川島なお美が作り出した女優としての顔
川島なお美の印象を一気に変えた作品
”失楽園”は川島なお美が体を張って演じた作品だ。映像が過激過ぎるために子どもの前では決して見れないと思う作品だ。しかしストーリー性は非常に深く私は嫌いじゃない。女優の仕事と言ってもここまで体をあらわにするのは相当の覚悟と度胸がいるだろう。そんな風に考えてしまうのは私がただの一般庶民だからだろうか。数多く存在する女優は、こんな場面になった時はどういう気持ちなのだろう。私のように余計なことを考えたりはしないのか。女優はいわゆる濡れ場を演じる人と濡れ場は演じない人がいる。その境界線は一体誰が決めているのだろう。本人の意思で決める事が出来るのだろうか。女優だからといって裸を映像として残すことは良い事なのか。女優の仕事の深いところまで考え抜かなければこの答えはでてこないような気がする。また実際に女優という仕事についてみない限りは答えが見つからないと思うのだ。だから私は一度でいいから女優になってみたいとこの作品を見た後に考えた。そんな少し不思議な感情が湧いてきたのだ。平凡な主婦の私が女優という仕事をどこまで追求できるかは分からない。女優となった時に私はどんな選択をしてどのように人生を歩んでいくのだろう。沢山の出会いがあり、別れもある。当然、結婚し子どもにも恵まれる。その子どもがもしこの作品を知ってしまったらどんな気持ちになるだろう。学校でいじめられたりしないだろうか。旦那はいくら仕事だからと言ってもここまで女優魂の強い女優を自分の妻であると認められるのか、ストレートに嫌ではないのだろうか。そんな風に私なら考えてしまう。きっと彼女も沢山の事が頭をよぎり悩んだことだろう。それとも考えはするが悩むことなどないのかもしれない。川島なお美が持つ女優としての才能は誰が見ていても伝わるだろう。川島なお美のように女優としての人生を選び生きていたことが私にはカッコよく思う。自分で決めた道を曲げずにいつまでも信じ続けて立ち向かう姿を同じ女性として素晴らしいとしか言えない。私も彼女のように一つの事をあそこまで貫き通してみたい。それが出来るのは真剣に自分の人生を生きている人だけだ。口では簡単に言えるが貫き通す事は想像以上にパワーを使う。そのパワーは誰でも持っているわけではないだろう。集中力や物事を考え見極める事が出来る人ある人は下品だと言っていた。よくあそこまでできるという意見を持っている人の方がもしかしたら多いのかもしれない。でも彼女と同じ女優や芸能関係者ならその生き様を素晴らしいという人が沢山いるのではないだろうか。川島なお美はこの作品をきっかけに数々の作品で活躍し様々な役を演じていたが、やはり「失楽園」のイメージが1番強いと感じる。彼女はそれだけ自分の女優としての姿をこの作品にかけていたのだ。確実に映像の中に焼き付けたのだろう。一見綺麗な奥様という印象にも見えるのだが彼女の女優魂が強く感じられるのはこの作品に間違えないだろう。
菅野美穂と川島なお美の類似点
この作品を川島なお美が演じる前の作品でどうしても忘れられない作品がある。それは「イグアナの娘」という菅野美穂主演のドラマだ。菅野美穂はこの作品をきっかけに様々な役をこなしていった。今では素晴らしい女優となった。当時は彼女の演技に少し違和感を感じていた。まだ初心者の菅野美穂の姿が見られる作品でもある。菅野美穂はこの作品をこなした後には大人しく清楚な印象が強くなった。彼女はそれに戸惑いを隠せなかったらしい。イグアナ娘で主演を演じてからその印象ばかりが強くて、再びくる仕事はどれも似た様な大人しい清楚な女の子の役ばかりだったのだ。女優としてそれは少し悲しいかも知れない。様々な役を演じ切るのが女優であり、菅野美穂にはある一定の役しかオファーがこなかったのだ。それに我慢が出来ない彼女は女優としての仕事をしっかりととらえて考えていると私は感じた。ただ仕事があれば良いという考えではなく女優という仕事を追求し続ける菅野美穂の女優魂は川島なお美と似ているかも知れない。菅野美穂は自分についてしまったイメージを取り消すためにある行動にでたのだ。それが”ヘアーヌード写真集”を出版する事になった理由だ。当時誰も想像していなかっただろう事が起き世間は揺れた。なぜ突然?という意見や意味が分からないと言う方もいて非難も受けた。しかし彼女が決めた道を誰も否定する権利はどこにもないのだ。彼女が出版した写真集により菅野美穂という女優をただの女優さんという印象から一気にイメージが変わっていった瞬間でもあった。
共に川島なお美は「イグアナの娘」というドラマで菅野美穂の母親役を演じていた。でも失楽園のような印象は一切感じられなかった。つまり大人しい綺麗なお母さんという印象だったのだ。そんな人があんなにも体を張った演技を見せた事に私は彼女の偉大さを感じたのだ。
川島なお美という女優を忘れない
「イグアナの娘」に出演していた二人の女優はそれぞれ女優としての深い考えを示した。何故だか不思議なことだが二人の女優魂は力強いものである事は確かだ。川島なお美が優しく母親としての印象が強かった役を演じていたことをずっと気になっていた私には、「失楽園」という正反対の役を完璧にこなす彼女の演技に驚きを隠せなかった。これからどんな素晴らしい女優がでてきたとしても、私は川島なお美という女優を永遠に忘れない。
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