絶対もう一度見たくなる - ユージュアル・サスペクツの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

絶対もう一度見たくなる

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
4.5

目次

「どんでん返し」な映画

それは見た後になんとも言えない快感を呼ぶと思う。

そして見終わった後、すごく人に話したくなる。

気づいたか、気づいたらどこで、なんでそう思ったのかと議論したくなる。

見た人が周りにいないとめちゃめちゃ薦める。

これまで「スティング」や「レザボア・ドックス」、「シックスセンス」を見てきたが「ユージュアルサスペクツ」は何故か見たことが無かった。

以下、余談ですが

「スティング」は明るくて爽快で、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードがとりあえずかっこいい。

ポール・ニューマンの青い目とか、ロバート・レッドフォードのストライプのジャケットに帽子あわせてるのとかがどことなく可愛くて素敵です。オープニングもレトロでなんだかおしゃれ。

これはなるほどな感はそんなに無いですが見終わった後もさわやかです。

レモンの香り的どんでん返し

「レザボア・ドックス」はストーリー関係ないですが耳を切るシーンがめっちゃ痛そう。

痛そうっていうレベルじゃないけど。ここが印象的過ぎて正直最後誰が生き残ったのとか、

忘れてました!

これで監督・脚本・出演しているタランティーノはやっぱりすごいです。

当時28歳とか。マスオさんと同じですよ。

なおウィキペディアによると低予算の為、役者さん達は私服らしいです。

 結構グロテスク系どんでん返し

「シックス・センス」は映画館に行ってブルース・ウィルスと約束したのに私、すぐ家族にネタばれしました。仕方ないじゃないか子供だったのさ。

坊やだからさ。(急にシャア)

さて「ユージュアル・サスペクツ」

見る前からどんでん返しと知っているので「さて、どこでだまされるか」とわくわくしていた。

まあ完全にだまされていくわけですが。

「お前だったのか。」「私だ。」

物語は回想から始まり、1人の人物の話で進んでいく。

見ていると「カイザー・ソゼ」なる謎の人物が主人公の話の中で出てくる。

過去のエピソードから非常に冷酷非道な印象を受ける。

そして追いつめられていく登場人物たち。

最後の最後に「カイザー・ソゼ」が誰なのか分かるのだが分かったところでもう遅い。

と思ったのだが警察には顔がばれているので正直逮捕されるのは時間の問題な気もする。

まあ、カイザー・ソゼなら整形でもしてまた一市民として紛れることも可能か。

 

この作品でヴァーバル・キントを演じたケヴィン・スペイシーがアカデミー賞助演男優賞を受賞しているのもうなづける。

終盤の歩き方とか見事です。足をひきずっていたのがどんどんと変化していく。

でもこれ「助演」なんですね。あくまでも「主演」はキートンということか。

 

最後まで見るとオープニングの映像の意味が分かる。

最初は暗いなー波か。ぐらいにしか思っていませんでした。すみません。

 

あと取調室に入ってからの目線の意味も。

ここで負け惜しみみたいだが、私はやけに見ているからここから話を作ったりして。いやでもヴァーバルが犯人じゃないしな!と思いこんでしまっていた。

この辺、もう作った側の思惑に完全にはまっている。

 

彼が「詐欺師」だという事を忘れないことがだまされない秘訣なのかもしれない。

最初の印象がおどおどしているし、キートンが出張るし、他の登場人物もなんやかんやで濃いから正直忘れるけど。

私はすぐに忘れました。

ちなみに他の登場人物の名前もすぐに忘れた・・・鳥頭か。

顔は分かるけど。(映画を見るにあたって最低ライン)

個人的にクイヤン捜査官がヴァーバル・キントの嘘に気付いて(全部取り調べ室に貼ってあった言葉とヴァーバルの話に出てくるのが同じ)、カップが割れるシーン。

ソゼの右腕である「コバヤシ」の名前がカップの底に・・・

このシーンが個人的には一番好きだ。

「あー!」みたいな。古いけど「アハ体験」みたいな感じ。

もう一つ好きなのは港でキートンが射殺される時に縄目の合間が意味ありげに写されるシーン。

冒頭で「あーここから見てるんだな。」とか悠長に思っていたのだが、最後まで見るとはここから見ている人物なんて「いない」事が分かる。

実際、人なんて写らない。誰もいないから。

 

しかし語っている主人公が犯人というのはある意味禁じ手のような気もする。

この手口が多く発生すると誰を信じていいのか分からなくなるし、今明かされている話が本当なのかという事を考えたりもする。

そうなるとどの話が本当でどれが嘘なのか分からなくなる。

キートンの彼女は多分死んでいるんだろうけどそれも何だかよく分からないし。

 いつ死んだのかも不明。

「どんでん返し」作品にありがちだが、私も最後まで見た後、また最初に戻ってもう一回見てしまった。

そうすると、色んな事に気づきヴァーバルすごいじゃん!となる。

まあこんなに軽くは無いですが。

すごい。

価値のある100分

面白い映画を見るととても有意義に過ごした気になる。

そして面白くない映画を見るとその時間を無駄にした自分にたいして腹立たしい。

言わずもがなユージュアルサスペクツは前者。

テレビとかでももっとこういうちょっと昔だけど良い映画をやってほしい。

最新作とかアニメとか超ヒット作品ももちろん大好きですが、こういう多くの人に知ってほしい映画って沢山あると思います。最初に出した3つとか。

 とりあえず「ユージュアルサスペクツ」見た人がいないか、今から探しに行ってきます。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

狼少年 他人の思考を読んで思考を変化させる 

ブライアン・シンガー監督これはアメリカの犯罪版、口裂け女の話。犯罪にタブーは無い、犯罪者は何でもやる、犯罪を取り締まるほうはタブーがある。ゆえに腕を後ろ手に縛られてるハンディキャップをつけて、ボクシングで同じリングに上がるようなものだ。密輸船でコカインの取引場面で何者かが襲撃、船は爆破し、残ったのはキント(ケヴィン・スペイシー)。彼から取調べを行うと言う話。事件の裏には全ての人が恐がる大物ギャング、ソゼの存在が浮かび上がる。これはお話を作ることが素晴らしく上手い病か、天才的な詐欺の話だろうと思う。嘘をつけるというのはある種の才能で、何度かしゃべると大概は尻尾がでちゃう。上手い嘘と言うのは、何度繰り返しても同じデーターが出てくるようにしなければいけない。一番良いのが相手に答えを選択させることだ、そしてニュアンスだけを少し変える。語彙が多いとこの類のゲームが有利に進む。この感想を読む

4.54.5
  • 81view
  • 388文字

物語に組み込まれた大きな仕掛け

船上での麻薬取引に関係して大量の殺人と炎上事件が発生し、その生き残りの容疑者が警察に取り調べられる。彼が語る内容は通常の犯罪事件と違う異常なものであった。過去の武器強奪事件に絡んで集められた容疑者たちが謎のギャングの黒幕に雇われてとある事件に関わるが、それが現場で二転三転し、思いもよらぬ抗争を生む。急激に予想もつかない展開を見せるストーリーは、姿を見せない謎の大物ギャングの手の上で操られているようなことが、その片腕である弁護士の語る話によって推測されていく。最後の事件に絡んで仲間は次々に殺されていき、わけのわからないまま、ストーリーは進展し、最終的に驚愕の結末を迎える。これはミステリー小説などによく見られる技法をつかったものですが、込み入ったストーリーを上手にまとめあげ、上手くオチがつけてあります。ミステリ映画が好みの方なら、その巧みな脚本を味わってみる価値はあると思います。この感想を読む

4.04.0
  • yukigenoyukigeno
  • 101view
  • 393文字

感想をもっと見る(4件)

関連するタグ

ユージュアル・サスペクツが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ