これは本を読むんじゃない
決して勘違いしてはいけない。この本を手に取ったからといって文章の中身に期待を寄せてはいけないのである。それならばなぜこの本を読む必要があろうか!と言われてしまうのであろうが、こればっかりは譲れない。この本は文を読むのでなく、文を書いているリリー・フランキー自信を感じるためにあるのだ。考えても見よう。この本を買うきっかけはもちろん東京タワー僕とオカンと時々オトン・・・を書き上げたリリー・フランキーの本だからであろう。結局のところ、みんなリリー・フランキーの世界=それも飾らない本当のリリー・フランキーの世界に近づきたいのだ。そんな「リリー・フランキーに近づきたい!」という読者にとってはおそらく東京タワーよりもこの誰も知らない名言集の方がよっぽどリリーさんの核心に迫る作品なんだと思う。我々には到底近づくことのできないような、個性の塊のようなストーリーの構成員を一人一人紡ぎ出すように書き上げるリリー・フランキーの才能には全く脱帽である。こんなにも世の中の変人を惹きつけ、様々なストーリーを体験出来るのもそれもまたリリーさんの魅力なのであろう。この本を読めばそんなリリーさんの持つ唯一無二の世界を味わうことができるのは間違いないであろう。
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