我慢強く子供らしくないサツキと子供を助けるトトロの存在 - となりのトトロの感想

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となりのトトロ

4.904.90
映像
4.80
脚本
4.90
キャスト
5.00
音楽
4.90
演出
5.00
感想数
5
観た人
12

我慢強く子供らしくないサツキと子供を助けるトトロの存在

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

完璧過ぎる姉サツキの苦悩、母への思い

私はこの作品が大好きです。幼い頃に初めて見てからトトロのあの存在感に圧倒され大人になった今も大ファンです。ぬいぐるみやグッズも沢山販売されていて、トトロ大好きの私には嬉しいことです。しかし、私が1番好きなのは、《となりのトトロ》の映像です。キャラクターももちろん大好きですが、木々の景色や畑の広がった景色、新鮮な野菜、水の綺麗な色、見上げるほどの大きな木。自然が沢山描かれていて見惚れてしまいました。そのうえ、サツキたちが引っ越してきた先の古びた家の柱をサツキとメイが一緒に抑え合う場面は、子供からすると、ドキっとしました。家が倒れてしまうのかなとドキドキして、息を飲んでいました。細いサツキの手でそっと柱を抑えます。サツキがとても可愛く見えました。しっかり者の姉サツキは、まだ幼いメイのことをとても良く面倒をみています。お母さんが入院しているせいか、強がるところがあり、自分がしっかりしないといけないという責任があったのでしょう。可哀想にと思います。まだ小学生で遊びたい盛りなのにメイの面倒をみて、仕事の忙しいお父さんの手伝いまでして、洗濯、家事、食事の支度、全てをこなしています。挨拶も良く出来るし、礼儀正しい、完璧過ぎて、少し可哀想に思えてしまうくらいでした。きっとサツキは、お母さんが入院している事を誰よりも心配してたと思います。だから自分が頑張らないとと毎日必死に生活を送っているのでしょう。しっかりしたサツキを見ると不思議と彼女の悲しみが伝わってくるような気持ちになります。

母親にだけは分かるサツキが心に隠している涙の跡

サツキの妹のメイは、可愛らしく大きな口が特徴です。サツキとは正反対でふっくらしている体は、幼さと可愛らしさが滲み出ています。可愛らしい声はとても魅力的です。メイは、自由奔放に生きています。母がいなくても、しっかりした面倒みの良い姉がいるため、寂しそうな素振りはそれほど見えません。甘える時もサツキに甘え、いつもニコニコしている印象です。基本的にサツキとメイはあまり似ていないような気がします。

サツキとメイの父親は、仕事に追われる毎日です。仕事なら仕方ないという気持ちもありますが、もう少し、サツキの気持ちを見つめ直して接してあげたらいいのにと私は感じてしまいます。小学生の女の子はこんな大変な思いなど普通はしません。もっと友達と遊んだりしたかったでしょう。サツキはしっかりし過ぎです。サツキの母が1番そんなサツキの思いに気付いているでしょう。お見舞いに来たサツキの髪をとかしながら、母はサツキの寂しさにきっと気付いていたに違いないです。いつも、メイの髪をとかししばってあげるサツキは、母に髪をとかしてもらうことが母の優しさに触れた瞬間だったのです。サツキの微笑んだ顔は、小学生らしい子供の顔をしていました。早く元気になって欲しいとサツキは心から願っています。彼女も早く親へ甘えるという当たり前な子供らしい事を叶えさせてあげたいと私は心から願いました。

サツキとトトロは心と心で繋がっている。猫バスが走る理由。

トトロは、大きな体に大きな口が逞しく、それでいて可愛いらしい笑顔を見せます。トトロは、サツキを見て頬を赤くしました。自分とは違い細くて長い手足に魅力を感じたのでしょう。メイが迷子になってしまった時、サツキがトトロに助けを求めます。トトロに会えますようにと必死に願い、その思いをトトロは受け取るのです。トトロはサツキの為ならとすぐに行動に移し、メイを助けるために猫バスを呼んであげたりととても協力的です。サツキとトトロの間には深い友情のようなものが生まれていたのでしょう。サツキの前向きで一生懸命な姿をトトロは遠くからいつも見守っていたのかもしれません。サツキの寂しい気持ちや我慢している事を、トトロは知っていたのです。あの大きな木の上から、あの日サツキ達が引っ越してきた時からトトロはずっと見ていたのです。

大人には見えないトトロ、子供にだけ見えるトトロは、子供たちを見守り続ける神様ではないでしょうか。普段は姿を見せないトトロは、本当に子供が困った時にだけ姿を表して、子供たちに手を差しのべます。トトロは私のような大人には見えないとしても、私たちが子供の時には見えたのでしょう。本当に助けて欲しい時にだけ姿を表していたのかもしれません。ただ気付かなかっただけかもしれません。私たちが子供の頃からいつも見守られていたのです。

そんな気持ちにさせてくれたトトロの存在は私には大きく逞しく見えました。きっとトトロは子供たちの永遠の見方なのでしょう。大きな口を開けて叫び声をあげて猫バスを呼ぶ姿は怖い印象もあるかもしれませんが、懸命に子供を助けたいという気持ちの現れなのでしょう。猫バスにトトロが乗っていたり、猫バスが物凄い勢いで走り回っている時は、誰かが助けを呼んでいるのでしょう。時々、急に強い風が吹いたりしませんか?もしかしたら、猫バスがあなたの横を通ったのかもしれません。困っている子供を助けるために。大人になってからトトロを見ることは出来ませんが、永遠に猫バスの風を感じることは出来るのです。

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やさしさに満ちた世界

1988年に公開されたジブリ作品。昭和30年代日本を舞台にした、トトロと、姉妹であるサツキとメイのファンタジックな物語。この作品の見どころはたくさんあるが、特に優れているのが、子どもたちの描写だ。サツキの生き生きとした動き、メイの幼い歩き方(階段を片足ずつ上るところが、かわいい)、細かいところまでこだわって制作されていることがわかる。新しい家に越してきたシーンでのドタバタぶりも、楽しく、またかわいらしい。廊下を走り、家中を探検。子どものわくわくした心情がよく表現されているといえる。そして、明るくかわいい子ども…で終わらないところがリアルであり、また説得力があり、物語を深くしている。入院中の母親を想う二人の不安感、恐怖感は、セリフがないシーンでもとても伝わってくる。宮崎監督の天才的センス、感性を感じずにはいられない。そんな不安を抱えている二人を助けてくれる存在も忘れてはいけない。サツキの同...この感想を読む

4.54.5
  • ayaaya
  • 119view
  • 552文字

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