私の人生のバイブルであり、想像する楽しみ - 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読むの感想

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宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読む

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私の人生のバイブルであり、想像する楽しみ

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
4.0
演出
5.0

この作品は名前だけなら聞いた人も多いかと思いますが、読み手によって解釈であったり、感じることが違う作品だと思います。

作品としては原稿の抜け落ちもあるため、未完の作品となっていますが、その抜け落ちた作品だからこそ、読み手が自由に想像する作品ともいえます。主人公のジョバンニとカムパネルラを乗せた銀河鉄道は、旅の途中で様々な人に出会います。そこで、ジョバンニは「本当の幸い」とは何かついて考えます。少し距離が出来てしまっていた親友のカムパネルラと二人きりで旅ができる喜び、旅の途中で出会った自分を羨む商人、タイタニック号の乗客であったであろう少女、サザンクロスの灯火を通して、ジョバンニは「本当の幸い」に対して進んでいくことが大事な事であり、その過程こそが大事であると気がついたとき、そこにカムパネルラの姿は無かった、カムパネルラはカムパネルラ自身が思う、正しい事のために、実はすでに命を落とし、その魂だけがジョバンニと一緒に旅をしていたのです。この不条理も人生を表していると、私は思います。

他の方が読めば、いやそうじゃない、お前は判っていないと言われるかもしれませんが、そうやって論議できることも、この作品の魅力だと思います。また、文章も読解する楽しみだけでなく、幻想的な美しい表現も多くありますので、そういった世界を創造する楽しみもあります。読む人によっては、星の王子様を思い出すかもしれませんし、千と千尋の神隠しの列車のシーンを思い出すかもしれません。

銀河鉄道の夜は推理小説のように、最後に犯人が判りスッキリするといった作品でも、重たいテーマを投げかけられてお終いの小説でもありません。読み手が自由に、楽しみ想像できる小説だと私は思います。

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