驚くような落ちがある短編集
もやしもんで有名になった石川雅之の短編集。
現代劇だけでなく時代腸の作品も入っているなど舞台が多彩で切り口がユニークなものが多いのが特徴。基本的になんだそれはと突っ込みたくなるようなナンセンスな落ちやギャグが入っていて、思わず突っ込まずにはいられないものや、「どうしてそうなった?」と、真面目に登場人物に聞きたくなるものも入っています。
特に秀逸なのが、領主主催の凧揚げ大会で、間違って巨大なタコを捕まえてしまった村人たちの話です。
もう、「え?」となるしかないです。そして、腹を抱えて笑う事になります。何というか知らなかったんだからしょうがないと言うのと、言い切ったものが勝つ部分はあるよねと。結局ハッピーエンドになってしまうのもすごい所です。
基本的に人々の勘違いや、価値観の違いをうまく生かしていることが多いですね。なんとなく通じているようで、実は致命的に認識がずれていることがわかってしまったり、芋づる式に聞きたくなかった事まで話題に出てしまったりと笑い所も様々なところに仕掛けてあります。
一話完結の短編集なので、一話一話切れ味が凄いものから、ああ、やっちゃったなぁと言うものまで、気軽に肩を抜いて読める感じの本になっています。
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