時計からハトが出てくるのを待っていたんだ。 - 帰ってきた時効警察の感想

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帰ってきた時効警察

4.754.75
映像
4.75
脚本
4.75
キャスト
5.00
音楽
4.75
演出
5.00
感想数
2
観た人
2

時計からハトが出てくるのを待っていたんだ。

4.54.5
映像
4.5
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
4.5
演出
5.0

目次

どんな風に面白いのかって言ったってねえ

まず、「面白い」ってなんでしょうね。言葉から探りますとね、

「白い」は明るくてはっきりとしていることを意味するそうで、

そこから 目の前が明るくなった状態 目の前の景色の美しさ を

表すようになった。(語源由来辞典より)

「目の前が明るくなること」これが「面白い」の語源だそうです。(goo辞書より)

だから、面白いの意味も結構いろいろあります。英語だと、interesting と funnyは

分けて使われますけど、日本語はどっちも面白いの一言で表すことができるんですね。

興味深いのも面白いだし、こっけいで笑っちゃうのも面白いだし、

めずらしい、風流だ、思った通りで快い、心が晴れ晴れして楽しい、(ラップ調)

そういうのも「面白い」なんですね。はい、ではこのドラマはどうですか?

面白いを辞書で引いた時にある全ての項目を、満たしている、完全体の面白い、ですね。

それって、すごいことじゃないですか。上に書いた面白いを、もう一度見てください!

なるほど、どれもあてはまります。

(「風流」を感じるか、個人差がありそうですが、センスの良さ・趣の深さはあるかと思います。)

帰ってきてくれただけでいいんだよ

「帰ってきた時効警察」は、前作にご存じ「時効警察」があります。

こんな面白いドラマは、自分史を振り返っても見当たらないなー。というのが

シリーズ1作目の「時効警察」への一般的な感想ではないでしょうか。それに加えて、

「第23回 ATP賞テレビグランプリ2006 平成18年」のドラマ部門で最優秀賞に輝いたのは、

業界の人たちの観点からも、感動があったせいだと予測できます。

私は、受賞を知ったとき、え?賞を取ったんだね!と思わず驚きましたが。

というのも、賞を取ったのもギャグのうちかい?脚本の一部かい?なんて、疑ってしまうくらい、

私の「時効警察」への親近感がすごかったせいです。

改めて「作品」と考えると、本当に、最優秀賞もらえて当然だなあ、なんて感慨深くなりました。

あ、それで、シリーズ2作目はどうなのか。受賞を果たした「時効警察」に次ぐ「帰ってきた時効警察」。

これは、帰ってきたんだ!という喜びが冷めないままにラストまで放送された、そんな作品ではないかと

思います。わー帰ってきたんだー、相変わらずー。という楽しみ方が出来ました。

人気作の続編に期待が大きかった方には、ちょっとつまらなかったかもしれません。

つまりは、途中で見るのをやめたり、落胆するほどの期待外れはなかったけれど、

シリーズ1作目と比べて、そんなに差異はない。そう思いました。

それでも、目の前の明るさが、また戻ってきたなあ、(面白いなあ)と毎回楽しめました。

1話完結なので、1話ずつの比較はあると思いますが(脚本家も違いますし)、

1作目と2作目でなにかと比較しても、楽しめるところはなく、比較すると、絶対に1作目のほうが

目新しくて面白かった気がしてしまうでしょう。帰ってきたほうに、期待を大きくして見てしまうと、

爽快感はないんですよね。そんなふうに、シリーズ2作目を、ちょっと落ち着いて感じてしまうのは

仕方ないことです。そう、2作目の良いところは、落ち着いて見られることなんです。

それはもう、仕方ないことです。

1作目を見返すのよりも、2作目を初めて見るほうが落ち着いて見られます。

1作目を見返しても、初めて出会った時の新鮮さが蘇るので、興奮度が高くなってしまいます。

1作目は、それだけ見る側の思い入れを強めたドラマなんですよね。

なので、シリーズとして区切って考えるのではなくて、「時効警察」も、「帰ってきた時効警察」も

隔てなく続いているお話しだと思うほうがいいのかな、とか思います。

例えばサザエさんのように。水戸黄門のように。シリーズ化をしなくてもよいドラマなんでしょうね。

「帰ってきたサザエさん」も「帰ってきた水戸黄門」も、仮にそういうのがあったとして

同じ内容じゃないかなあと、「時効警察」も然り。そんな風に私は思います。

全然違う内容の(例えば、時効事件を探る以外の新しい趣味シリーズとかで)新シリーズが

できなくもないでしょうけど。あのメンバーで、日常を送っているのがたまらなく良いわけで、

多分彼らは、今もあの調子で暮らしているんだろう、というのが何とも温かいのです。

それで見ると、シリーズ2作目の最終話は、宿泊先で皆が集まるシーンなど、

このドラマをここまで見た人でないと、味わえないんじゃないかと思います。

制作側と視聴者との呼吸の間が合ってくる、愛あるシーンだなあと思います。

そういうのが、「帰ってきた時効警察」の良さでもあります。積み重ねてきたものがある、みたいな。

みんな、その気にさせられていたんだね

欲を出せば、スピンオフとか見てみたいですけど、自分で想像するのも楽しいですよね。

それで、そういう想像ができるっていうのがすごくいいですね。それだけ、キャラクターが立っていた

ということです。

キャラが立つ、といえば俳優陣なんですけど、役をやっているうちに色々と消化吸収してノッていったなあと

いう気がします。有名な漫画家の漫画が、だんだん絵がうまくなってる!というのに似ています。

いつも読んでいたから気づかなかったけど、ふと見ると、1巻と20巻じゃ画力が違うぞ、みたいな。

こちらが、見慣れていくにも関わらず、飽きずに引っ張られたのは、俳優陣の役作りが堂に入るのを

知らずに感じていたからかもしれません。

主演のオダギリ・ジョーさんは第8話で監督・脚本を担当したのも、このドラマに何か意欲的な

気持ちにさせられたんでしょうね。きっと、たぶんね。

そういうのも「時効警察」にはない「帰ってきた時効警察」の見どころでした。

1話ずつの構成は、割と、起承転結の枠がしっかりしたドラマです。

基本は勧善懲悪の日本人好みの作りですから いろんな人が脚本を書けるし、テレビドラマなのに

ミュージカルのような舞台のような、ある程度はテレビの枠を はみ出せるという、

いろんな要素を柔軟に取り入れられるのが、本当にすごかったなあと思います。

あれこれ書いていたら、もう一回見たくなりました。ほんと、中毒性がありますよね。

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しゃくなげの花を下さい。五本の束で下さい

三日月くんがいないと、始まらない!「帰ってきた時効警察」を、視聴した感想です。この作品は、時効になった事件を趣味で捜査する、主人公霧山修一郎の活躍を描いたドラマ「時効警察」の続編となっています。第2シリーズで特筆すべきことは、ヒロインの三日月静の、スタッフからの愛されぶりがすごいということです。前作ではツッコミ役だった三日月でしたが、続編では逆に霧山からツッコミをもらうような、コミカルなシーンが満載となっています。三日月は、前作では皆を注意する「学級委員の女子」のようなキャラクターでしたが、第2シリーズでは、あまりうるさく言わなくなったと思います。そして、その代わりにコメディのシーンが増えたと思います。こちらの三日月の方が面白くて、可愛くて私は好感が持てました。催眠術にかけられた回では、「しゃくなげの花」などの劇中歌を三つも歌ったりと、体を張った演技が多く、面白かったです。麻生久美子さん...この感想を読む

5.05.0
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