ソラニンに関して - ソラニンの感想

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ソラニン

4.504.50
画力
3.50
ストーリー
4.50
キャラクター
4.00
設定
3.50
演出
3.50
感想数
2
読んだ人
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ソラニンに関して

4.04.0
画力
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
設定
3.0
演出
3.0

目次

物語

ソラニンで描かれている場所や登場人物たちにリアリティがあり読みやすいと感じた。また、都合の良い展開というのもないのでドラマチックでありながら押し付けがましくもなく上手くまとまっていると感じた。2巻で完結という長さも良かった。これ以上、人生とは何かについて悩む描写が続いても飽きてしまうだろう。その後のバンド活動を軸に物語を展開させてもソラニンの良さが消えいてしまいそうな感じもするので終わり方も含め丁度良いと感じた。

種田の死

種田の死に関して、描写や流れはとても感情移入することができて良かったのだが、なぜ種田が死ななければならなかったのか理解することができなかった。芽衣子がバンドをするという後半の物語のために種田が死んだように感じてしまい、言葉足らずだったのではないかと感じた。

若者の葛藤

この漫画に限らず、映画や音楽なんかでもこういった若者の人生とは何か?幸せとは何か?理想と現実の葛藤といったことをテーマにしたものは多く、それらの殆どは自分の気持ちに正直に生きていけばいい等と答えてしまうものが多いが、ソラニンに関してはそういった答えを示していないので読者自身が答えについて考えることができる余白を残してくれている点は他の作品と違い余韻も残り良いと感じた。

ソラニンの良さ

ソラニンの良さは、少しの夢とリアリティのバランスだと思う。ソラニンでは人登場人物たちが抱いている夢を叶えさせてはいけない。そこを作者はきちんと守っている。ソラニンは、青春漫画と分類されるのだろうが青春漫画でよくあるのが夢に向かって様々な困難に立ち向かいながらも進んでいき最終的に夢を叶えるといった物語が多く、大抵の場合、主人公の性格は愚直で自分の夢に関しては真面目だったりする。そういった人物に憧れ感情移入する漫画が青春漫画だけでなく他のジャンルの漫画にも当てはまることだと思うが、ソラニンには憧れるような登場人物はいない。だから、登場人物を無意識に応援したりすることもなく、そこで生活している人たちを客観的に俯瞰で見ているような感覚で、その人たちが考えていることが自分にも当てはまり共感し、感情移入する。こういった物語でここまで感情移入させることのできる物語を描くことは難しいと思う。リアリティを追求しすぎると漫画の良さは消えてしまうし、夢ばかり描くと寒くなってしまうし、そのバランスがソラニンは非常に優れており、他の漫画には無い独特の良さを出せているのではないかと感じた。

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