交渉人のあらすじ・作品解説
1998年にワーナー・ブラザーズ作品によるアメリカ映画、交渉人はF・ゲイリー・グレイ監督によるサスペンス作品である。 人質をとった立て籠もり時には、人質の安全を考慮しながら犯人を落ち着かせ、安全に解放へと導き出す交渉係が存在する。そのシカゴの警察署でプロの交渉を担当するダニー・ローマンは年金に関わる横領と殺人の罪を着せられてしまう。ダニーは無罪を訴えるために人質をとり、立て籠もりを開始する。警察のノウハウを知るダニーに太刀打ちが出来ず、事態は深刻化する。 そんな中、ダニーは自分と同じように交渉を行う、他部署にいるクリス・セイビアンとの会話には応じると述べ、交渉プロ同士によるやり取りや、無罪を訴えるために人質を取らざるを得なかったダニーの苦渋の決断。 ダニー役をサミュエル・L・ジャクソン、クリス役をケヴィン・スペイシーが務めた豪華キャストと、横領や人種などの問題を取り扱った、社会派サスペンス作品である。
交渉人の評価
交渉人の感想
駆け引きとアクションを存分に楽しめるアクションムービーの名作
篭城系パニックアクションの名作これまでに見たパニックアクション映画の中でも最も印象深いもののひとつです。個人的には「タワーリング・インフェルノ」「ダイ・ハード(一作目)」「スピード(一作目)」と並ぶ面白さと思っています。「ダイ・ハード」や「スピード」のように安易に続編を作らなかったのがいいですねえ。主演がサミュエル・ジャクソンとケヴィン・スペイシーだったからということもありそうです。しかしこういった、一連の「高層ビルもの」の面白さってなんなのでしょうね。人間性がむき出しになるかんじが面白いのでしょうか。監督のF・ゲイリー・グレイは元々音楽畑出身で、ヒップ・ホップアーティストのPVなどをたくさん手がけて来た人で、彼自身も黒人です。この作品監督時は弱冠31歳の若者で、このような隙のないエンターテインメントを一流の役者を起用してかっちり作り上げるというのは、相当なことだと思います。彼が2003年に手...この感想を読む
緊張感ある駆け引きに息をのむ!
横領の相棒殺しの濡れ衣を着せられた刑事が、連邦警察ビルに立てこもる、しかも、その刑事は交渉のプロで、駆け引きで彼に勝てる者はいない、というけっこう派手な設定です。しかし、問題解決に当たるのは凄腕スナイパーでも、突入のプロ集団でもなく、彼と対等に交渉できる凄腕交渉人ということで、アクションシーンより心理戦がメインなので、緊張感のあるいい雰囲気の映画だと思います。裏切り者をあぶりだすために、自分の能力をフルに発揮する主人公と、無血解決を目指し、これまた自分の能力をフルに発揮する交渉人。駆け引きは極めて冷静に行われるのですが、その裏には誰も傷つけたくないという優しさが隠されていて、そこにプロの真髄を感じます。この映画を観ると組織って怖いと思いますが、反面、仲間っていいなとも思います。
言葉使い 魔法使い
この映画はチェスをするような醍醐味があります。ああ言えばこう動き、こう行動すると先へ先へと読む楽しさがあります。ストーリーを追ううちに、どちらに感情移入しているか、またはこう言えと自分の心で語りだせるのです。このタイトルの交渉人とは、犯罪者と話し合って、言葉の中から共通点や思考の穴を探し、印象コントロールして感情の先読みして、なんとか自分の有利なところへ持っていこうとします。相手の言葉の中から相手の教育程度、なまり、人種、環境、反応する点、動きをコントロールして、動かすのが描かれていますが、人の心理やパニックした時の人の選択を考える事が好きな人には、是非とお勧めしたいです。心理学などを学んで行う事が多いですが、学んでも必ずできるとは言えないので、これは多分にうまれ持った才能がモノを言う分野だと思います。 詐欺師も同じ系統の言葉使いの現象を使用しますね。またカルト、自己啓発セミナーなど、...この感想を読む