半沢直樹についての考察 - 半沢直樹の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

半沢直樹

4.674.67
映像
4.65
脚本
4.50
キャスト
3.75
音楽
4.38
演出
4.60
感想数
4
観た人
32

半沢直樹についての考察

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
5.0
演出
4.0

目次

半沢直樹vs浅野支店長と東田西大阪スティール社長

このドラマの切り口は、又ポイントはいくつかありますが、作中、全十話を通してのコンセプト、概念をまずは指摘しておかなければなりません。ズバリそれは、勧善懲悪です。勧善懲悪と聞くと、時代劇を思い浮かべる人が多いと思いますが、そうです。この作品は時代劇の現代版とでも評することが出来ると思います。

そして前半の五話の主な点を考察しながら解説していきます。前半は半沢vs浅野と東田についてという事になります。内容は浅野と東田が結託して半沢を陥れようと様々な工作を仕掛けてくるのですが、半沢がその都度、悉く返り討ちにしていきます。この主人公の半沢直樹の上司に対しての戦う姿勢、困難に立ち向かい、戦いに打ち勝っていく姿勢は、現実に置き換えられるか、置き換えられないかのギリギリの線を言っています。つまり、『現実に半沢直樹みたいな事をしたら、潰される』というある種の正論が成立する代わりに、自分だったらと妄想も出来る範囲でのリアリティがあります。尚且つ、空想劇、ファンタジーらしい痛快さも併せ持っています。つまり、現実感と空想感の均衡が絶妙なのです。

また、敵である浅野の攻撃や、東田の逃げなど、あくまで現実世界の法や秩序での範疇の中で行われているのも重要なポイントです。

半沢直樹vs黒崎大阪国税局統括官 と 黒崎金融庁検査官

本作品で外せないのが前後半それぞれの黒崎駿一との対決です。御存じのとおり、前半は大阪国税局の統括官として、そして後半が、金融庁の検査官としての話です。この黒崎との対決こそ本作品が経済ドラマというもう一つの視点をより際立たせてくれています。黒崎が役人としてあくまで法に則って攻撃してくる所(やりすぎな場面もありますが)を半沢も法に則って出し抜いています。先程、このドラマは時代劇の現代版だと書きました。それはつまり、時代劇なら刀で切って殺し合う所を現代劇、つまり、政治戦争、経済戦争というステージで戦い争うということを表現しています。政治、経済的なステージでの戦いですが、その都度解説が入り、わかりやすいのも良いポイントです。それでいて、ちょうどよく知的好奇心も刺激してくれる点も本作品に興味が沸く要因だと思われます。

半沢直樹vs大和田常務 

本作品の後半部分は、大和田常務との対決ですが、これまでの戦いと少し違います。これまでの、単純にそれぞれの政治的、経済的な思惑からの戦いというより、半沢直樹と大和田常務の過去の因縁が絡んでいるので、より個人間の人間ドラマに焦点が当てられていました。まさにクライマックスと言った感じです。

このドラマの特徴の一つで話題になったものに土下座があります。そしてこの土下座というのがこのドラマのキーポイントです。この土下座で相手の敗北、即ち半沢直樹の勝利を表しているということです。勧善懲悪と言っても時代劇ではないので、わかりやすく人を殺したりは出来ません。そこで、この土下座によって勝敗、つまり、本作品の場合は半沢直樹の倍返しの成功をより際立たせる演出になっています。このドラマの特筆すべき所は敵を完膚なきまでに倒すという点です。つまり、困難を乗り越える程度ではなく、文字どおり「倍返し」する点です。悪意を持って攻撃してきた人にはそれぞれ、出向、破綻、失脚とそれぞれ現代版の死(仕事上ですが)に追いやります。それに加えて土下座させているわけですから、まさに完膚なきまでに叩きのめしています。この痛快さが、現実感の中にしっかり空想感があり、まさにその均衡が絶妙なのです。

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他のレビュアーの感想・評価

半沢直樹は大人版教育テレビ

理不尽な上司の要求に屈しないこの時代、上下関係が希薄になり自由になってきたとは言えども上司からの理不尽な要求は絶えない。我々が生きている現実社会ではなかなかその要求に歯向かうことはできないが、みんな理不尽に対する各々の正義や思いを持っているのではないだろうか。それをあまりにも痛快に実践する半沢がとても輝いて見える。現実にはできないのが、わかっているからこそ見ていて気持ちがいい。上司の不正を自らで暴き、徐々に部下からの信頼も得てチームで上司を倒していく姿は圧巻。自分は有機化学の研究室に所属しているが、研究室も会社と一緒で上下社会、教授や准教授の言っていることには逆らえない。理不尽であっても。だから、自分の状況に照らしても、とても半沢直樹は輝いた救世主に見えた。何があっても仲間半沢と渡真利と近藤の動機中って素晴らしいですよね。社会人になるにつれて友人関係などの横のつながりって希薄になってい...この感想を読む

4.74.7
  • ゆうゆうゆうゆう
  • 453view
  • 2114文字
PICKUP

演技力‼︎

とにかく迫力のあるドラマだと思いました。半沢が次々と大和田の手下を倒していき、最後半沢が大和田に土下座をさせ、大和田の悪事を暴露し、勝利した半沢がとてもかっこよくおもしろいと思いました。半沢と黒崎検査官とのやりとりもとても白熱して面白かったです。一時期半沢は金融庁検査を乗り切れないのかと思ってヒヤヒヤしてみていました笑。しかし見事その乗り切れそうもない金融庁検査を乗り越えていき、大和田に立ち向かう半沢直樹は見る価値あると思います。。最後大和田を倒した半沢が、頭取命令により出向になったのがなぜなのかが、今になっても謎なままです。自分の考えだと、半沢が第2の大和田になることを恐れた頭取が先を読んで半沢を出向させたというのが自分の見方ですが、実際にはどーなるのかはわかりません。続編も期待していましたが、やらないみたいですごく残念です。本当に残念でした。自分はこの作品の内容も勿論好きなのですが、...この感想を読む

5.05.0
  • トキトキ
  • 149view
  • 501文字

なんといっても演技力

このドラマは2010年に放送された、メガバンクの上層部の汚職を次々とあばいていく半沢の勇姿と銀行の闇を描いた「やられたらやり返す倍返しだ!!」というお決まりのセリフでお馴染みの人気のドラマだ。このドラマの見どころといえば、やはりキャストの表情である。このドラマは悪人が圧倒的に多い。その悪人達が悪事を暴かれている時の表情に注目してみると、皆顔を真っ青にして焦っていて、観ているこちらも冷や汗をかくほどだ。そういったキャストの自然な感情表現や臨場感や緊迫感は半沢直樹(堺雅人)の演技力があってのものだと思われる。半沢の特徴といえば優しい顔と恐ろしい悪魔のような声のスイッチである。この切り替えによってメリハリがより出て、観ていてその場に引き込まれていくような感じを与えることが出来るのだ。もう1つの見どころは半沢直樹の出向しまいと縦横無尽に走り回る必死っぷりだ。出向は待遇が銀行員の時とはまるてかわってし...この感想を読む

5.05.0
  • あさでぃーあさでぃー
  • 140view
  • 564文字

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