大きな仕掛けに気がつかなければ名作 - ハサミ男の感想

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ハサミ男

4.004.00
映像
3.75
脚本
4.00
キャスト
3.75
音楽
3.25
演出
4.00
感想数
2
観た人
2

大きな仕掛けに気がつかなければ名作

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
3.5
音楽
3.0
演出
4.5

この映画はオープニングから大きな伏線がはっており、その伏線の回収がラスト10分で全て行われます。物語の中、随所で張り巡らせる仕掛けに気がつかずラストに謎が解明された時、もう一度初めから物語を楽しみたくなる映画となっています。

その大胆すぎる伏線を見事演じているのが、豊川悦司。彼の台詞一つ一つに意味があり、何気ない仕草にまで演じているのは素晴らしいと思います。また、若きころの麻生久美子の影のある美しさも、引き込まれるかと思います。

残念なのは被害者にあたる女子高生達の演技が、主演二人の演技と比べ稚拙で冷めてしまう所が数箇所あり、残念に思えます。

作品を通じて感じられるテーマとして、人間の心の不可解さ、殺人に至るまでの意味の希薄さや、虚無感などが感じられ連続殺人という凶悪な犯罪の中に、罪悪感では無い心の病を抱えた者の葛藤などが表現されていると思います。

私は激しいアクションシーンなどは、ほとんどありませんが自傷行為を繰り返す麻生久美子のそばで、卓越した位置から眺めている豊川悦司の演技に魅せられました。

現実でも我々には理解できないような残忍な事件等も起こっていますが、快楽的や衝動的に殺人を起すものだけではなく、この映画の主人公たちのように自分自身すらも理解できない位置からの犯罪行為もあるのかと思うと、怖く感じます

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他のレビュアーの感想・評価

ハサミ女の犯罪時の複雑な気持ち。

実は二重人格者による殺人であったということ。二重人格の人を実際に目にしたことはありません。どのような状況で何が理由で人格が重なり合ってしまうのか、実際のところ詳しくはありません。この作品の中に出てきた二重人格の女性は、個人的にどこか悲しげな印象を受けたのか最初でした。話が進むにつれて、やはりこの女性はなにかあると確信したのが、何度も自殺を試みるシーンをみた時でした。そこにいたもう1人の男性は彼女が自殺をしようとするのをただ見ているだけです。優しい言葉をかける訳もなくただただソファーに座り、そんなやり方では死ねないよ、と言います。普通なら助けたりもっと違う言葉をかけるのが普通です。私はこの時、違和感を感じて見ていました。なんだか男性は自分に言っているかのように見えました。この男性ももしかしたら自殺したいのか、その自殺方法を既に試したことがあるのじゃないかと思いました。二重人格でも、周りから...この感想を読む

4.04.0
  • りかりか
  • 134view
  • 2047文字
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