スーパーマリオくん～沢田ユキオ～ - スーパーマリオくんの感想

任天堂が誇るスーパーマリオシリーズの世界を舞台にしたギャグ漫画となります。

スーパーマリオといえば老若男女楽しめるポップな世界観を持ち、今や日本だけでなく世界のゲームファンから熱狂的な支持を受けているゲームです。

本作でのマリオは皆が憧れるスーパーヒーローという側面を持ちつつ、随所でボケやギャグをかまして周囲を笑わせたりあきれさせたりする立ち位置となっています。スーパーファミコン発売のスーパーマリオワールドから始まり、その後はゲームボーイ、ニンテンドウ64、ゲームキューブ等マリオが関わるゲームのストーリーを元に物語が進められているため、懐かしさを感じる読者も多いでしょう。

マリオだけでなく仲間であるルイージやヨッシー、ライバルのクッパやワリオも同じような視点で描かれており、主人公サイドだけでなく悪役サイドも一緒になって読者を笑わせ、楽しませるという内容となっています。同時に、共通の敵が現れた時は立場を超えてマリオとクッパ(ワリオ等も)が協力して立ち向かうという設定もあり、普段は対立していても困ったときには助け合おうするキャラクターとして描かれています。

スーパーマリオの世界では敵をやっつけるということはあっても、相手の命まで奪うことはありません。登場人物の死というものは、漫画や小説の世界ではストーリーを大きく盛り上げ、読者側の楽しみを掻き立てるものですが、本作は登場人物を誰一人死なせることなく楽しく、懐かしみのあるマリオワールドの世界観を描き出しているといえるでしょう。