本当の幸せを求める女が最後に手にしたもの - 一年半待ての感想

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一年半待て

4.504.50
映像
4.00
脚本
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キャスト
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音楽
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演出
4.00
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本当の幸せを求める女が最後に手にしたもの

4.54.5
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

母が考えたあり得ない犯行計画

女性に対する差別などがまだ完璧になくなったわけではないこの世の中で、弁護士の女は力強くそのことについて話していたのが印象的でした。彼女が結構、女に騙されたわけですが、なぜその後裁判をやり直さなかったのかがどうしても納得がいきません。あれほど責任感が強い弁護士が最後に出した結果が、何事もなかったかのように振る舞うことでした。最初の対応などを見ていると強い女性なんだろうと感じました。きっと世の中の女性の味方なんだろうと思いました。結局1人の犯罪者を救うという納得いかない結末に怒りさえ感じました。裁判はやり直すべきだったと思います。明らかに女は、殺人を計画して、実行にうつしていました。夫を殺害して他の男性と一緒になるために。かなり念入りに計画が進んでいたことに私は驚きました。女は頭が良く弁護士や裁判官までを騙し、演技をしていたわけですが、裁判官まで騙すとはかなり演技の練習もしたのでしょう。壁の薄いアパートを借りて生活することで、自分が暴力を夫から受けているのだと偽っていました。私も弁護士同様すっかり女の演技に騙されました。かわいそうな女だなと思って最初から見ていたのに何だか悔しいです。あの殺害した瞬間も子供は母を見ていました。なぜ女は息子まで犠牲にしたのでしょう。母の行動を1人で泣きながらじっと見ていました。母をとめようと思ったのでしょう。しかしそれは出来なかったのです。なぜなら子供は母の計画を知っていたのではないかと思います。母から伝えられていたのではないでしょうか。母が逮捕され警察に連れて行かれる時、子供は、咳こみました。母に首を絞められたからです。計画通り物事がすすみ、子供は精一杯耐えて嘘を突き通しましたが、それは母への必死の愛だったのではないでしょうか。子供が顔を横に振りますが、あの行動は、2人の秘密の計画を決して誰にも言わないから安心してという2人だけのサインだったのだと予想します。ストーリー中に数回首を横に振る姿が見られました。子供が1番かわいそうだと思いました。母は新しい男性と幸せになりたかったと動機を話していましたが、子供を巻きこんでまでやらなければならなかったとは私は思いません。後半で女は普通の幸せを味わいたかったと動機を話しますが、自分だけ良ければいいのでしょうか。女がした事で子供は既に普通の幸せが遠ざかってしまいました。子供がかわいそうで仕方ありませんでした。

父と子供の間には本当に愛はなかったのだろうか。

母が犯した罪によって子供の未来が変わってしまうのではないかと同情してしまいます。私が思うのは、もしかしたら殺された父と子供は私たちが思うほど仲が悪かったわけではないということです。酔っ払い帰って来て寝ている父に子供はそっと布団をかけて笑顔をみせていました。子供が寝ている時には父がそっと布団をかけて微笑んでいました。嫌いな親には見せないだろう表情を浮かべていたのです。母は、メイクで顔にアザを作り、子供はそれを眺めていましたが、どんな気持ちで見ていたのかと考えるだけで涙が出てきます。普通の幸せを手にしたかったのなら、殺人など考えてはいけないのす。他に方法はいくらでもあったのにと思いました。大人の勝手な行動が子供をどれだけ傷つけたのか本人に自覚はないように見えました。

1年半待てというタイトルに騙された衝撃的なラスト

犯した罪に対して後悔していないという女は、子供の気持ちを少しでも本気で考えたのでしょうか。私が見た限り自分の事しか頭になかったと思います。新しい男性と共に暮らすことを夢見て、自分の幸せしか考えない彼女には幸せになる資格はないと思います。新しい男性、子供、弁護士、近所の人、沢山の人を騙してまで手に入れたかったものは結局手に届くことはありませんでした。みんなが彼女から離れていきました。しかし皮肉なことに子供だけは女の側にいるのです。それでどれだけ救われたかを女が感じとり、子供の気持ちをもっと考える親になって欲しいと願います。子供にとって女は、どんな母であっても子供の母親です。親子の絆を信じ子供のいる温もりをもっと感じるべきだったと思います。

新しい男性にプロポーズされた時から女は夫の犯行を思い立っていたのでしょう。それから濃密な犯行計画を立て完璧に実行に移しました。”1年半待って欲しい”という言葉はタイトルにもなっている通りこのストーリーの鍵となりました。最初私はこの言葉は、子供へのメッセージかと思っていました。逮捕され一緒にまた暮らすまでの期間かと、騙されました。まさか犯行計画を全て終わらせて新しい男性と一緒に暮らし始めるまでの期間だったとは、思いもよらない展開に心臓がドキドキし、鳥肌が立ちました。このタイトルが話の展開を左右していたのだと気付いた時は作品の後半でした。それまでずっとあの女の演技に騙されていたと気付き、怒りが出てきました。あれほど彼女に同情した自分はなんだったのかと落ち込みました。女の表情は最初から後半に向けて晴れ晴れしたように見えました。それは、夫からの暴力を受けなくていいという安心からかと思っていましたがそうではなく、新しい男性と一緒に暮らせるという思いからだったということです。恐ろしい女だなと心から思いました。少しづつ女の本性に気付き始めた弁護士の焦りがこちらまで伝わってくるようでした。

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