内気な少女の一人遊びミステリー - デリカテッセンの感想

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内気な少女の一人遊びミステリー

4.04.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
5.0
演出
5.0

おしゃれでスーピーディーなオープニングに引き込まれる。登場人物の好きなものと嫌いなものの紹介から始まり、ごく平凡な日常生活の中から、摩訶不思議なものやおかしなものを探しながら町を分析して歩く少女アメリ。ヒステリックな母親が事故死し、医者である父親は父に触れられ緊張するアメリを診察し体が弱いと診断を下す。一番身近な社会である家族の中でさえ違和感を感じて馴染めない幼少期を過ごし成長したアメリは大人になっても空想がちで一人遊びのレベルが上がる。そんなアメリの趣味は証明写真の収集。駅や町の中になる証明写真機に落ちている写真を集めて歩くのだが、何度も頻繁に見かける男がいた。もしかしたら殺人鬼かもしれないと疑いの目を向けながら、水面下で戦うヒーロー”ゾロ”と自らを仮定し男の後を追うと、物語の終盤では証明写真を修理するエンジニアであることが判明する。人殺しではなかったことにがっかりする様子がキュートで面白い。アメリは不公平な人間関係や孤独に敏感で、他人の心の中に痞えているしこりを小さな悪戯とも言える作用で取り除く正義の味方を気取る。一歩も外に出ない隣人の画家、大昔に生き別れた恋人を待ち続ける大家さん、神経過敏なカフェの同僚など、自分を取り巻く人物から幸せにしていくミッションを追行する。証明写真の男を追っている途中で出会った男性に恋をする。内気な男性と消極的なアメリの結ばれ方がじれったくロマンティックである。

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