来るという甘い展開が待っているのだが、本作品はそうもうまくはいかない。傘をちひろの前に差し出し、お金を請求する。そのお金と引き換えに傘を渡して一人帰っていくのだ。私はこのCMをみて本作品を購入しようと決めた。実際に購入して読んでみると、主人公が今までにない性格であることがよくわかる。湯神くんは友達がほしいのではなく、友達がいらないのである。これまであった漫画は主人公がネガティブで友達がほしいけれど出来ない、といったようなものが多かった。しかし本作品は主人公が前向きで、友達がいないなかでも一人の時間を楽しんでいるのが、むしろ爽快感がある。

不憫なヒロイン

次に、この漫画において重要な役割の人物がもう一人、それがヒロインである綿貫ちひろである。彼女は転校生であり湯神くんの隣の席である。転校当初から湯神くんのペースに飲み込まれるという不憫な女の子である。おとなしい性格でお人よしのため、友達が一向にできず、湯神くんとかかわりを持ったがゆえに、クラスメートの百瀬香織に因縁をつけられてしまう。私が思うに、ちひろは転勤族のため友達という存在について客観的に見ている気がする。少し冷めているような感じを受けるが、時間を重ね、湯神くんに振り回されているうちにいろいろな人脈が広がっている。

引き込まれるストーリー設定

最後に、この漫画のストーリー設定について書きたいと思う。普通の漫画であったら主人公とヒロインは少しずつひかれあっていくものであると思う。しかしこの漫画では面白いくらいにその傾向がない。落語デートすることになった時もお互いを意識せず、それぞれ一人の時間を過ごしている。デートが終わった後もちひろの父親が来て、湯神くんと親睦を深めようとした時もそれを断って帰っていく湯神くんを見た時は、安定しているなとつい笑ってしまった。

この作品について、私はアニメ化しないかいつも気になっている。漫画の限定版についていた落語のドラマCDも楽しく聴かせてもらった。 テレビCMもアニメの絵も本作品に非常に合っていたと思う。この作品は漫画だけにとどまるべきではなくより展開していくことを非常に推している私でした。

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