(陰からこっそり)いつまでも見ていたい二人! - 飴色パラドックスの感想

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飴色パラドックス

4.754.75
画力
4.75
ストーリー
4.63
キャラクター
5.00
設定
4.50
演出
4.63
感想数
4
読んだ人
5

(陰からこっそり)いつまでも見ていたい二人!

4.54.5
画力
5.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
4.0

目次

出会ったことが大正解の二人

夏目イサク作品にハズレはないと思っている読者ですが、そのなかでもこの作品は、個人的に大当たりでした。何度読み返しても、ドキッとして、キュンとして、元気がもらえます。

正義感が強くて熱血で、でもちょっと不器用な尾上と、世の中に対して覚めていて、他人との間に壁を作って要領よく生きている蕪木。仕事でコンビを組むことがなければ、お互いに嫌悪感か無関心しか抱かないまま終わっていたかもしれませんが、仕事で無理矢理コンビを組まされたことで、お互いの抱えている生きにくさや孤独を理解しあうだけでなく、全部をプラスに変えてしまうパワフルなチームになってしまいます。その経緯が、なんともいえず気持ちがよいのです。

それは恋でなくてもよかったのかもしれないけれど

反発し合いながらも、スクープのために二人っきりで過酷な張り込みをして、時にはヤクザがらみの危険の状況にも追い込まれ、次第に信頼の絆が生まれて……

同性同士なのだから、そこで「親友」になってもよかつたのに、「恋」が生まれてしまう経緯が、このお話では、絶妙に自然に、なおかつ、おいしく描かれていると思います。

自分の恋心に気づいてしまって盛大におののき、猛烈に挙動不審となる尾上。その尾上の様子をみていて、色恋沙汰に長けている蕪木は、すぐに恋の相手が自分だと察知するのですが、尾上のあまりの純情さに感染したかのように、自分も恋の落とし穴にすっぽりハマってしまいます。

人をだますような汚れ仕事も割り切ってこなす蕪木ですが、もともと尾上以上にピュアで繊細なタイプ。だからこそ、他人との間に分厚い壁をつくって踏み込ませないようにしていたのでしょうけれど、尾上はその壁を簡単に飛び越えて、蕪木の本来の情の深さやのびやかさを、一気に復活させてしまいます。見ていて気持ちの明るくなるような、関係の変化です。

仕事の上では、尾上にとっての蕪木は、ピンチを救ってくれるウルトラマンか救世主かという存在ですが、メンタルな面では、尾上のほうが蕪木にとっては、白馬の王子様的存在だとも言えるでしょう。これはもう、友愛にとどまらず恋愛に突入しても仕方がないというか、そのほうが自然といってもいい関係だろうと思います。だって、ほかの人間か割り込める余地が、もうどこにもないのですから。

脇役がみんな楽しい

この作品、脇役が、それぞれ背後にドラマを背負っている感じで、存在感がくっきりしているのも魅力だと思います。

一番好きなのは、二人の行きつけの居酒屋をやっている、まさやん。彼は尾上の感情が「恋」であることを最初に見抜いた人物であり、なりゆきで、別に知りたくもない二人の恋の成長過程や痴話喧嘩の果てまで、見届ける役割を担ってしまう、気の毒な存在でもあります。まさやんの行く末に幸あれと祈っている読者は、たぶん多いはず。彼の物語も知りたいですが、まさやんには、「彼氏」てはなく「彼女」がいたほうが自然かもしれません(続巻で出てくる、蕪木の妹とか、どうかなと思うのですが、それはないのかな…)

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しっかり者の攻めとおっちょこちょいな受け

気楽に楽しく読みたい、且つキュンキュンしたい!という時にもってこいの作品です。ストーリー重視しています!とガチガチにスートーリーにこだわった作品ではないんですが、ほほえましく楽しく読める点がいいですね。シリーズものはやはりまんねりしがちですが、こちらの作品はキャラクターの強弱が非常にわかりやすいです。はじめはおっちょこちょいでしかなかった尾上がだんだん成長していっている様子が伝わってきます。前半はどうみてもカブの方が仕事ができ、落ち着いていて尾上がそれに必死にくらいついていっている様でしたが、気がつけば頼りになる相方に変化していっています。これが読んでいて違和感ないので、そういった点のあらわし方が非常に上手いと思いました。何事も器用にこなしてしまうカブがどうして不器用な尾上にほれてしまうんだろう。尾上はガムシャラでどちらかというとカブが苦手に思う人柄ですよね。筆者も読みながら、尾上めん...この感想を読む

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ライターの尾上とカメラマンの蕪木。女性にいい顔をし、編集部でも信頼され、さらに彼女を奪った(と思い込む尾上)蕪木を、尾上は嫌っています。しかし、ある日2人がコンビを組むことに!?明るい性格の尾上は、嘘がわかりやすい、いじられたら過剰に反応するなど子供のような面が目立ちます。そのことを始め、蕪木は疎ましく思っていました。しかし、本当の尾上は強い人。週刊誌のライターとして働く尾上は、社会の汚い面を見ても折れず立ち向かい、変わらないままでいる強い人でした。対照的に、汚い社会を暴きながら傷つき、暴くことを反省し続けていた蕪木。対照的で全く違う価値観の2人が惹かれ合い、愛し合う姿には心からドキドキしました。価値観の違いは夫婦間で離婚の要因になるものだといいます。しかし、正反対な2人でもお互いを認め、たまには激しくぶつかりながら、その絆をより深いものにしていきます。BL分野の作品ですが、多くの人に受け入...この感想を読む

5.05.0
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ケンカップルに亀裂が…?!

毎日一応ラブラブ?な二人ですが相変わらず喧嘩は絶えません。ある日道端で蕪木の妹と遭遇するが、蕪木本人は逃走。意気投合した尾上と妹は蕪木をぎゃふんと言わせてやろうと計画を立てますが、空振りに終わってしまいます。それでも蕪木と妹の仲をなんとか取り持とうと尾上は必死になってて、振り回されてきた蕪木がちょっとだけ不憫にも思えました(笑)尾上が蕪木と離れて結構ギリギリの危ない仕事をやり始めるのですが、それが蕪木は気に入らないようでしばらく避けられてしまう尾上。尾上は尾上なりに蕪木の負担を減らそうと始めたのですが、逆効果だったみたいで幼馴染にまた愚痴りにいきます。迎えに来た蕪木に自分がなぜ今の仕事をやったのか、など本音をさらけだしてしまうと蕪木も同じ気持ちだったみたいで晴れて仲直り?しました。喧嘩の内容も気付けばお互いを想っての内容だったりなので、可愛らしいケンカップルです。仕事が仕事なのにスレてい...この感想を読む

5.05.0
  • 飛鳥飛鳥
  • 119view
  • 426文字

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