女子高生の夏の思い出 - 星空キセキの感想

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星空キセキ

3.003.00
映像
5.00
ストーリー
1.00
キャラクター
3.00
声優
5.00
音楽
5.00
感想数
1
観た人
1

女子高生の夏の思い出

3.03.0
映像
5.0
ストーリー
1.0
キャラクター
3.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

アニメ制作された目的

この「星空キセキ」というアニメ作品の制作された目的が分かりません。若手のスタッフを集めて制作されたようなので、このプロジェクトを通して、若手スタッフたちを成長させようとする目的が大きかったように推測します。

その理由として、まず、約27分という短い時間の作品であることが挙げられます。時間の短さは制作費用を抑える意図が強かったのではないでしょうか。制作費用を抑えることで、ハードルを下げたように感じられます。

次に、ストーリーそのものの着眼点や発想は良く、物語をもっと広く展開させた方が面白くなったように思います。まとまっているように見えますが、説明不足の部分が明らかに多く、本来は時間尺を長く設けるべきだったように感じます。

そして、メッセージ性においても明確に打ち出されているものはなく、受け取り方も様々にとれるように感じます。そのことから、物語・脚本の原案があって、アニメ制作されたのではなく、アニメ制作プロジェクトが先にあって、物語・脚本が作られたのではないでしょうか。

このアニメ作品の存在意義には、頭を傾げてしまうところが多いように感じます。

 

作品タイトルについて考える

作品タイトルの「星空キセキ」ですが、「キセキ」の部分がカタカナ表記になっているところが注目すべき点だと考えます。アニメ作品の中で、色んな「キセキ」が見てとれます。

その前提で、アニメ作品を観なければならないのではないしょうか。また、そういう観点で物語を捉えることが面白くさせるように思います。

少なくとも、私が見付けることができた「キセキ」は3つあります。

一つ目は、主人公の「こずえ」がアクセサリーにしている「輝石(キセキ)」です。物語の中では、銀河と出会うキッカケになったアイテムであり、重要度の高いものに設定されています。

二つ目は、星空を横切るような流れ星、その「軌跡(キセキ)」です。流れ星・隕石の存在は、主人公の目的となっています。物語はここから始まっている、といっても過言ではないのではないでしょうか。

三つ目は、こずえと銀河が出会ったという「奇跡(キセキ)」です。これが作品タイトルから想像すると、一番思い浮かべやすいものなのかもしれません。星空の夜に起きた奇跡というのが、分かりやすいタイトルだと思います。しかし、「キセキ」をカタカナ表記にしたのは、それぞれの要素を観る側に匂わせたかった意図の表れだと考えられます。

ただ、アニメ作品を観ていても、分かりづらい部分だと思います。もっと、「キセキ」という言葉を登場人物たちがセリフとして使っていれば、強調させられたように感じます。そこまでしないと、制作側の意図する部分が伝わらないので、勿体ない気がしてしまいます。

 

宮崎アニメの影響!?

「星空キセキ」ですが、宮崎アニメである「耳をすませば」と印象が重なる部分が見受けられます。主人公の年齢設定こそ違いますが、明確な目的に向かって、突き進む主人公の姿は似ているように思います。

特に、周囲とは少し違った夢を持っている点もイメージが重なります。

「星空キセキ」主人公、こずえは星空が大好きで、天文部という部活動をしていても、そこに向けられた情熱は、他部員と違って、相当に強いことが伺えます。「耳をすませば」主人公、しずくにおいても周囲は受験勉強に打ち込んでいる中、自分の夢である作家になりたいという気持ちを抑えられず、作品づくりに悪戦苦闘している様子が描かれています。

また、登場する男の子の影響を受け、主人公たちが夢に向かっているのも同じのように思えてしまいます。淡い恋心を抱いている様子も同じで、主人公たちの印象が重なるからこそ、作品そのものの印象も重なっているように感じてしまいます。

 

明かされることのない部分

冒頭でも記載したように、不明確なことが多く、観終えてからスッキリしない印象が強いです。

銀河が所属していた組織ですが、「人類の未知」を手に入れることが目的でしたが、本当は何がしたかったのか、明かされることのない部分でした。そのことで、「悪」なのか、「善」なのか、ハッキリしないので感情移入ができないです。

その組織の目的が「善」なのであれば、銀河には可哀そうですが、不自由なのも仕方ない代償であると考えられます。しかし、組織の目的が「悪」なのであれば、銀河は騙されて、その特殊能力を悪用されているだけと考えられるのです。

本来の目的が「善」なのか、「悪」なのか、それ次第で、銀河に対する感情が変わってきます。その点においては、作り方が下手なのだと指摘せざるを得ないように思います。

また、終わり方においても、銀河は死んでしまったのか、特殊能力を失うだけで済んだのか、その点においても明らかにされておらず、観る側に考えさせるようになっています。

ただ、銀河の写真が置かれた描写は、嫌な未来を想像させてしまいます。せめて銀河の未来は、もっと自由に考えられる終わり方にした方が良かったように思います。置かれた写真はあまりにも意味深であり、どうしても良い方向に考えられません。もう少し違った描写はなかったのか、違った選択肢はなかったのか、不満に感じてしまう点です。

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