異色のコンビネーション - 任侠ヘルパーの感想

任侠とヘルパーという結びつかない組み合わせをすることで、介護問題に関心を誘った作品。

草彅剛をはじめとする任侠達が、突然慣れない介護を始め、壁にぶつかりながら人として成長していく。

草彅剛演じる彦一は、最初、振り込め詐欺で生計を立てる、いわゆるチンピラ。

組の大幹部に命令され、次期幹部の座をかけて、数人の同じ任侠達とともに嫌々ながら老人施設に働き始める。

体の不自由なお年寄りに苛立ちながらも、お年寄りと時間をともにするうちに介護の仕事を理解していく。

一緒に介護を始める組員りこには黒木メイサ。

男気ある任侠ながら次第に老人たちへの思いやりを見せ、女性らしい優しさが見えるようになる。

そんな、りこの心を動かす新人の一生懸命な介護ヘルパー晴菜は仲里依紗が好演。

任侠役として出演した草彅剛、五十嵐隼人、薮宏太の中で、皆が口を揃えて「一番男らしい」と答えたのは

なんと黒木メイサ。

それほどに役に入り込み迫力ある演技をみせた黒木メイサにとって、

今作は新境地を開いた作品かもしれません。

老人虐待など介護をめぐる様々な社会問題を描き、

近い未来に皆が介護問題について考えなければいけないことを、

任侠とヘルパーと異色な組み合わせで視聴者に発信しているところには、

脚本家の先見の目を感じます。