半沢直樹は大人版教育テレビ - 半沢直樹の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

半沢直樹

4.674.67
映像
4.65
脚本
4.50
キャスト
3.75
音楽
4.38
演出
4.60
感想数
4
観た人
32

半沢直樹は大人版教育テレビ

4.74.7
映像
4.6
脚本
5.0
キャスト
1.0
音楽
4.5
演出
4.4

目次

理不尽な上司の要求に屈しない

この時代、上下関係が希薄になり自由になってきたとは言えども上司からの理不尽な要求は絶えない。我々が生きている現実社会ではなかなかその要求に歯向かうことはできないが、みんな理不尽に対する各々の正義や思いを持っているのではないだろうか。それをあまりにも痛快に実践する半沢がとても輝いて見える。現実にはできないのが、わかっているからこそ見ていて気持ちがいい。上司の不正を自らで暴き、徐々に部下からの信頼も得てチームで上司を倒していく姿は圧巻。自分は有機化学の研究室に所属しているが、研究室も会社と一緒で上下社会、教授や准教授の言っていることには逆らえない。理不尽であっても。だから、自分の状況に照らしても、とても半沢直樹は輝いた救世主に見えた。

何があっても仲間

半沢と渡真利と近藤の動機中って素晴らしいですよね。社会人になるにつれて友人関係などの横のつながりって希薄になっていきそうですが、入行式の時から3人はずっと情報共有しているし、半沢がピンチになれば全力のバックアップが素晴らしいし、痛快。汚い会社を洗いだそうという正義感の現れもそうですが、同期同士の絆にもとても感動しました!それと、近藤は自律神経失調症にまで追い込まれてしまいますよね…実は自分も似たような病気でパニック障害を経験したことがあるので、これを見たときはとても共感しました。あのドロッとした黒い液体の描写などです。銀行とはそれるかもしれませんが、同期の仲がいいと仕事ってとてもはかどりそうですよね。自分は有機化学の研究室に所属していますが、研究室では一日15時間、週6日実験をします。長い時間を共に過ごすからこそ仲が良くて一緒に頑張れないとやっていけません。社会に出てもそうでしょうから、半沢直樹を見たときは、心底こういう動機が持てるような会社に就職したいなと思ったものです。

やられたらなにくそと奮起する

なんといってもこれですよね。この精神自分は一番大事で忘れてはいけないものだと思います。失礼だとか、怖いとかいう意見も聞いたことがありますが、私は、自分や自分の大切な人を貶めようとした人に対してかたき討ちをする精神はとても大事だと思います。自分は体育会系を歩んできましたが、勝ち負けの世界でもこの精神はとても大事ですからね。これがないと向上は見込めないと思ってます。そしてこのドラマにおけるこの言葉で最も重要なのが、上の人に向けて投げられた言葉ということだと私は考えています。これが下の人に向けられた言葉ならあまり感心しませんが、立場が上の人でも関係なく、自分の信念を貫き、自分の正義を貫くという姿勢の表れだと感じます。それを貫くためには上下は関係ありませんし、半沢が仮にこの言葉が原因で退職まで追い込まれていたとしても彼はこの言葉を発さなかったときよりは後悔しないでしょうからね。彼が父を銀行に殺され多という恨みを持って入行しているのは極端な例ですが、自分も間違ったことがまかり通る社会は嫌だと思うたちなので、上司に意見できるような信念を貫きたいのですが、現実にはそうはいかないでしょう。でも、自分が上司の立場になった時には、部下に「上司からやられたからやり返す」のではなく、ここは倍返しの精神とは真逆で後輩には自分のような思いをさせないように全体として俯瞰したときに何がいいのかしっかり熟考できる上司になりたいと考えています。

腐敗した世の中

腐敗したどろどろの社会を描いたドラマですが、今の現実社会もこんなドロドロしたニュースであふれかえってますよね。政治不正、会社同士の癒着や、携帯電話会社の寡占など考えだせば霧もありません。そんな世の中に警鐘を鳴らすドラマですね。僕は正義感が強いほうだとよく言ってもらいますが、半沢直樹はその極端。だから、自分にとってとっても気持ちよかった。中には、きれいごとすぎるから嫌いという人も少なからずいるでしょうけど。だから、政治の問題などの社会問題にもこのような目線で切り込むドラマがあったら楽しいかなと思います。いろいろな大人の事情でできないとは思いますが。あと、権力闘争に関する問題もありますね。お互い協力しあって生きていけばいいものを仲間になってからも足を引っ張り合うのは不毛ですよね。お互いいライバルとして、相手よりも上に上がっていくという姿勢が一番大切であって、相手を引きずり落とすことで自分が上に立とうとするのは一番の悪だと思います。生産的でない。スポーツだろうが勉強だろうがしごとだろうがこの姿勢が一番大事だと思っていてこのドラマは暗にこのような人間社会において切っても切れない権力闘争における健全な戦い方についても教えてくれているように感じます。

研究不正と絡めて

私は化学者でありますが、以前世間をにぎわしたstap細胞問題がありましたね。あれもこのドラマに通ずるとことがあると思っていまして、実際実験を行う実験員には何をやるかの決定権はほとんどないも同然です。だから彼女も上司の力に押し負けられたはず。彼女が、半沢直樹だったら、どうなっていたんだろうかって結構考えてしまいます。。。

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他のレビュアーの感想・評価

半沢直樹についての考察

半沢直樹vs浅野支店長と東田西大阪スティール社長このドラマの切り口は、又ポイントはいくつかありますが、作中、全十話を通してのコンセプト、概念をまずは指摘しておかなければなりません。ズバリそれは、勧善懲悪です。勧善懲悪と聞くと、時代劇を思い浮かべる人が多いと思いますが、そうです。この作品は時代劇の現代版とでも評することが出来ると思います。そして前半の五話の主な点を考察しながら解説していきます。前半は半沢vs浅野と東田についてという事になります。内容は浅野と東田が結託して半沢を陥れようと様々な工作を仕掛けてくるのですが、半沢がその都度、悉く返り討ちにしていきます。この主人公の半沢直樹の上司に対しての戦う姿勢、困難に立ち向かい、戦いに打ち勝っていく姿勢は、現実に置き換えられるか、置き換えられないかのギリギリの線を言っています。つまり、『現実に半沢直樹みたいな事をしたら、潰される』というある種の正...この感想を読む

4.04.0
  • satoyasatoya
  • 352view
  • 1477文字
PICKUP

演技力‼︎

とにかく迫力のあるドラマだと思いました。半沢が次々と大和田の手下を倒していき、最後半沢が大和田に土下座をさせ、大和田の悪事を暴露し、勝利した半沢がとてもかっこよくおもしろいと思いました。半沢と黒崎検査官とのやりとりもとても白熱して面白かったです。一時期半沢は金融庁検査を乗り切れないのかと思ってヒヤヒヤしてみていました笑。しかし見事その乗り切れそうもない金融庁検査を乗り越えていき、大和田に立ち向かう半沢直樹は見る価値あると思います。。最後大和田を倒した半沢が、頭取命令により出向になったのがなぜなのかが、今になっても謎なままです。自分の考えだと、半沢が第2の大和田になることを恐れた頭取が先を読んで半沢を出向させたというのが自分の見方ですが、実際にはどーなるのかはわかりません。続編も期待していましたが、やらないみたいですごく残念です。本当に残念でした。自分はこの作品の内容も勿論好きなのですが、...この感想を読む

5.05.0
  • トキトキ
  • 149view
  • 501文字

なんといっても演技力

このドラマは2010年に放送された、メガバンクの上層部の汚職を次々とあばいていく半沢の勇姿と銀行の闇を描いた「やられたらやり返す倍返しだ!!」というお決まりのセリフでお馴染みの人気のドラマだ。このドラマの見どころといえば、やはりキャストの表情である。このドラマは悪人が圧倒的に多い。その悪人達が悪事を暴かれている時の表情に注目してみると、皆顔を真っ青にして焦っていて、観ているこちらも冷や汗をかくほどだ。そういったキャストの自然な感情表現や臨場感や緊迫感は半沢直樹(堺雅人)の演技力があってのものだと思われる。半沢の特徴といえば優しい顔と恐ろしい悪魔のような声のスイッチである。この切り替えによってメリハリがより出て、観ていてその場に引き込まれていくような感じを与えることが出来るのだ。もう1つの見どころは半沢直樹の出向しまいと縦横無尽に走り回る必死っぷりだ。出向は待遇が銀行員の時とはまるてかわってし...この感想を読む

5.05.0
  • あさでぃーあさでぃー
  • 140view
  • 564文字

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