しっかり者の攻めとおっちょこちょいな受け
気楽に楽しく読みたい、且つキュンキュンしたい!という時にもってこいの作品です。
ストーリー重視しています!とガチガチにスートーリーにこだわった作品ではないんですが、ほほえましく楽しく読める点がいいですね。シリーズものはやはりまんねりしがちですが、こちらの作品はキャラクターの強弱が非常にわかりやすいです。はじめはおっちょこちょいでしかなかった尾上がだんだん成長していっている様子が伝わってきます。前半はどうみてもカブの方が仕事ができ、落ち着いていて尾上がそれに必死にくらいついていっている様でしたが、気がつけば頼りになる相方に変化していっています。これが読んでいて違和感ないので、そういった点のあらわし方が非常に上手いと思いました。
何事も器用にこなしてしまうカブがどうして不器用な尾上にほれてしまうんだろう。
尾上はガムシャラでどちらかというとカブが苦手に思う人柄ですよね。筆者も読みながら、尾上めんどくさいと思ってしまいましたもん(笑)はじめは不思議に思っていました。ですが読み進めていくと「なるほど」と。尾上の魅力にいやでも気づいてしまいました。彼は簡単に言ってしまえば「裏表がいっさいない正直者」なんですね。器用に物事を進めていくカブとは正反対なんです。カブは尾上にだけは嘘をついたことがない、と作中でいっていました。間違いなくその理由は尾上がカブに対していつでも正直だからです。ガムシャラなのは誰よりも一生懸命だから。コンビだからこそカブはいつしか尾上の魅力に気づいてしまい恋してしまったんでしょうね。
普段クールな彼が尾上を見つめるときの顔が熱っぽくて思わずドキドキしてしまいます。カブにこんな顔をさせる尾上は本当に罪な男です(笑)シリーズを読みすすめていくとはじめは面倒くさいと思っていた尾上もかわいらしく思えてくるんです。酔っ払って暴れているシーンさえもかわいく見えてしまいます。二人の馬鹿っぽい言い合いも、夏目先生の絵がかわいいのできゅんきゅんしてしまいますね。個人的に夏目先生のキャラクター絵がかなり好きです。クセもないので苦手な方は少ないんではないかと思います。
そして筆者が好きな話なんですが、二人の恋を邪魔する笠井くんが出てくるところがたまりません。典型的な嫌がらせで二人の仲を邪魔してきます。ここで夏目先生の書き方が上手いな~と思った点があります。はじめは尾上をライバル視してカブに懐く笠井ですが、最後には逆転してカブが焼もちをやいてしまいます。ここのシーンはどきどきして面白かったです。一緒にいると尾上の魅力に気づいてしまうんでしょうね。読者がどうやったらキュンキュンするのかわかっている先生です。
二人の日常はこんな感じでゆるりと進んでいきますが、ついつい先が気になってしまうのは物語が面白いからでしょうね。
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