本当の母親の深い愛情を子供は受け止めて生きる。
母性をテーマに虐待について考えてみます。
この作品は”母性”をテーマにした作品だと思います。母親というものは、こうであるべきだという世間の勝手な考えを私は少しでも減らしたいと考えます。母親がもつ感情、子供への深い愛情をどんな風に表現すれば良いのか考えさせられました。主人公演じたのは、松雪泰子さんです。彼女の魅力は透き通るような目の中に隠された優しさです。作品の中で、彼女はあまり社交的ではなく、子供もあまりすきではないようでした。なるべくなら、世間から離れて暮らし自分の世界を持っているような女性です。そんな彼女が、芦田愛菜ちゃんが演じた6歳の虐待を受けている女の子を助け、守ろうとします。守ろうとした彼女がとった行動は勇気ある行動でした。女の子は死んだ事にして、誘拐してしまいます。誘拐と言っても少し違います。女性は女の子がもうこれ以上、母親から虐待を受けないようにするために、必死で連れ出し、逃げて行きました。助けなきゃという思いこそが、彼女の母性だったのでしょう。子供が苦手で出来れば周りの人と関わりたくないという性格の女性がこのような行動にでたことは、すごい事だと思います。女の子も拒絶することなく、ついていきます。子供は親を選べません。生まれた時から母親は決まっていて、その家庭で生活していかないといけません。逆に、子供は親を選んで生まれてくるとも言われます。例えばそうだとするならば、自分を母として選んでくれたことに感謝するべくです。なぜ、虐待という悲しい事が起きてしまうのでしょうか。実の母親です。その母親から虐待を受けたら、子供は生まれてきてはいけなかったと悲しく絶望的な言葉を口にするでしょう。生まれてこなければ良かったと思ってしまうでしょう。自分を母親として選んで生まれてきてくれたなら、私なら深い愛情を持って接し、いつまでも優しく見守り続けます。決して綺麗ごとを言っているわけではなく、母親である誰もがそう感じるはずです。しかし、時々間違え違う方向へ進んでしまう母親もいます。自分の中のイライラを弱い小さな子供に向けてしまうのです。それが酷くなってくると殴ったり蹴ったり、食事を与えないという行動を起こすのです。私には全く信じられません。
この作品の中では若い母親が女の子を虐待していましたが、ひどく悲しい気持ちになりました。あなたを選んであなたとなら幸せになれると思って生まれてきた小さな命を傷つけて心を踏み潰したりするのでしょう。女の子は、極寒の中薄着でゴミ袋に入れられて、ゴミ捨て場に置き去りにされます。信じられません。この母親に母性など少しもないのでしょうか。本当に悲しいです。
現代の若い母親の存在
私が1つ疑問に思うことがあります。それは、何故毎回ドラマなどの作品では虐待をする母親が若い母親という設定が多いのでしょうか。この事は、若い母親への偏見ではないでしょうか。私がみた作品の中では若い母親が虐待をしているという内容が多いです。実際に世の中で起きている虐待の事件は若い夫婦の存在が目立ちます。ただでさえこのように偏見を受けやすい若い世代の夫婦には、大変迷惑に感じる事があります。
私は結婚したのはどちらかというと早い方です。21歳で出産、結婚しています。だからこそ言えるのかもしれませんが、とても世間の目は冷たいものがありました。家族は理解してくれていたので、とても協力でした。ただ、世間から見れば若いお母さんというと、嫌な目で見られたりすることも多々あり、私は3人子供がいるので、3人を連れて歩いていると、不思議な目で見られることが多かったです。若い母親全員が虐待するような人ではないと分かって欲しいし、若いからといってちゃんと子育てしているのかしらと言われると、本当に悲しくなります。ドラマとかで、何故若い母親を虐待と結びつけるのか分かりませんが、少なくとも私の様な立場の人からしたら迷惑です。もう少し他の年代に設定して頂きたいと思う事があります。
罪に問われるのか、問われないのか、、、。子供自身が本当の母親を決めればいい。
母性を感じられるような行動をとり、女の子を連れ出した事は、彼女は後悔していませんでした。罪であると分かっていても、女の子があの母親と一緒では殺されてしまうと、とっさで判断したのです。先の事など考えません。ただ女の子を助けないとという一心で行動にでたのでしょう。
これでも、彼女は罪になってしまうのでしょうか。誘拐の罪になるのでしょうか。女の子の命を救ったのです。しかし、世の中からしたら勝手によその子供を連れてきてしまうと、誘拐となってしまうのでしょう。難しいところですが、どんな理由があったとしてもきっと彼女は罪に問われることになります。そのため、手放すのです。必ず迎えに行くと言い残して。女の子も、今となっては彼女を母親と思います。愛情を沢山そそいでもらったからです。生みの母親にはもらえなかった愛情を、彼女から沢山貰いました。女の子にとっての母親は、彼女しかいないでしょう。ただ女の子を生んだ母親、深い愛情で育ててくれた母親、どちらも間違いなく母親ですが、どちらの母親についていくか、どちらの母親と未来を築いていくか、それは、子供自身が決めればいいのです。その子供の意見こそが、母親をきめるのです。
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