子ブタのPちゃんが教えてくれたこと - ブタがいた教室の感想

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ブタがいた教室

4.754.75
映像
4.50
脚本
4.75
キャスト
4.50
音楽
4.50
演出
5.00
感想数
2
観た人
2

子ブタのPちゃんが教えてくれたこと

4.54.5
映像
4.0
脚本
5.0
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
5.0

目次

生き物の命について考えさせられたストーリー、実話が元になっていた

ある小学校での出来事を描いています。実際にあった話だと聞いていたので、どんなものかとドキドキしながらこの作品を見ましたが、見終えた後は、心が非常に重たい気分になりました。これで良かったのだろうか、もっと他に方法があったのではないかとも思いました。この授業を行った学校、担任の先生、クラスの子供たち、みんなが本気で考えさせてくれた事に感謝しました。食べる事の意味、食べ物の有り難さ、生き物の命、食べるための命、ペットとしての命、担任の先生には難しい問題を題材とした教育をしてくれたと思います。もし自分がそのクラスにいたら私はブタとどのように接していけばいいのか分かりません。悩み続けてどんな結論を出すか、本当に難しい問題です。担任の星は、ある日子ブタを学校に連れてきて、クラスで育てようとびっくりするような提案しました。その提案に反対賛成がある中で、クラスで飼育することになります。小学生がブタを育てることは、難しいことだと思います。餌を与えるだけではなく、下の世話もしないといけないわけです。彼らは、ブタの家も作りました。世話をしていく中で愛を育んで行ったのでした。ごく普通の1匹のブタが、このクラスにやって来てから、すくすく育ちその後どうするかを考えるというストーリーの中には、深く難しい問題が隠されているのです。

子ブタが成長するまで全ての世話をした子供たちが出した結果、星先生の授業の意味

いつからか、ブタはPちゃんと名付けられました。家を作り、餌を与え、下の世話、名前を考えてまるでペットのような存在になっていったブタはクラスの人気者になりました。彼らが6年生になったらこのPちゃんを食べるという星の言葉などすっかり頭にないかのように毎日毎日必死になって世話をしていました。生き物を育てることは、難しい事ですが、様々な困難をクラス全員で切り抜けていく姿に強い団結力が現れたようでした。いつしか、彼らはPちゃんを自分たちの兄弟のような感覚で接していたのだと思います。だからPちゃんが、成長していくことが嬉しかったし、楽しかったでしょう。素敵な思い出になったにちがいありません。

Pちゃんは、元気に逞しく成長していました。成長したということは、ついに食用豚として考えなければいけない時期という意味でした。星先生は、クラスのみんなに問いかけました。そのシーンを見ていたら、胸が苦しくなりました。人は、食べないと生きてはいけません。それは日頃当たり前のように感じますが、一回一回の食事には生き物の命が失われているということだと、改めて確信しました。どうしても避けても避けられない問題です。生き物を食べなければ私たちは死んでしまうからです。星先生が連れてきた子ブタが成長した時、みんなで一緒に考えなければいけない大きな壁にぶつかることは、誰もが承知のうえでした。しかし、実際考えると、結論などすぐに出てくるはずがなかったのです。星先生は最初からそのことは分かっていたでしょう。だからこそ子ブタを連れてきて、ブタが成長したらクラスのみんなで、”食べること”、”命のこと”について真剣に一人一人が心から考えて欲しかったのでしょう。

星先生の授業には、命の大切さと、私たちは生きるために動物の命を頂くという事を改めて教えてくれました

子ブタを育てるという星先生の授業は、現実味があり過ぎて小学生の子供たちで考えられるのかと正直私は思いましたが、誰も投げ出さずにら真剣な表情を浮かべていました。子供が真剣に命について考える姿はとても逞しく見えました。これからの将来を任される子供たちはそれぞれ頭の中にある知識や考え、気持ちを絞りだして一生懸命話合っていたと感じました。星先生が行った行動が子供たちの考える力を強くしてくれたと思いましたし、Pちゃんと共に彼らは成長したと思いました。一緒に、命について考えた星先生までもが、食べ物の有り難さや命の大切さを教えられているようにも見えました。大人と子供が、一匹のブタPちゃんによって成長させられたと感じました。またこの作品をみた結果私自身も食事できることの有り難さや、命の尊さを勉強することが出来ました。これだけ、感謝した作品は滅多にないと思います。

生きている人、全員の永遠のテーマであり、消えることのないPちゃんとの思い出は一生彼らの心にあり消えないでしょう。私達がごく普通に毎日食事をとることは、どれだけの命が失われているかをわすれてはいけません。Pちゃんが命をかけて教えてくれた命の尊さ、食べるという行為をもっと大事にしていかなければならないのではと考えさせられました。無駄に食事を残したりしてはいけない、自分が食べ切れるぶんだけをお皿にとる、この様な少しのところから意識して生活をしていこうと思いました。Pちゃんが命と引き替えに教えてくれた事を私達は絶対に忘れてはいけないのです。

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