終始ドンパチでモッコリ封印!?
主人公はどっち!?
海坊主が主役なのか、シティーハンターことリョウが主役なのか、よく分からない作品ですね。
しかも発生する事件もいまいち明確ではないから、ただドンパチと敵と戦ってるだけです。なんだか、シティーハンターらしくない展開に、らしくない構成で残念だな、と感じたのは私だけでしょうか。偶然、街中で出会った美女をひたすら追い求めて、あそこまで追いかける様子も不自然に思えてしまいました。
シティーハンターのスペシャルアニメや劇場映画のように長時間作品の中では一番納得がいかない仕上がりになっているように思います。
逆にこれが好きだ、なんて方がいらっしゃるのかな?と疑問にすら感じさせましたね。いくつか良い点もあるのですが、この作品を良作と呼べるほどの決定打にはならないです。
主人公がハッキリしていないことが、なによりの問題点だと思うのです。どう考えても、リョウが主役と言い切れるほど活躍もしないし、リョウ自身が主体的に行動しておらず、成り行きのままに流されるがままに見えてしまう気がします。
海坊主が主役なのであれば、海坊主の目線や立ち位置で描くことができたように思うのです。
確かに、海坊主というキャラクターは主人公リョウと同等、もしくはそれ以上に人気が高いキャラクターです。それだけにどっちつかず、になってしまった感を強く感じました。
一見すると、好きな方には申し訳ないですが、シティーハンターで長編アニメ作れば、それだけで反響あるだろう、と安易な考えで製作されたアニメに思えてしまうのです。ひょっとしたら違うのかもしれません。製作スタッフがそうとう練り込んだ上、この作品が構成されたのかもしれません。私の受け取り方が下手で、製作側の意図を汲み取れていないのかもしれません。
ただ、私のなかでは非常に残念なシティーハンターだし、この作品のみで、シティーハンターを評価してほしくないですね。
海坊主の魅力
この作品において、海坊主とリョウのどちらが主役なのか、分からないぶん、海坊主の魅力は打ち出せているように思います。海坊主の魅力は、いくつか挙げられますが、ひとことで言ってしまえば、リョウと同じくギャップだと思うのです。
ハードボイルドさの裏側の純情さ、そして、見た目の厳ついイメージからは信じられない弱点であるネコという天敵の存在という2つのギャップが魅力になっています。
この2点においては、ベイシティーウォーズという作品の中にしっかり打ち出せていると思うのです。
また主人公リョウと同じような境遇で生き抜いてきて、比較されることが多い両者で、キャラクターがここまで違うことにも面白さがあると思います。リョウの軟派な部分と、海坊主のピュアな部分のギャップはうまく表現されているのではないでしょうか。
また海坊主は主人公リョウと比較して、戦いにおいて相当派手な立ち振る舞いをしますよね。主人公リョウはスマートに愛銃コルトパイソンを神業のように扱います。対して、海坊主はマシンガンや手榴弾、バズーカやロケット砲と使用する武器が多彩で、暴れていて爽快感があります。
リョウの神業のような銃さばきをカッコ良く思うか、海坊主のような派手な爽快感を求めるか、好みは人によって異なると思いますけどね。
ただ海坊主は、本来はトラップの名手です。そこだけは、あまりスポットが当たることがなかったですね。
香のリョウに対する優しさ!?
香はパーティーで食事してる場面が多いです。物語の終盤で、人質にもなりますが、それよりも食事していることの印象が残ります。
パーティーの場面で、テーブルの下に食料をいっぱい蓄えるところがありますが、あれは香本人が食べる気だったのでしょうか。香だけでは食べきれない量を蓄えていたように思うのです。もちろん、香本人が食べる気だった可能性も高いし、そこは観る方任せで、言及されていないです。香も食べる時は、ガッツリ食べる女性のようなので想像任せにされる部分が否めません。
しかし香はリョウが来ることを分かっていて、テーブル下に食料を蓄えていたように思うのです。もちろん襲撃を受けることなんて、予測はしていなかったでしょう。しかしパーティーにきっとリョウが来ると信じて、食べるものを蓄えていたのではないか、と私は受け取っています。
皆さんは、どのように受け取ります?
前面に押し出されないモッコリ
シティーハンターの大きな魅力といえば、モッコリだと思うのです。しかし、このベイシティーウォーズという作品において、影が薄いように感じました。
もちろん、リョウは街で出会った金髪美女をナンパするために追いかけています。しかし、リョウが女性に飛びつく〜香のハンマーという図式がなかったからでしょうか。
モッコリの影が薄く、すごく違和感を感じさせました。シティーハンターらしくない、と評価せざるを得ないですよね。それはお約束であり、ハズしちゃいけない鉄板の展開だと考えるからです。
以上の理由で、良い点も挙げられますが、悪い点が目立ち、私自身の総得点としては低くなってしまうのです。
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