さむらいが教える、生きている喜びと善悪の違い - ぜんまいざむらいの感想

何故ぜんまいのついた侍が主人公なのかということ

ぜんまいざむらいとは、ある日死んでしまったさむらいが神様から再び命をもらうために、頭にぜんまいを付けて、108回の良いことをしたらぜんまいが108回、回されて再び命をもらえるというアニメならではのストーリーであります。ぜんまいざむらいは、初めは自分の命のために必死で良い事をしますが、段々自然と困っている人を自然と助けるために日々を送っていきます。人間の心の中には善悪が存在します。良いことをする時はためらいなどありませんが、悪いことをしようとする時はためらい、迷いがでてきます。その時に、気持ちをひっくり返して悪いことをしようとする心を消す手助けをぜんまいざむらいはしていくのです。神様から貰った団子の形をした刀で人々を救いますが、刀を団子に見立てた所は面白いし、子供たちも刀を怖いイメージとしてみることがなくなるため安心して見せられます。江戸時代、忍者、侍などと刀や戦いをテーマにしたアニメかなと思いました。実際は刀はカラフルな団子だったり、戦うシーンなどなく、悪い事をしている相手をぜんまいざむらいが必笑団子けんで心を綺麗にして笑わせてくれるという何とも教育性のある素敵なアニメです。これでしたら、男女問わず小さな子供から見ることが出来ます。私の子供たちは笑いながら夢中で見ていました。

個性的なキャラクターが教えてくれる良い事と悪い事

キャラクターの特徴がかなりあります。ずきんちゃんは、ぜんまいざむらいが恋をする相手で、いつも頭に頭巾をかぶっています。頭巾を外してみたらアフロヘアでとてもビックリしました。つい笑ってしまいました。お団子屋さんのお婆さんは本当に可愛いです。おばばの悩殺ポーズというものがありますが、本気で笑わせてくれます。なめざえもんは、裕福な身分でお金や物を無駄にしてはぜんまいざむらいに救われ良い心へと変わっていきます。なめざえもんは、おそらく子供たちに無駄遣いをしてはいけない事、物を大事にする事を教育するために作られたキャラクターだと思います。なめざえもんは、わがままで、自分勝手なところがあります。順番を守れないで横入りしてしまいますが、ぜんまいざむらいが悪い事だと指摘します。喧嘩はいけない事ということも教えてくれるので、まるで幼稚園の先生のような印象を受けました。楽しくて笑えるストーリーの中に、これから幼稚園などへ通う幼い子供のために、分かりやすく、良い事と悪い事を見分ける力を育むためにかかれたアニメとも言えるでしょう。まるで、幼稚園児が使う教科書のようなアニメです。

幼い子供たちへの愛のあるメッセージ。。。短い曲に秘められた思いとは

ぜんまいざむらいの主題歌が私は印象的でした。特に歌詞が大好きです。放送されていたものはとても短い曲ですが、その中には命の大切さや生きていくことの意味を簡単に分かりやすく書かれています。ぜんまいが回る限り、自分の人生を楽しんで生きよう、今日の日が終わっても必ず明日がやってくるということは生きている証で、とても素晴らしい事なのです、今日も1日頑張ろう、というような解釈ができます。素晴らしい歌詞です。子供からしてみたら何とも思わないかもしれませんが、いつか気付くかもしれません。この曲が伝えたいメッセージは、今を生きていることが何よりも幸せであるということです。本当に幼児のための教科書のようです。辛い事があっても前向きに生きて、今日が終わっても明日が必ずくるのだから、泣いていないで笑って笑顔で自分の人生を思いっきり楽しもうと言われたような気持ちになりました。私は前向きな気持ちになれました。子供たちへ向けた曲として考えるとこの曲の意味を理解出来るのはまだまだ先かもしれません。それでも良いと思います。楽しそうに笑うキャラクターたちをみて子供たちがにこにこしてくれたら、作者の方も嬉しいはずです。私は自分の子供たちがこの作品を見て楽しそうにしてくれたら嬉しいです。ぜんまいざむらいが持っている必笑だんごけんが欲しくなった子供は、世の中に喧嘩や争いがなくなるからといいました。この言葉だけで、十分だと感じました。実際に以前マクドナルドのハッピーセットで、ぜんまいざむらいのおもちゃが付いてくる事がありました。子供はおお喜びでした。歌をうたいながら、だんごけんを振りかざしていました。NHKの教育テレビで毎朝放送されていた”ぜんまいざむらい”は、確実に子供たちの視線を掴み、子供たちの生きる力へとなりました。私も子供の隣で一緒に見ていましたが、子供たちの楽しそうな笑顔が印象的で、ぜんまいざむらいの凄さに魅了しました。本当なら死んでしまったのに生き返るために良いことを沢山させるという神様の言葉も素敵だなと思いました。ぜんまいざむらいも、また生きたいと強く思っていること、諦めないで挑戦することを彼に教えられたような気持ちになりました。こんなストーリーを考えた作者を心から尊敬します。