神楽「雑賀さん!雑賀さん!」←かわいい
時代を感じない魅力的な雰囲気
しばらくしてからスピードグラファーを視聴してあまり古さを感じないなあと思いました。画質がいいのはもちろんですが、
アニメはその放送当時の生活がどうしても押し出されてしまいます。例えばパカッっとひらくケータイ電話を使用していたり、
今では当たり前のサービスが普及していなかったりなどです。その続編が決まると劇中では数年の経過にもかかわらずスマートフォンを手慣れた様子で使用していたりする
と、なんだかなぁといった気分になります。
そういったことがスピードグラファーにはなかったので、これはよく考えるとすごいぞと思ってしまうのです。
それにしても24話もあるので話の骨がしっかりしています。女の子を連れて大の男が逃げるというのは初代の龍が如くさながらですが、
必然的に大の男がしっかりするので主人公の渋さが際立ってかっこいいです。
神楽ちゃんは中身が箱入りなのに登場シーンがいやらしい!そこのギャップがよいですね。
世間知らずのわりに一生知らなくてもいい大人の世界を人一倍覗くことになるわけですから、精神的にかなり負担がかかるはずですが芯の強い子だったのでしょうか。
主人公の方が先にばててしまってるくらいの勢いがありました。
テーマが非常に多く見受けられる本作ですが、雑賀辰巳の職業が元戦場カメラマンということで経験豊富でかっこいいな!としないところが面白いなと思いました。
人の死でご飯を食べている、非日常を求めている、それだけではないのはもちろんですが職業の第一印象を払拭する掘り下げ方が印象に残っています
大人の世界
ピンサロを駆け抜けるシーンとかすごい面白かったです。行ってみたことがある人ならわかると思いますがめっちゃくちゃリアルです。ああ!ほんと店の中に入るとこんなかんじ!!そうそう!とテンションが上がってしまいます。
ピンサロ店内は基本撮影禁止なので、行ったことがない方は行ってみてほしいです。
スピードグラファーの再現度すげー!ってなりますよ。
神楽ちゃんは女子高生だからピンサロを知らなくても不思議ではありませんが、何ここ!?的な態度を取ってくれたのは、かなり清純な一面が裏付けられたのでよかったです。
純粋さを忘れた人にははっとさせられるシーンですね。大人の男性女性でもピンサロ経験がない方はいっぱいいますが、
なんとなく入った瞬間あっこれはそういう感じの店だなと思ってしまう程度には世間を知っているはずです。神楽ちゃんの純真さには土下座ものです。
初っ端からディープキスかましてたのにおかしいですね。銀座 ひばりと雑賀辰巳、天王洲神泉と水天宮寵児がこれでもかと何度も何度も求めあうシーンはもう見飽きるくらいありましたが、神楽ちゃんは本当に何もありませんでしたね。
まぁ何もなかったの基準がもうよくわからないのですが、最後まで清純を貫き通してしまったのが非常に喜ばしくも物足りません。
主張の具体性に欠ける敵たち
序盤はこれでもかというほど一発キャラが多くてダイヤモンドのお姉さんとか水が好きなお姉さんとか色々出てきました。いらねーよという方の気持ちも分からなくもないですが、
私は女性キャラに関しては全員好きでした。入水自殺を繰り返すお姉さんの儚い雰囲気が特にお気に入りで、あれだけでもショートストーリーを希望したい所存です。
なんだか童貞に好かれそうなタイプだなと思いました。
つらい過去があれば理解を得られる悪役って何しても許される雰囲気で終わるので、なんだかずるくないですか。
「うわ、だからこんな仕事してるのか。こいつかわいそうだな。」というような脇役の一発過去を、
小出しするのであれば、銀座ひばりはどうして濡れなくなったの?とかそっちを掘り下げた方が喜ぶ人が多かったのではないかななんて思います。
刺激が足りなくなったのは予想が付きますから濡れなくなる経緯でもいいですから。
それにしても六本木倶楽部の爆発シーン、可哀想だと思いませんでしたか?ほとんどの中にいた人たちがそのまま爆発に巻き込まれて、
欲望と罪の象徴消えろってノリで消されてしまうのです。腰振ってるオジサンたちはたしかに権力振るって何かしら悪いことをしてきたでしょうしその分の快楽を
充実していたことでしょう。しかしあそこで働いてる女の子たちってまだまだ若いピチピチの駆け出しであること間違いなしじゃないですか。
高い施設でエロくてえぐい仕事する女性といったら相当に熟練した手練れか、とにかく若い美女に決まっています。
見た感じ絶対に後者ですよ。となるとあんまりに可哀想です。水天宮 寵児 はただのヤケクソ状態であって、一貫とした主張からはずれているのではないでしょうか。
彼の妹が売春で廃人のようになっていて、金のために自主的に身体を売り飛ばす女が許せないとは言っていません。
だとすれば完全に彼女たちはとばっちりなのです。
みんなどこかで救いを求めていて、屈折した思想にすがりぶっ飛んだ行動に移すものの、打ち砕かれて初めてその歪んだ発想に目を向ける。
基本そんな人が多かった気がしました。
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